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MIN-ONミュージック・ジャーニー~フィリピン編~
皆さん、民音ミュージック・ジャーニーへようこそ。
今回は、東南アジアの島国フィリピン共和国へ、駐日フィリピン大使館の皆様とともにご案内いたします。
・メトロマニラの近代的な街並みを歩こう
・ビサヤ諸島でアイランドホッピングに挑戦しよう
・各地の情熱的なフィエスタ(お祭り)に参加してみよう
フィリピンは大小7,641もの島々からなる海洋・群島国家です。地理的には北部のルソン島、中部のビサヤ諸島、南部のミンダナオ島の3つのエリアに分けられます。
フィリピンの国民性
1億900万人以上の人々が暮らすフィリピンは、その大半が若者世代であり、高いポテンシャルを秘めた国です。急速に経済が発展していく一方、日々の暮らしでは伝統的な価値観も大切にされています。
フィリピン人には家庭志向の人が多く、皆で食卓を囲む時間がとても大切にされています。
さらに、現地の言葉で「バヤニハン」と呼ばれる助け合いの精神が根付いており、家庭同士でもお互いを支え合う仕組みが構築されています。
また、フィリピンでは社会的な権限や待遇における男女平等の実現に力が入れられており、社会で活躍する女性も多いです。
そして、逆境を乗り越える「レジリエンス」と、人生を楽しむことに重きを置く「明るい国民性」を持ち合わせているのもフィリピン人の特徴です。お祭り(フィエスタ)に心血を注ぐ人も多く、各地の特色豊かなフィエスタは、エネルギッシュな現地の人々と触れ合える絶好の機会です。
首都マニラがあるルソン島
ルソン島はフィリピン最大の島です。中部には経済・商業の中心地であるメトロマニラがあり、北部は世界遺産の宝庫となっています。
活気に満ちたダイナミックなマニラ首都圏
首都圏(NCR)としても知られるマニラ首都圏は、フィリピンの首都(マニラ)を囲む大都市圏です。16の都市と1つの自治体で構成されたNCRは、国内でもっとも人口の多い地域であり、政治・経済・文化の中心地でもあります。
マニラ湾の夕陽に映える高層ビル群と整備された幹線道路、最先端のショッピングエリアは、この地の活気と勢いを強く感じさせます。一方で、城郭都市「イントラムロス」や世界遺産に登録された「サンアグスチン教会」など、スペイン統治時代の建造物も数多く残されています。
このように、賑やかな都市環境、多様な文化的特徴、ショッピングセンター、史跡といったさまざまな見どころを持つのがNCRの魅力です。また、マニラは音楽やファッションといった文化の発信地でもあり、国際的な影響を与えるトレンドを次々と生み出しています。
編集部の“イチ押し”アーティスト:BINI
近年のフィリピンではP-POPアイドルの育成が盛んに行われており、実力派のアーティストが続々と輩出されています。BINIは「優しく自立心が強く、知的なフィリピン女性」の気質を体現する存在として、国内外で幅広い人気を集める国民的ガールズグループです。
今回は、そんな彼女たちが2024年に公開したナンバー『‘Salamin, Salamin'』をご紹介します。
世界遺産の棚田群
ルソン島北部にある「コルディリェーラの棚田群」は、総面積2万haにも及ぶ世界最大規模の棚田地帯です。標高1,000mを超える山腹に、黄金色の稲穂がどこまでも広がることから、“天国への階段”とも呼ばれています。
山岳民族のイフガオ族により、2000年以上にわたって守り続けられてきた棚田は、古代の農業技術を示す顕著な例として、1995年にユネスコの世界遺産に登録されています。
パヒヤス=収穫祭
ケソン地方の緑豊かな街、サリアヤでは毎年5月15日に収穫を祝う色鮮やかなフィエスタが行われます。街全体がカラフルな花や野菜で飾り付けられ、パレードやバンド演奏に心躍る楽しいフィエスタです。
美しい島々が魅力のビサヤ諸島
中部にあるビサヤ諸島は、ビサヤ海を囲む島々の総称です。中心都市は観光リゾートとして名高いセブ市です。
アイランドホッピング
青々とした海に囲まれ、多様な海洋生物が生息しているビサヤ諸島では、ボートで島々を巡る「アイランドホッピング」が人気を集めています。セブ島やボホール島、世界的に有名なボラカイ島に隣接するパナイ島、ネグロス島、シキホール島といった島々をまわり、海水浴、シュノーケリング、ダイビングなどのアクティビティを楽しめます。さらに、多くのアイランドホッピングツアーには、訪問先の地元コミュニティで現地の暮らしやホスピタリティに触れられる文化体験も組み込まれています。
ビサヤ諸島のお祭り
