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OUTREACH

民音音楽博物館付属

民音研究所

2014年10月18日に発足した民音音楽博物館付属研究所(略称:民音研究所)は、
「平和構築活動に資する音楽の潜在的応用性に関する学際的探求」をテーマに調査・研究活動を行い、
2023年に、民音研究所は音楽で平和を構築するために、ハブ(HUB)を使って
世界中の学者、教育者、アーティスト、平和活動家を一堂に集めました。
平和構築活動に資する音楽の効果的応用強化に欠かせない知的基盤の確立をめざしています。

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民音研究所研究員

オリビエ・ウルバンオリビエ・ウルバン

所長オリビエ・ウルバン

〝平和構築と芸術の結合の研究〟を促進するオンライン組織「トランセンド:芸術と平和のネットワーク」の創立者・ディレクター。
「戸田記念国際平和研究所」前所長。
「国際平和研究学会財団」理事。

研究テーマ

私は、「平和研究」の分野の中でも特に「平和の構築」に目を向け、「平和の文化」の要素を強めることで、人びとが日常生活や地域社会で即座に暴力を回避し防止する方法に焦点を当てています。さらに私が目を向けるのは、さまざまな角度からの「音楽の平和構築への応用」であり、特に「平和構築」の行動における「音楽心理」、とりわけ「音楽と感情」の密接な関係を探究しています。

略歴

1961年ベルギー・トゥルネー市生まれ。アマチュアのブルース・ピアニスト。ベルギー、アメリカ、イギリスで学位を取得。これまで大学教授として、「戸田記念国際平和研究所」の所長として、さらに「民音研究所」の上級研究員として、約20カ国で多くの講演・研究発表してまいりました。

学位

文学博士 アメリカ・南カリフォルニア大学(1990年)
平和学博士 イギリス・ブラッドフォード大学(2009年)
受賞・顕彰・業績 ・南カリフォルニア大学の大学院生時代スカラシップ数種を取得(1985~90年) ・「国際平和研究学会(IPRA)芸術平和委員会」創設者(2002年) / 招集者(2002~2008年) ・「国際平和研究学会財団」理事

出版物

『〝平和構築における音楽〟に関する研究への価値表明:ガルトゥング・池田平和理論の統合』「平和教育ジャーナル誌」第13巻第3号2016年

マイケル・D・ゴールデンマイケル・D・ゴールデン

特別研究員マイケル・D・ゴールデン

アメリカ創価大学(アメリカ合衆国アリソ・ビエホ市)音楽作曲法・音楽理論教授。「クリエイティブ・アーツ・プログラム」ディレクター。

研究テーマ

私の音楽修行で自己訓練と当初の興味を持続させてくれたものは、音楽の創造性、その作品群、ジャスの即興性でした。私は博士論文『ヒューマニスティックな音楽理論を目指して』を執筆するなかで、世界の音楽・音楽思想・音楽認知(ミュージック・コグニション)の研究を深めていきました。そしてこの研究のおかげで、音楽と生態学の関係を探究するとともに、音楽を生物のエコシステム(生態系)における一つの活動として、さらには神経科学やヒューマン・デベロプメント(人間開発)や進化における活動として、理解するようになりました。

略歴

1952年アメリカ合衆国ニューヨーク市に生まれたゴールデン博士は、「ジャズモービルスクール」でケニー・バロンとビリー・ゴールトからジャズピアノを習い始めました。その後トーマス・スヴォボダ、ウィリアム・O・スミス、ディアン・トーム、ウィリアム・バーグスマ、ジョナサン・バーナードらのもとで作曲法と音楽理論を習得し、ロバート・トロッターとクリストファー・ウォーターマンから音楽史と音楽民俗学を学びました。ゴールデン博士が作曲した作品は、アメリカ全土をはじめ世界の各地で演奏されています。そこには各地域やアメリカ国中からの委嘱作品、映画音楽・舞台音楽、多数のジャズ音楽が含まれています。

