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[ Concert Reviews ]
文化講演会「音楽の力~その魅力を語る」
ジェフ・ミヤハラさんによる文化講演会「音楽の力~その魅力を語る」
大森貴久 (ライター)
限られた音の組み合わせが
無限の音楽をつくり出す
6月5日、文化講演会が民音文化センターで開催され、音楽プロデューサーのジェフ・ミヤハラさんが登壇した。演題は「音楽の力〜その魅力を語る」。ジェフさん自身の半生を振り返りながら、音楽を旅や四季にたとえてその魅力を語った。
ジェフさんは韓国と日本のハーフとして、アメリカ・ロサンゼルスに生まれ育った。大学を卒業後に韓国で楽曲制作を始め、1999年に日本で本格的に音楽活動を開始。
2002年に開催されたサッカーワールドカップ日韓大会では、日本代表のサポート集団「ウルトラス・ニッポン」の『翼をください』というプロジェクトに参加。同名の日本代表応援ソングをプロデュースした。
この楽曲に小田和正さんや長渕剛さんら、有名アーティストが参加したことがきっかけとなり、ジェフさんの活躍の幅は広がることになる。
「アメリカ生まれで韓国と日本のハーフ。子どもの頃の僕は自身のアイデンティティーに悩みました。そんな僕を支え、導いてくれたのが音楽だったのです。大学生の頃、我が家は経済的な困窮に陥ってしまいます。その時に、僕は家族を助けるために音楽プロデューサーになろうと決めたんです」
2002年以降のジェフさんは、ボーイズ・Ⅱ・メンや少女時代といった海外アーティストをはじめ、JUJU、青山テルマ、加藤ミリヤ、クリスタル・ケイ、西野カナ、クリス・ハートなどの楽曲を手がけるように。ヒット作を連発し、これまでに数多くのアワードも受賞してきた。
そんなジェフさんには、最近力を注いでいることがあるという。それは次世代の育成である。本年は、中国やシンガポールにミュージック・スクールを創設した。
今回の講演会には、シンガポールのスクールに通う少年少女で編成された弦楽団「Melody Strings」のメンバーが招待され、ジェフさんのトークの合間に演奏が行われた。
「もしも音楽がなければ、自身のアイデンティティーを見出せなかった」と振り返るジェフさん。そんなジェフさんは、音楽の魅力についてどう考えているのだろうか。
「1オクターブのなかには12の音階があります。『ド』から始まり1番上までいくと、1オクターブ上がって再び『ド』になる。つまり、高低の違いこそあれ、音というのは12種類しかないのです。
その一方で、音楽はどうですか? ひとつとして同じ楽曲は存在しないはずです。つまり、12種類の音はその組み合わせによって、無限の音楽を作り出せるのです。それが、僕が考える音楽の最大の魅力です」
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