ビサヤ諸島の各地でもユニークなお祭りが開催されます。毎年1月にパナイ島で行われる「ディナギャン」は、地元の若者が先住民の姿を真似て仮装し、ドラムに合わせてダンスを踊る情熱的なフィエスタです。
また、毎年10月には国内でもっとも有名なフィエスタの1つである「マスカラ・フェスティバル」がネグロス島の都市バコロドで開催されます。1980年に砂糖の価格が暴落した際、住民の奮起を促すために始められたフィエスタであり、参加者のカラフルな衣装やダンス、楽器の演奏が見どころです。
豊かな自然に恵まれたミンダナオ島
南部のミンダナオ島はフィリピンで2番目に大きな島のエリアであり、緑豊かな景観と肥沃な土地に恵まれた地域です。農業に適した環境により、国内におけるバナナとパイナップル栽培の中心地となっています。
また、生物多様性の宝庫でもあり、世界最大の全長・翼開長を持つワシ「フィリピンワシ」をはじめ、世界のどこにも見られないユニークな動植物が豊富に生息しているのも特徴の一つです。
そして、ミンダナオ島の大きな魅力となっているのが、息を飲むような美しい自然風景です。世界有数のサーフィンスポットとなっている「島」の手つかずのビーチ、絵画のように美しい湖面と滝で知られる「セブ湖」など、島内には素晴らしい観光スポットが点在しています。一方、ミンダナオ島最大の都市ダバオでは、「フィリピン・イーグル・センター」や「エデン自然公園」など、都会と自然が融合した魅力のある街並みが観光客を出迎えてくれます。
フィリピンの伝統音楽と舞踊
フィリピンの音楽は、先住民の伝統的なスタイルにアジア、オセアニア、スペイン、アメリカといった多様な音楽が混ざりながら進化しました。マリンロードを通じた交流やスペイン統治時代の影響により、伝統楽器も多様な発展を見せています。
関連する文化 | 楽器名 | 説明 |
マレー文化 | クリンタンガン |
8つの音階のついた銅鑼が連なった楽器。祝宴や重要な行事の際に演奏者が同時に演奏する |
オセアニア文化 | ジューズ・ハープ |
社交の場で演奏されるイディオフォン |
イスラム文化 | クチャピ |
2本の弦を張ったリュート。蜜蝋で作られたフレットが浮き出ている |
ここで、民音が2016年に招聘した「バヤニハン・フィリピン国立舞踊団」の公演より、伝統楽器を用いた舞踊をご覧いただきます。
民音ではこれまで6度にわたってフィリピンとの文化交流を結んできました。ここでは、1993年、1998年に招聘した「バレエ・フィリピンズ」の公演より、イゴロット族の祭儀と現代的な舞踊技法を融合させた作品をご覧いただきます。
イゴロットとはルソン島北部の山岳地帯で暮らす先住民の総称であり、コルディリェーラの棚田群を守り続けたイフガオ族もその一部です。踊りのリズムパターンと美しいステップの組み合わせをお楽しみください。
2024年の9月と10月には、民音公演「アジアン・ポップス2024」の全国ツアーが開催されます。フィリピンのバラードの貴公子「クリスチャン・バウティスタ」をはじめ、インドネシアとラオスから招聘するトップアーティストたちの歌声をぜひお楽しみください。
最後に、駐日フィリピン共和国大使館が推薦する音楽家の演奏をお楽しみください。
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Philippine Madrigal Singers - Paraiso
フィリピン大学の学生、教員、卒業生で構成される合唱団。指揮者はおらず、半円状に座って歌う独特のスタイルが特徴であり、世界的な権威のある数多くの賞を受賞する。クラシックからルネサンス音楽、ポップス、フィリピン民謡まで幅広いジャンルのレパートリーを持つ。
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Ryan Cayabyab – Tuwing Umuulan at Kapling Ka
https://www.maestroryancayabyab.com/about
1954年生まれの作曲家・編曲家。合唱曲やオーケストラ・オペラの作編曲、映画やテレビのスコアリングなどを手がける国民的アーティスト。OPM(フィリピン人によって作られ、演奏される音楽)の人気を押し上げた立役者でもある。
皆さん、フィリピンへの音楽の旅はいかがでしたでしょうか。
音楽の旅はまだまだ続きます。次回もどうぞお楽しみに。
協力、写真提供:駐日フィリピン共和国大使館
Min-On Concert Association
-Music Binds Our Hearts-