学位

作曲法修士 オレゴン大学(1981年)
音楽学・作曲法博士 ワシントン大学(1992年)
受賞・顕彰・業績 ・「アメリカ・ギター財団(GFA)」主催「国際作曲コンクール」1位、1996年 ・「作曲家たちの委嘱音楽に出会おうUSA賞」1997年 他の委嘱作品 ・『長い長い川の流れ』(題名仮訳)「ハンティントン交響楽団」からの委嘱作品、1997年 ・『永遠の光のなごり』(題名仮訳)(『荒城の月』編曲)「関西21世紀交響楽団」からの委嘱作品、1998年 ・組曲『典礼』(題名仮訳)「アリソ・ビエホ交響楽団」からの委嘱作品、2001年 ・『三人の友達』(題名仮訳)室内楽・コンピューター・ジャズピアノのための作品、「南オレンジ郡室内楽団」からの委嘱作品、2003年

出版物

『生態学の中の音楽、生態学の音楽』(書名仮訳)「パーフェクトビート社」(未決定)
『音楽と相関性と意識』(書名仮訳)「平和と政策誌」第15巻(2010年)
スコア ・『フラメセツドゥ、ソロ・ギターのための作品』(書名仮訳)「制作会社オズ社」モントリオール市(2000年) レコーディング ・『〝海の変化その他の物語〟ピアノのための現代アメリカ多様性音楽、第4巻』(題名仮訳)「ニューアリエ ル・レコーディング社」(1997年) ・『フラメセツドゥ〝祝宴〟』(題名仮訳)ギター演奏パトリック・カーニー、「ラ・フラメ・レコード社」(1997年) ・『ビダー・トゥ・ベター〝バイオリンとピアノのためのアメリカ音楽〟』(題名仮訳)ネヴェルソン・デュオ演奏、「アルバニー・レコード社」(2004年)

クレイグ・ロバートソンクレイグ・ロバートソン

特別研究員クレイグ・ロバートソン

英国ノードフ・ロビンズ音楽療法センター研究責任者

研究テーマ

私がとりわけ関心を払っているのは、〝音楽と紛争転換〟〝音楽社会学と芸術・文化全般〟がどう〝平和構築の領域〟と関わり合うのか、という問題です。このために取組んでいる学究的な研究の分野が、〝音楽とディアスポラ(民族の離散)〟の問題であり、〝音楽と食物と独自性〟の問題であり、さらにボスニア・ヘルツェゴヴィナ紛争と「アラブの春」に影響された北アフリカ諸国における「音楽と文化の独自性・感情・信念構造」の問題です。

略歴

1973年カナダ生まれのロバートソン氏は、これまで世界各国で「音楽と紛争」に関する論文をいくつも発表してきました。彼は、オンライン論文審査ジャーナル「行動する音楽と芸術」の編集部員であり、「芸術社会学」「芸術と紛争」「国際平和研究学会」「アジア太平洋平和研究学会」等々の研究グループの会員です。ロバートソン氏は、以前からヨーク大学政治学大学院のプロジェクト「紛争後の復興・開発ユニット」(PRDU)に参画して活動してきました。このプロジェクトは、「ブリティッシュ・カウンシル」の資金援助により、2011-2012年の「アラブの春」運動で芸術が果たした役割を調査研究するプロジェクトです。

学位

英国エクセタ―大学音楽社会学博士
英国ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジ「現代音楽研究」修士号(優等)
英国ミドルセックス大学「中等学校の音楽」教員資格(PGCE)音楽学士号
カナダ・マウントアリソン大学音楽学士号
受賞・顕彰・業績 2013年12月 芸術・文化への傑出した感化力に与えられる「エクセター・インパクト賞」の最終選考リスト者。ロバートソン氏が唯一の個人候補者で、彼以外の参加は研究者たちのチームによる参加(複数)でした。

