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MIN-ONミュージック・ジャーニー~タジキスタン編~

ナウルーズのお祭り
皆さん、民音ミュージック・ジャーニーへようこそ。
今回は、中央アジアに位置する山岳の国タジキスタン共和国へ、駐日タジキスタン共和国の皆様とともにご案内いたします。
Tajikistan-With love from the altitude
“タジク人の土地”を意味するタジキスタンは、古くからアジアと中東諸国を結んできた要衝地です。国土の約9割が高地にあり、平均標高3,000mの世界でも有数の山岳国として知られています。
パミール・ハイウェイ
・国立博物館でタジキスタンの歴史を学ぼう
・パミール高原の絶景を満喫しよう
・タジキスタンの伝統楽器の音色を聴いてみよう
タジキスタン国立公園
文化の中心地 首都ドゥシャンベ
西部に位置する首都ドゥシャンベは“月曜日”を意味する言葉であり、月曜日に開かれた市場が発展を支えたことに由来します。文化と暮らしの中心地であり、タジキスタンの玄関口でもあります。
首都ドゥシャンベ
国立博物館
ドゥシャンベを訪れたら、まず足を運びたいのが2013年にオープンした国立博物館です。タジキスタンの歴史が石器時代まで遡って解説されており、紀元前後から1000年近くにわたってシルクロード交易を司ったソグド人にまつわる壁画をはじめ、貴重な調度品が数多く展示されています。
国立博物館
ルダキ公園
ドゥシャンベのメインストリートにある公園です。きれいに整備された敷地には、豊かな緑と美しいモニュメントが点在しており、人々の憩いの場となっています。
ルダキ公園
南側には国民的英雄であるイスモイル・ソモニの記念碑や国立図書館、西側にはタジキスタン宮殿があります。
イスモイル・ソモニの記念碑
“世界の屋根”パミール高原
タジキスタンの東側には、アフガニスタンや中国にまたがるパミール高原が広がっています。標高7,000m級の山々が連なる山岳地帯では、息を飲むような絶景と秘境が旅人を待ち受けます。
パミール高原
絶景が続くパミール・ハイウェイ
パミール高原に沿って全長数百kmにわたって続く道路です。突き抜けるようなパノラマの空をバックに疾走するひとときは、まるで“地球に置き去りにされた”ような非現実的な感覚を味わわせてくれます。
パミール・ハイウェイ
世界自然遺産 タジキスタン国立公園
パミール高原一帯を含む国立公園であり、国土の20%近くを占める広大な世界自然遺産です。公園内は砂漠から高山湖、世界最大級の氷河地帯といった多様な環境が存在し、砂漠から寒冷地帯へ一気に変化する様子は世界的にもめずらしい景観となっています。
タジキスタン国立公園
全長77kmにもわたる「フェドチェンコ氷河」や七色に輝く神秘的な「カラクル湖」など、壮大でユニークな見どころが多数存在しています。
フェドチェンコ氷河(左)、カラクル湖(右)
謎に包まれた遺跡 カロン城
カロン城とは、パミール高原のふもとで2012年に発見された考古学的遺跡です。ひっそりと広がる草地には、タジキスタンの歴史を示すピースになるような遺構が数多く散らばっています。
カロンの歴史はほとんど謎に包まれていますが、ゾロアスター教のものと思われる神殿や2世紀ごろの硬貨、ワイン醸造の痕跡など、当時の生活を物語るものも発見されており、歴史的重要地として現在も調査中です。
カロン遺跡
タジキスタンの文化
タジキスタンの文化は、シルクロードを通じた多様な文明と、遊牧民であるタジク人文化の融合によって発展していました。ここでは、そんなタジキスタン文化の特徴をご紹介します。
タジキスタンの伝統楽器(左)、ブズカシ(騎馬競技)(右)
ナウルーズ
ナウルーズとは中央アジア圏で3月21日に行われるお祭りです。日本のお正月のように、親戚の家に集まってごちそうを食べ、パレードや舞踊ショーなどで町をあげて春の訪れを祝う特別な一日です。
この日に合わせて作られる「スマラク」は、小麦を煮詰めたジャムのような料理であり、甘く素朴な小麦の香りは春の風物詩となっています。
スマラク
人々に愛されるお茶文化
タジキスタンではお茶文化が根付いており、食事や接待、休憩などには美味しいお茶が欠かせません。街にはチャイハネ(喫茶店)が数多くあり、紅茶から中国茶、緑茶まで幅広い種類が楽しめます。
ドゥシャンベの「ロハト茶館」はタジキスタン最古の茶館の一つであり、CNNの「世界トップ11ティーハウス」に選出されるなど、人々の社交場として大切にされています。
ロハト茶館
タジキスタンの音楽文化
タジキスタンの音楽文化は、タジク人特有のエッセンスにペルシャや中国、インドの要素が加わり、独自に発展してきました。
伝統楽器の多くは、周辺の中央アジア諸国と共通しています。
ドゥタール | 梨型の木製銅と長棹を持つポピュラーな2弦の撥弦楽器 |
タンブール | 3〜10本の金属弦を張った西アジアや中央アジアの撥弦楽器 |
サト | 弓で弾くタンブール |
Tajik Girl in National Dress Playing musical Instrument
今回は、2018年に民音が大使館と共催した「タジキスタン共和国『文化の日』記念コンサート」から、タジキスタンを代表する音楽家たちによる伝統楽器の演奏を2曲お送りします。
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Ay yor yor (Fellow)
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Mehan (Love of Homeland)
タジキスタンには、ほかにも特徴的な伝統音楽が存在しています。
シャシュ・マカーム(左)、ファラク(右)
シャシュ・マカーム
タジキスタンに伝わるマカーム(アラブ音楽の音階・旋法)であり、「6種のマカーム」を意味する音楽形式です。声と楽器、文学的な詩の融合によって奏られ、1000年もの長い年月にわたって発展していきました。
歌詞は悲劇的な恋に関するスーフィー(イスラム神秘主義の修行者)の詩を題材としており、楽器は声を邪魔しない程度に抑えて演奏されます。
ファラク
南東部や山岳地帯の伝統的な民族音楽であり、「天国」や「幸運」、「宇宙」を意味します。アカペラや単一の楽器伴奏、アンサンブルとダンサーといったさまざまな構成で演奏され、無拍のリズムで詩を朗読する独特なスタイルと、音域の高さに特徴があります。
歌詞のテーマは愛や再会と別れ、故郷に関するものが多く、毎年の「ファラクの日祭り」や結婚式などの儀式で演奏されています。
最後に、駐日タジキスタン共和国大使館より提供して頂きました舞踊や伝統衣装の魅力満載の映像をお楽しみください。
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Dance with Tajik National Dress "Chakan"
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National Dresses of Tajikistan
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Tajik Folk Crafts
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Tajik Style Dresses
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Beauty of Tajiks Girls in National Dresses
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Tajik Style singing with Beauty of Tajikistan
皆さん、タジキスタンへの音楽の旅はいかがでしたでしょうか。
音楽の旅はまだまだ続きます。次回もどうぞお楽しみに。
協力、写真提供:駐日タジキスタン共和国大使館
Min-On Concert Association
-Music Binds Our Hearts-