[ NEWS ]
MIN-ONミュージック・ジャーニー~オマーン編~
皆さん、民音ミュージック・ジャーニーへようこそ。
今回は、アラビア半島東南端に位置するオマーン・スルタン国へ、駐日オマーン・スルタン国大使とともにご案内いたします。
・首都マスカットの美しい街並みを散策しよう
・秘境ワディ・シャーブでトレッキングしよう
・オマーンの伝統音楽を聴いてみよう
アラビア海やオマーン湾に囲まれるオマーンは、海洋国家として古くから栄えた歴史を持ちます。海岸線の総延長は3,165kmにも及び、アラビアンナイトに登場する船乗りシンドバッドは、オマーンの港町ソハールから出港したとされています。
“全方位平和外交”のスタンスを保つ平和国家
オマーンは世界でも珍しい「全方位平和外交」のスタンスをとる平和国家です。カブース前国王の方針により、平和と対話を基本とする外交政策をとっており、過去50年にわたって紛争やテロとは無縁の安定した状態が保たれています。
自国だけでなく中東地域の問題解決にも貢献し、地域の安定に寄与するオマーンの外交政策は、国際的にも高く評価されています。その基本方針はハイサム現国王にも受け継がれており、中東地域における存在感はますます大きくなっています。
また、海洋国家として交流を広げてきたこの地では、イスラム教を国教としつつも異なる文化や宗教に寛容であり、穏やかで開かれた国民性が築かれているのも特徴です。
谷間に浮かぶ白亜の都市 首都マスカット
オマーン湾に面する国内最大の港湾都市マスカットは、政治・経済・文化の中心地です。マスカットには「谷間に浮かび上がる美しいもの」という意味があり、その名のとおり2,500m級の山々に囲まれた壮大な景色が魅力です。
マスカットの建築物は白を基調としており、高さを抑えた造りやアラビア風の窓・屋根などに特徴があります。統一感のある街並みは美しく涼やかな印象を与え、まるでタイムスリップしたかのようなエキゾチックな雰囲気を醸し出しています。
なかでも、とりわけ大きな存在感を放つのが新市街の「スルタン・カブース・グランドモスク」です。荘厳なイスラム建築と精巧な彫刻、世界最大級のペルシャ絨毯で装飾されたモスクは、礼拝所としてはもちろん建造物としても高い価値を持ちます。
特に、ライトアップされる夕暮れ時は必見の美しさです。
海と山が織りなす美しい自然
オマーンには美しい海と山々、緑豊かな高原地帯などの多様な自然が存在します。豊かな自然を感じられる見どころを巡りましょう。
ワディ・シャーブ
「ワディ」とはアラビア語で河谷を意味します。オマーンには数多くのワディがあり、なかでも観光客に人気なのがマスカットから東に150kmの位置にある「ワディ・シャーブ」です。
荒々しく切り立った岩山と澄んだエメラルドグリーンの渓流、手付かずの自然が残る風景は多くの人を魅了します。
ファラジ・ダリス
「ファラジ」とは、井戸の底を横穴で結合させた灌漑システムのことです。ファラジは「素敵なものを分かち合う」という意味を持ち、砂漠が広がるオマーンにおいて、2000年以上も人々を潤してきた重要な生活インフラといえます。
ファラジには「わずかな高低差を活用する土木技術」や「日時計を用いた公平な水量コントロール」など、とても高度な技術が使われています。それとともに、「皆で助け合う」という優れた精神を象徴したシステムともいえるでしょう。
国内に3,000以上あるファラジのうち、5つはユネスコ世界遺産にも登録されており、なかでも最古と考えられているのが「ファラジ・ダリス」です。
オマーンの音楽文化
オマーンではインドやペルシャ、東アフリカ、東洋といった多様な文明の交流により、独自の音楽文化が発展していきました。現代では若いアーティストにより、ポップスやロック、ジャズなどを取り入れた新しい音楽スタイルが創造されています。
ロイヤル・オペラハウス・マスカット(ROHM)
2011年に開業した中東随一のオペラハウスであり、芸術を深く愛した前国王の名によって計画された建物です。地下3階、地上5階の8階建て構造で、25,000㎡もの広大な敷地には劇場、アートセンター、庭園などの施設が凝縮されています。
スペインやイタリア、アメリカ、日本などから世界的なアーティストが招かれており、国際的に開かれたオマーンの文化を象徴する施設となっています。
オマーンの伝統音楽
オマーンには130種類以上の伝統的な歌や踊りの形式が存在しており、口伝などの実践的な伝承方法で受け継がれてきました。代表的なものとしては、遠洋航海の船員たちによって歌われてきた「アル・マイダン」や、砂漠地帯で踊られる「アル・ワホビ」が挙げられます。
また、以下の伝統舞踊はユネスコの無形文化遺産にも認定されています。
アル・アジ |
楽器を持たない個人のグループによって演奏される伝統的な詩歌 |
アル・アヤーラ |
槍や剣を模した竹の棒を持った男性が向かい合い、打楽器のリズムに合わせてダンスと歌唱を行う伝統舞踊 |
アル・タグルーダ |
ラクダ乗りによって朗読される詩歌で、愛する人や家族、知人、社会問題などの幅広いテーマが扱われる |
最後に、駐日オマーン・スルタン国大使館が推薦する音楽家の演奏をお楽しみください。
-
The complete operetta, Voice of the Renaissance Anthem, 8 panels, poetry by the late writer: Abdullah bin Mohammed Al-Taie - Sultanate of Oman
-
The people were delighted operetta- the art of AlBaraa - the Supreme Committee for National Day Celebrations
-
Music of Oman (Omani Music)
オマーンの音楽文化をさまざまなジャンルに反映させた楽曲集。フォークやカントリー、ポピュラーからロック、テクノ、トランスまで、幅広い音楽表現とオマーンの音律・楽器との調和を楽しめるプレイリスト。
皆さん、オマーンへの音楽の旅はいかがでしたでしょうか。
音楽の旅はまだまだ続きます。次回もどうぞお楽しみに。
協力、写真提供:駐日オマーン・スルタン国大使館
Min-On Concert Association
-Music Binds Our Hearts-