出版物

・『音楽と権力と自由:変革の手段としての音声・歌唱・メロディー』(共編者・共著者)(書名仮訳)「I.B.タウリス社」ロンドン(2015年発刊予定) ・『音楽の作用と社会の変化:その独自性・記憶・感情・信条との再帰的な関係性』(書名仮訳)「I.B.タウリス社」(2015年発刊予定) ・『異議の音声:抗議としての音楽』(書名仮訳)「ロウマン&リトルフィールド社」(2014年) ・『音楽は紛争転換に確たる役割を果たせるか?』(書名仮訳)「ポエティクス社」 ・『誰のための音楽か、誰のための国か?:音楽と戦時体制化と北アフリカの社会変化』(書名仮訳)「アフリカ紛争と平和構築レビュー誌」(2015年) ・『音楽と暴力への理解を通じて音楽と非暴力を理解する』「タマサート大学レビュー誌」(未発刊) ・『音楽と宗教と和解』(書名仮訳)「オックスフォード大学出版局」(2015年) ・『民衆の声:北アフリカの文化・紛争・変化』(書名仮訳)(2013年)。ヨーク大学実施の調査研究に基き「ブリティッシュ・カウンシル」が発行した報告書 ・『正常化を求めて:音楽とボスニアの紛争転換』(書名仮訳)オンラインジャーナル「活動する音楽と芸術誌」(2010年)

エレーン・チャン・サンドバルエレーン・チャン・サンドバル

准特別研究員エレーン・チャン・サンドバル

ニューヨーク市立大学大学院民族音楽学専攻博士課程在籍

研究テーマ

一民族音楽学者として、私は民族誌学的な手法を使って、いまや社会的公正のための世界的な音楽教育運動となった「エル・システマ運動」を研究しています。さらに私は、〝音楽教育と植民地主義・社会的公正・人種問題の関係〟、より総合的には〝音楽とコスモポリタニズム(世界市民主義)の関係〟を研究しています。私は、音楽教育が平和構築の役割を必ずや果たすものと信じています。ただしそれは、文化的共存とか文化的公正とかの問題が着実に遂行されればの話です。同時に私は、社会開発という目標に音楽教育が果たす役割をより深く理解するための、評価・評定の作業にも取り組んでいます。もう一つ私が力を注いでいるのが、学究の世界(アカデミア)と公共部門の働きや行動主義(アクティビズム)の関係を深める作業です。現在の私の研究計画は、ベネズエラのグアリコ州に息づく〝ムシカ・ジャネーラの伝統〟に基づいた教育の探究です。

略歴

カリフォルニア州サンノゼ市生まれ。フルブライト奨学生。「システマ・グローバル」の研究管理者。非営利芸術評価会社「ウルフ・ブラウン」研究員。2013年にニューイングランド音楽院の「システマ特別研究員」となって以来、「エル・システマ運動」に深く関わってきました。これまで台湾、中国、イギリス、ベネズエラに在住・留学の経験があります。

学位

オックスフォード大学・音楽民族学修士(2012年)
受賞・顕彰・業績 2016‐2017年 「ベネズエラのフルブライト学生(IIE)のための学問/研究賞」
2014‐2019年 「ニューヨーク市立大学・学長MAGNET賞授与特別研究員」
2014年 音楽教育国際協会「スティーヴ・ディロン世界会議賞」
2012‐2013年 ニューイングランド音楽院「システマ特別研究員」
2011年 アメリカ創価大学「創立者賞」
2011年 アメリカ創価大学「牧口記念教育スカラシップ」
2010年 アメリカ創価大学「池田スカラシップ」
2016年 『音楽教育が平和構築に果たす潜在的貢献:カリキュラムの関心事』「平和教育ジャーナル誌」14 (1)
2016年 『平和構築における音楽:批判的文献論評』「平和教育ジャーナル誌」14 (1)
2015年 アンドレア・クリーチ、スティーブン・フェアバンクス、エレーン・サンドバル(共同執筆)『エル・システマおよびエル・システマに触発された事業計画へのシステマ・グルーバル委嘱文献論評』2015 年改訂版「システマ・グローバル」

