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MIN-ONミュージック・ジャーニー~スロバキア編~

皆さん、民音ミュージック・ジャーニーへようこそ。
今回は、スロバキア共和国へ、駐日スロバキア共和国大使館の皆様とともにご案内いたします。
ヨーロッパの中心に位置するスロバキアは、四季のある内陸国です。大モラヴィア国、ハンガリー王国、オーストリア=ハンガリー二重君主国の一部として栄えた歴史を持ち、1993年にチェコスロバキアが平和的に解体された後、現在の国家体制になっています。
・ブラチスラバの旧市街を散策しよう
・城巡りでお気に入りのお城を写真に収めよう
・ルシーン民謡の情熱的なメロディを聴いてみよう
編集部の“イチ押し”アーティスト①:Karin Ann
今回の旅は、2002年生まれの若きシンガーソングライター「Karin Ann」の楽曲とともにスタートしましょう。10代からSNSや音楽チャートで話題を集めると、芸術的な音楽性と社会性のあるテーマで国境を越え、多くの若者に支持されるようになりました。
Karin Ann - winter song (official video)
ヨーロッパ旅行の拠点にピッタリ!首都ブラチスラバ
西端部に位置する首都ブラチスラバは、景観の美しさと優れたアクセス性から、ヨーロッパ旅行の拠点として観光客に人気です。コンパクトなエリアに見どころが凝縮されており、旧市街のみなら徒歩でも十分にまわれるため、ヨーロッパ旅行のスタート地点にピッタリといえます。
旧市街とミハル門
写真提供:VisitBratislava.com
ローマ帝国時代から都市として栄えてきたため、街には中世の面影を残す建造物やお城が数多くあります。かつては4つの門と城壁に囲まれた市街地であり、ミハル門のみ現存しています。
青の教会
正式名称は聖アルジュベタ教会ですが、外壁から内装まで淡いブルーで統一された美しさから、青の教会として親しまれています。内部は無料で公開されており、一際目立つ可愛らしい外観はブラチスラバのシンボルとして人気です。
お城好き必見!“中欧の城の国”の城巡りツアー
スロバキアには大小100以上もの城があり、車で各地の城を巡るツアーも人気です。
西部〜中部:ブラチスラバ城/デヴィーン城/ボイニツェ城
ブラチスラバ城は、18世紀にマリア・テレジアの住まいにもなった歴史的な建物です。四隅にとんがり帽子状の塔が突き出ていることから、“ひっくり返したテーブル”の愛称でも親しまれています。
写真提供:VisitBratislava.com
デヴィーン城はナポレオン軍によってすでに廃墟となっていますが、城跡からはドナウ川の絶景を眺めることができます。中部のボイニツェ城はファンタジー映画のロケ地になることも多く、ロマネスク様式にゴシックやルネサンスの要素も含んだ唯一無二のデザインが魅力です。
東部:スピシュ城(世界遺産)

写真提供:Travel to Slovakia Good Idea
のどかな高原にそびえ立つスピシュ城は、中欧で最も大きな城の一つで、天空の城を思わせる世界遺産です。城内は博物館として公開されています。
スロバキアのお祭り
スロバキアでは1年でさまざまなお祭りが行われています。今回の旅では、特にユニークなお祭りの様子を覗いてみましょう。
ブラチスラバ戴冠式


写真提供:VisitBratislava.com
ブラチスラバは、かつてプレスブルクという名前で知られており、約250年間ハンガリー王国の首都であったことから、計11人の国王と女帝の戴冠式が行われました。現在でも、16〜19世紀にかけて行われていたハンガリー王の戴冠式を再現したお祭りが毎年6~7月に行われます。伝統衣装で旧市街を練り歩くパレードは必見です。
ヴィーホドナー民俗祭
2025年で70周年を迎えるスロバキア最大の歴史ある祭典です。1,500人を超える出演者が音楽や文化、ダンスなどの演目を披露し、世代を超えて人々や文化が出会う重要な場所となっています。
ポホダ・フェスティバル
音楽や文学、ダンス、美術、映画と幅広い芸術作品が融合し、熱気と歓喜に包まれるヨーロッパ屈指のフェスです。現代音楽とクラシックが融合するステージは、多くの音楽ファンを唸らせます。
スロバキアの音楽文化
かつてブラチスラバでは、モーツァルト、ハイドン、ベートーヴェンといった優れた音楽家がコンサートを行いました。ベートーヴェンの代表作である『月光ソナタ』が作曲された場所は、西スロバキアの小村ドルナー・クルーパです。現代に目を向けると、スロバキアでは冒頭でもご紹介したKarin Annをはじめ、ヒップホップのSIMAやSepar、R&BのAlan Murinなど、多様なジャンルに世界的な影響を持つアーティストがいます。一方で伝統音楽に携わるアーティストが多いのも特徴です。
スロバキアの伝統音楽は地域ごとに異なるスタイルを持ちます。首都がある西部は隣接するチェコと共通する特徴も多く、明るいポルカが人気です。
東部はウクライナ系民族であるルシーン人の影響で、ルシーン民謡に代表されるようなエモーショナルで力強い歌が多いのが特徴です。
編集部の“イチ押し”アーティスト②:Hrdza
1999年に結成されたバンド「Hrdza」は、民謡とロックを融合させた独自の世界観を持つアーティストです。伝統民謡を現代の技術で蘇らせたようなMVは、当時を知らないはずのリスナーまでタイムスリップさせてくれます。今回は、彼らがルシーン民謡をアレンジした楽曲で、ルシーン人の情熱的なメロディとダンスをお楽しみください。
中央部の音楽スタイルは、伝統楽器のフヤラのソロ演奏が映えるメロディアスな楽曲が特徴です。スロバキアの伝統音楽には、ユネスコ無形文化遺産に登録されているものも数多く存在します。
代表的な無形文化遺産
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フヤラ羊飼いが伝統的に演奏してきた3つの指穴を持つ大きなフルート |
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バグパイプ文化楽器制作、様式・習慣・楽曲などが丸ごと登録されている。スロバキア全土にバグパイプの伝統文化が存在する写真提供:CENTRUM PRE TRADIČNO ĽUDOVÚ KULTÚRU |
最後に、駐日スロバキア共和国大使館が推薦する音楽家の演奏をお楽しみください。
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“Horehronie” – Kristina (ユーロビジョン・ソング・コンテスト2010)
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“Mám ťa rád” (All-Stars Band Live Session Cover) - Karol Duchoň
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“Tanečnice z Lúčnice” - ELÁN
皆さん、スロバキアへの音楽の旅はいかがでしたでしょうか。
音楽の旅はまだまだ続きます。次回もどうぞお楽しみに。
協力:駐日スロバキア共和国大使館
写真提供:駐日スロバキア共和国大使館、Bratislava Tourist Board、Ministry of Tourism and Sports of the Slovak Republic、CENTRUM PRE TRADIČNO ĽUDOVÚ KULTÚRU、Travel to Slovakia Good Idea
Min-On Concert Association
-Music Binds Our Hearts-