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2023/07/07 ミュージックジャーニー

MIN-ONミュージック・ジャーニー~イラン編~

皆さん、民音ミュージック・ジャーニーへようこそ。

今回は、北はカスピ海、南はペルシャ湾に面する中東の国イラン・イスラム共和国へ、駐日イラン・イスラム共和国大使館の皆様とともにご案内いたします。

 

イランの国土は8割が乾燥地帯であり、東部には大規模な砂漠があります。しかし、国土の半分以上が高度300m以上に位置する山岳国でもあり、内陸部には四季があるなど、エリアによって多様な自然環境を持つのが特徴です。

イラン

 イランの旅のしおり 

・山岳エリアと湾岸エリアの美しい自然を写真で旅しよう

・“花の都”テヘランの美しい庭園を散策しよう

・ハーフェズが紡ぐ詩の世界とイランの伝統音楽に触れよう

 

美しい自然を持つ北部の山岳エリア、避寒地として観光客で賑わうペルシャ湾岸エリアなどは、乾燥地帯のイメージとは遠くかけ離れた顔を見せます。

 

イランイラン

 

 

花の都 首都テヘラン

アルボルズ山脈の麓に位置する首都テヘランは、およそ1,400万人の人々が暮らす中東最大規模の街です。文化・商業・経済の中心地であるテヘランには、高さ435mを誇る「ミーラード・タワー」や、イランの主要産業でもあるペルシャ絨毯が収蔵された「イラン絨毯博物館」など、見どころが多数点在しています。

首都テヘランペルシャ絨毯

 

また、中東最大規模とされるバザール「グランドバザール」は、その広さとともに食品から日用品、金銀などの宝飾品まで何でも手に入る豊富な品揃えが魅力です。


グランドバザール

テヘランは、街中のさまざまなエリアに色とりどりの花々が咲き香る“花の都”でもあります。チューリップが一面に広がる「イラン式庭園」や“バラの園”を意味する世界遺産の「ゴレスターン宮殿」など、美しい花々を楽しめるスポットが数多くあります。

イラン式庭園
ゴレスターン宮殿ゴレスターン宮殿

奥ゆかしくも陽気な国民性

イランは「実際に行ってみると印象が違う」と表現されることが多いのも特徴です。ここでは、イランの国民性について、いくつかのトピックに分けて見ていきましょう。

イランの人々
 

相手を立てる文化「ターロフ」

ターロフは礼儀作法や気遣い、遠慮といった相手を立てるための慣習を総称したものです。たとえば、「お先にどうぞ」という譲り合いの文化が根付いていることから、「道を譲り合ううちにそのまま日が暮れてしまう」というイラニアンジョークもあります。

ターロフターロフ

車のトランクには「ピクニックセット」

イラン人はピクニック好きな国民性でも知られています。車のトランクにはピクニックセットが入っているのが一般的であり、なかには車中に本格的なキャンプ用品を常備している家庭もあります。

 

公園や浜辺はもちろん、街中でも思い思いにピクニックを楽しむ様子は、自然や花々が美しいイランならではの光景といえるでしょう。

ピクニックセット

シルクロードを通じた交流

イランには、シルクロード交易の重要拠点として栄えた歴史があります。古くからアジアやヨーロッパとの交流が行われるなかで、日本とも深いつながりが築かれていきました。

イランの伝統工芸品

奈良の正倉院には1500年ほど前のササン朝ペルシャから伝わったとされる器が飾られており、当時から特別な接点があったことをうかがわせます。現在でもドラマの『おしん』が最高視聴率90%を記録するなど、日本文化は広く愛されています。

 

ここで、2018年にオーストリア大使館/オーストリア文化フォーラム東京と民音で開催した「ゴルナー&マハーン LIVE2018」のステージより、「りんご追分~NHK『おしん』のテーマソング」をお楽しみください。(※「MIN-ONミュージック・ジャーニー〜オーストリア編〜 」でもご紹介しています。)

 

イランの芸術・音楽文化

イランには、長い歴史を通じてさまざまな芸術文化が花開いていきました。今回は「詩」と「音楽」をテーマにご紹介します。

 

ペルシャ4大詩人を生み出した詩心の国

イランは数多くの詩人を輩出した詩心の国でもあります。人々は有名な詩のフレーズをいくつも身につけ、何気ない会話のなかで引用されることもしばしばあります。

ペルシャ4大詩人の1人、「ハーフェズ(1326-1390)」は叙情詩の最高詩人と称された偉人であり、イラン人の家庭には、『ハーフェズ詩集』が一冊は必ずあるといわれています。

イランの詩人

世界随一の歴史を持つ音楽文化

イランは世界でも特に古い伝統を持った音楽の国であり、民音音楽博物館にも伝統楽器が多数貯蔵されています。

イランの音楽文化

 

アンボル  鉄棒に丸い飾りのついた錫杖風のカスタネット
ホプス  美しい装飾が施された8弦のリュート
ダフ  打面が鹿皮でできた大型のタンバリン
バラバーン  2枚の長大なリードを持つ木管楽器

 

民音では、これまでにさまざまな形でイランとの交流を結んできました。今回は2001年に行われた「アジア平和芸術フェスティバル」より、イランの「メヘルアヴァ」伝統音楽アンサンブルの演奏で、『来たまえ バラの花をまき散らして』というハーフェズの詩をもとにした楽曲をお届けいたします。

 

『来たまえ バラの花をまき散らして』


 

現在でも、イランの音楽文化には、伝統音楽が確かな影響を与えています。伝統音楽とフラメンコを融合させたり、古典とポップスをミックスさせたりと、さまざまなジャンルを組み合わせた新しい試みが若い世代の関心を集めています。

 

最後に、駐日イラン・イスラム共和国大使館が推薦する音楽家の演奏をお楽しみください。

  1. Daryaei -Mohsen Sharifian & Lian Music Band


 

  1. Hele Mali (Iranian Folk Song from Bushehr) -Rastak


 

  1. Dastam Ra Begir -Mohammad Motamedi


 

イランの花々

 

皆さん、イランへの音楽の旅はいかがでしたでしょうか。

音楽の旅はまだまだ続きます。次回もどうぞお楽しみに。

 

協力、写真提供:駐日イラン・イスラム共和国大使館

 

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-Music Binds Our Hearts-

 

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