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MIN-ONミュージック・ジャーニー~コートジボワール編~
皆さん、民音ミュージック・ジャーニーへようこそ。
今回は、西アフリカのギニア湾に面するコートジボワール共和国へ、駐日コートジボワール共和国大使館の皆様とともにご案内いたします。
西アフリカ屈指の経済大国
2012年以降、毎年約7〜9%もの経済成長を続けるコートジボワールは、カカオ・コーヒーの一大産地として知られます。農業ビジネスをはじめ、資源輸出産業も盛んであり、西アフリカの発展を牽引する存在となっています。
内戦を止めたサッカー大国の英雄
コートジボワールのサッカーと聞くと、イングランド・プレミアリーグのチェルシーなどで活躍したワールドクラスのサッカー選手「ディディエ・ドログバ氏」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。同国代表がW杯初出場を決めた2005年当時、国内では南北の分断による内戦が長期化していました。
悲願のW杯出場を決めた試合後のインタビューで、彼は「民族の分断を超えて共通の目標に向かい、一緒にプレーできることを証明できた」「我々の豊かな国が内戦状態に陥っていてはいけない。武器を置いて選挙を行おう」と呼び掛けます。この年、コートジボワールは選挙を実施。W杯の翌年には政府と反政府勢力が和平合意を結び、見事に内戦が終結しました。
今回はそんな活気あふれるコートジボワールを、南から北まで3日間で縦断しながら音楽とともに巡りましょう。
- 1日目(南部):大都市アビジャンと美しいビーチの景色を堪能しよう
- 2日目(中央部):首都ヤムスクロで伝統料理「ガルバ」を味わおう
- 3日目(北部):無形文化遺産「タボバナ族のグボフェ」の音色を聴いてみよう
南部:最大の都市アビジャン
南東部のアビジャンは、国際線が乗り入れるコートジボワールの玄関口です。西アフリカ全体に大きな影響を与える経済・文化の中心地であり、アフリカのマンハッタンと呼ばれることもあります。
多数の民族、宗教が共存するコートジボワールを象徴するように、アビジャンではカラフルでアフリカンなデザインが施された「サンポール大聖堂」や、優しいブルーのドームが印象的な「グランドモスク」などの美しい建造物が有名です。
ズグル音楽
1980年代に生まれたとされ、主に若者の間で流行したリズミカルな音楽スタイルです。もともとは南部の都市ガニョアで生まれ、アビジャン郊外のヨプゴンで発展していったとされます。
詞には恋愛や友情、正義、ときには社会的なメッセージ性が込められ、打楽器の躍動的なリズムと合わせて瞬く間に若者の心を掴んでいきました。特に4人組アーティスト「Magic System」がズグルを世界に広げた存在として有名であり、2012年にはリーダーのA'salfoがユネスコ親善大使にも任命されています。
Magic System-Magic In The Air Feat.Chawki
アビジャンを訪れたら、そのまま東へ40kmほどにある港町のグランバッサムまで足を延ばしましょう。世界文化遺産の「グランバッサムの歴史都市」を見学した後は、地元の美味しいシーフード料理を楽しむのもおすすめです。
コートジボワール南部には、世界中の観光客を魅了する美しいビーチが点在しています。1日目の夜は、アビジャンから東へ80kmにあるビーチリゾート「アッシーニ」でのんびりと過ごしましょう。
中央部:首都ヤムスクロ
アビジャンから北西に約240km進むと首都のヤムスクロに到着します。1983年にアビジャンから遷都された政治の中心地であり、1980年代に建てられた世界最大のカトリック建築物「平和の聖母聖堂」が有名です。
首都といってもアビジャンほどの人通りはなく、穏やかにゆったりとした時間を過ごせるのがヤムスクロの特徴です。のんびりと時の流れを感じながら、レストランで「アチェケ」(キャッサバでできたお米のような主食)と魚の唐揚げをセットにした伝統料理の「ガルバ」を食べれば、旅の疲れもすっかり回復するはずです。
北部:セヌフォ民族の中心都市コロゴ
ヤムスクロからさらに北へ進むと、あたりの景色は熱帯雨林からサバンナ地帯へと変化していきます。そのまま350kmほど北上すると、北部の中心都市コロゴに到着します。
コロゴは優れた芸術文化を持つ「セヌフォ民族」の中心都市でもあり、なかでも独創的なモチーフが描かれた「コロゴ布」は、コートジボワールを代表する特産品となっています。
世界無形文化遺産:タグバナ族の横吹トランペット音楽(グボフェ)
「グボフェ」はセヌフォ系に属するタグバナ族のアフォンカファ村で演奏される音楽スタイル、あるいはそこで用いられる横笛を指す用語です。長さ50〜70cmの角笛を使用し、タグバナ語の言葉をさまざまな音で表現します。
伝統的な儀式で演奏されることが多く、角笛と歌、太鼓によるリズム、踊りが一体となり、賛美や愛、哀悼、道徳などのメッセージが表現されます。
北部にはほかにもさまざまな見どころがあります。たとえば、世界遺産に登録された「コートジボワール北部のスーダン様式モスク群」は、かつてこの地を支配していたマリ帝国で流行したスーダン様式と、伝統的なイスラム建築様式が融合しためずらしい遺構を見ることができます。
民音では2018年にコートジボワールの芸術グループ「カストゥリ」を招聘し、計12回の公演を行いました。ここでは、さまざまな伝統楽器と民族舞踊が融合した公演の模様をダイジェストでお届けいたします。
最後に、駐日コートジボワール共和国大使館が推薦する音楽家の演奏をお楽しみください。
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Josey - Amazones & Combattants
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YODE & SIRO - COCO
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Bailly Spinto - “Monouho” en live sur NCI
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Oswald Kouamé
皆さん、コートジボワールへの音楽の旅はいかがでしたでしょうか。
音楽の旅はまだまだ続きます。次回もどうぞお楽しみに。
協力、写真提供:駐日コートジボワール共和国大使館
Min-On Concert Association
-Music Binds Our Hearts-