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MIN-ONミュージック・ジャーニー~ザンビア編~
皆さん、民音ミュージック・ジャーニーへようこそ。
今回は、アフリカ大陸南部に位置するザンビア共和国へ、駐日ザンビア共和国大使館の皆様とともにご案内いたします。
8つの国に囲まれた内陸国のザンビアでは、西部から南部を流れる「ザンベジ川」が人々の生活を支えてきました。豊かな水源と植生をもたらすザンベジ川は、アフリカで4番目の長さを持つ大河であり、国名の由来にもなっています。
・首都ルサカのマーケットでショッピングを楽しもう
・手つかずの自然を相手にナイトサファリを体験してみよう
・ザンビアの伝統文化に触れてみよう
穏やかな国民性と平和外交
ザンビアは70以上の部族が共存する多民族国家でありながら、対立や内戦とは無縁であり、アフリカ諸国でもっとも平和な国の1つとされます。その姿勢は外交政策にも貫かれており、中立政策を維持しながら地域の調和と安定に貢献する姿は“平和の曙光”とも称されます。
そして、その象徴ともいえるのが、「KK」の愛称で慕われる「ケネス・カウンダ初代大統領」(1924-2021)です。徹底した非暴力の姿勢で周辺諸国の独立を支援し、アフリカ民族会議の創設にも尽力したカウンダ氏は、アフリカ全土を平和へと推し進める偉大な功績を残しました。
多文化が融合する近代都市 首都ルサカ
標高1,300mに位置する首都ルサカは、人口の15%ほどが集まる活気あふれた都市です。多数の人気店が集まる「イーストパークモール」をはじめ、先進的な大型商業施設が数多くあり、買い物客で賑わいを見せます。
しかし、観光でこの地を訪れるなら、伝統工芸品を担う芸術家たちが営む「カブワタ文化村」のマーケットもおすすめです。付近で採れる「ムクワ」の木を使った工芸品が特徴的であり、動物の置物や栓抜き、仮面などはどれもハンドメイドの一点ものです。
また、ルサカには文化の中心地としての顔もあります。ザンビアの歴史が学べる「ルサカ国立博物館」や先進的なアート作品が飾られた「37dギャラリー」、イーストパークモールに新設されたライブホール「ザ・ミュージッククラブ」など、多種多様な文化施設が集結しています。
“アフリカの大地”を味わえる圧倒的な大自然
ザンビアは「ザ・リアルアフリカ」とも称されるほど、圧倒的なスケールの自然を持った国です。
モシ・オ・トゥニャ(ビクトリアの滝)
「雷鳴轟く水煙」を意味するモシ・オ・トゥニャは世界三大瀑布の1つであり、世界的にはビクトリアの滝として広く知られています。幅約1.7km、落差約110mの圧倒的なサイズ感は、世界中の観光客を惹きつけるパワーにあふれています。
貴重な野生動物が暮らす国立公園
世界第2位の規模を誇るカフエ国立公園をはじめ、ザンビアには大小20もの国立公園が存在します。どれも貴重な野生動物の宝庫となっており、ライオンやキリン、ゾウ、カバなど約60種類の動物、国旗にも描かれているウミワシや珍鳥のハシビロコウといった400種もの鳥類が生息しています。
ザンビアではこれらの恵まれた自然環境を相手に、世界でもめずらしい「ナイトサファリ」や「ウォーキングサファリ」を楽しめるのが大きな魅力です。
ザンビアの音楽文化
ザンビアの人々にとって、音楽はライフイベントに欠かせない要素です。独特のリズムを奏でる打楽器や歌、地域によって異なる仮面をつけて踊る舞踊などのパフォーマンスは、婚礼や祭礼といった儀式を形作る重要な財産として受け継がれてきました。
ここでは、2001年に行われた民音公演「アフリカ音楽紀行/ダンス・オブ・アース」から、「ザンビア国立民族舞踊団」による伝統舞踊の映像をお送りいたします。
また、ザンビアには以下のように多様な伝統楽器が存在します。
スクレイパー | 表裏面に粗密な切れ目が入った摩擦楽器。スティックなどで擦って音を出す |
リズム・スティック | 木製の球に棒を差し込んだものであり、ンゴニ族のダンスで用いられる |
コニカル・ドラム | 一本の木をくり抜き、シマウマの皮を張った円錐型の片面太鼓 |
サンザ、カタンディ | 木製の共鳴箱の上に細長い金属を並べて固定した楽器 |
テーブルボンゴ | 4つ足の片面太鼓であり、鼓面に黒のペーストを貼付して音色を変化させる |
ムティアングラ | 一端を口にくわえ、弦を指で弾いて演奏する弦楽器 |
ツェツェ | 木の実の共鳴胴に皮を張ったリュート属の楽器 |
ここでは、再び「アフリカ音楽紀行/ダンス・オブ・アース」より、伝統楽器の1つであるザイロフォンの演奏をお送りします。
ザンビアの音楽は、時代とともにさまざまなエッセンスを取り入れて進化してきた柔軟性にも特徴があります。その代表例ともいえるのが、1970年代に発生した「ザムロック」と呼ばれるジャンルです。
伝統的なアフリカ音楽にロックやブルース、ファンクなどを融合させたザムロックは、近隣諸国も巻き込みながら流行していきました。それから50年の月日が流れた現代でも、多様な音楽的要素を巧みに取り入れたアーティストたちが、世界を舞台に新たな活躍を見せています。
編集部の“イチ押し”アーティスト:ケイトリン・デ・ビル
ザンビア出身の女性エレクトリックバイオリニスト「ケイトリン・デ・ビル」は、独創的な演奏スタイルと、メタルやロックなどを取り入れた幅広い音楽的素養、大胆なカバーアレンジによって世界的な注目を集めるアーティストです。今回は登録者数73.5万人を誇るYouTubeの公式チャンネルから、『Ricochet』という楽曲をご紹介します。
最後に、駐日ザンビア共和国大使館が推薦する音楽家の演奏をお楽しみください。
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Never Been Easy - Daev Zambia
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PIKI-PIKI SKIRT - Afunika
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Mungoni - The Sakala Brothers
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Takwaba Chisuma Kubantu - The Glorious Band
皆さん、ザンビアへの音楽の旅はいかがでしたでしょうか。
音楽の旅はまだまだ続きます。次回もどうぞお楽しみに。
協力、写真提供:駐日ザンビア共和国大使館
Min-On Concert Association
-Music Binds Our Hearts-