出版物

・『音楽と権力と自由:変革の手段としての音声・歌唱・メロディー』(共編者・共著者)(書名仮訳)「I.B.タウリス社」ロンドン(2015年発刊予定) ・『音楽の作用と社会の変化:その独自性・記憶・感情・信条との再帰的な関係性』(書名仮訳)「I.B.タウリス社」(2015年発刊予定) ・『異議の音声:抗議としての音楽』(書名仮訳)「ロウマン&リトルフィールド社」(2014年) ・『音楽は紛争転換に確たる役割を果たせるか?』(書名仮訳)「ポエティクス社」 ・『誰のための音楽か、誰のための国か?:音楽と戦時体制化と北アフリカの社会変化』(書名仮訳)「アフリカ紛争と平和構築レビュー誌」(2015年) ・『音楽と暴力への理解を通じて音楽と非暴力を理解する』「タマサート大学レビュー誌」(未発刊) ・『音楽と宗教と和解』(書名仮訳)「オックスフォード大学出版局」(2015年) ・『民衆の声:北アフリカの文化・紛争・変化』(書名仮訳)(2013年)。ヨーク大学実施の調査研究に基き「ブリティッシュ・カウンシル」が発行した報告書 ・『正常化を求めて:音楽とボスニアの紛争転換』(書名仮訳)オンラインジャーナル「活動する音楽と芸術誌」(2010年)

研究関連のアウトリーチ(現場作業)計画

・2016年『音楽の教訓』コモンスレッズ・ブログ「変容する世界への創造的対応」招待の執筆記事。 ・2016年と2014年「ニューイングランド音楽院エル・システマ・プログラム」の調査に基づく委嘱インタビューならびに評定レポート。 ・2015年「ステート・オブ・ザ・フィールド(現場の状況)誌」の「学生ニュース特集号」第2巻への寄稿。「民族学協会と音楽教育に関する音楽民族学会」。 ・2015年 ジェフ・ベイカー氏のエル・システマに関する著書『ベネズエラの青年を組織化する』(オックスフォード大学出版局2014年)をめぐるビデオ・ポッドキャスト* ならびにインタビュー・シリーズ。「システマ・グローバル・リサーチ誌」。 ・2013年 アンドレア・ランディン、カルロス・ロルダン、エレーン・サンドバル、サラ・ザヌッシ(共著)『あなたへの評価にイエスと答えなさい:エル・システマ評価の実践への調査』「システマ特別研究員プログラム」2013年5月。 *【訳注】ポッドキャスト=ウェブサイトからダウンロードできるラジオ・テレビ番組などのデジタルファイルのこと。

民音研究所
(「民音音楽博物館付属研究所」MOMRI)

長期的目標

全世界の学者、教育者、芸術家、平和活動家と協力し、多角的、学際的研究を通じて、平和構築活動に資する音楽の効果的応用強化に欠かせない知的基盤確立への貢献をしていきます。
この目標を達成するための四つの要素:

  • ・新しい理論やアプローチの開発
  • ・既存アプローチの評価手段の発展を支援する
  • ・平和構築の仕事に従事している、もしくは従事を希望している個人や組織にリソースを提供する
  • ・新しい活動の出現を支援する
平和構築に関して

オリバー・ラムズボサム、トム・ウッドハウスおよびヒュー・マイアルによって提唱された「紛争のライフサイクル」の概念を援用します。


・暴力が起こる前には、平和構築の研究に焦点をあてる:「平和の文化」の向上強化及び、暴力に拠らない紛争転換の可能性を強化
・暴力が起こった後においては、暴力収拾後、地域社会の再建を支援する研究に焦点を当てる。
・そして、暴力が起きている段階を含み、当研究所は平和維持と平和創造活動のために音楽が応用されている手段方法に留意する。

短期的目標

事業開始時期(2015-2016)は、3つの目標に焦点をあてる


・音楽と平和構築の分野における現行の学術文献の講評を編集(コンパイル)
・音楽と平和構築分野に関する最新の事例研究を行い、可能なものから実践プログラムの評価を行う
・音楽と平和構築に関する個々の研究課題への積極的貢献をする

活動の記録

法人賛助会員制度について