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2022/04/28 ミュージックジャーニー

MIN-ONミュージック・ジャーニー~インドネシア編~

皆さん、民音ミュージック・ジャーニーへようこそ。
今回は、東南アジア南部の赤道付近に位置するインドネシア共和国へ、駐日インドネシア共和国大使館の皆様とともにご案内いたします。

インドネシアは、陸海合わせて東西約500万平方キロメートルに及ぶ16,766の島々からなる世界最大の島嶼国家です。このうち、およそ9,000の島々に300に近い民族が暮らす多民族国家であり、人口は約2.7億人にものぼります。

今回は多数の島の中から、スマトラ島、ジャワ島、バリ島の3つの島を音楽とともに巡りましょう。

インドネシアの旅のしおり

ジャワ島

・ジャワ・ジャズ・フェスティバルでジャカルタの熱気に触れよう

・1000年間も土の中で眠っていた世界文化遺産ボロブドゥール寺院を訪れよう

・ジョグジャカルタ王室の伝統料理を食べよう

バリ島

・世界屈指のリゾートエリアでゆったりくつろごう

・ガムランの「川のせせらぎ」のようなアンサンブルに癒されよう

 

スマトラ島

・3つの国立公園の雄大な自然に身を委ねよう

 

さて、旅のはじまりは、2016年に民音主催で行われた日本とインドネシアのジョイント・アカペラコンサート「ココロをつなぐハーモニー」より、軽快で爽やかなナンバー「ゲム・ファ・ミ・レ」をお聴きください。

 

エピソード:「ココロをつなぐハーモニー」に隠されたドラマ


本公演は、日本を代表するアカペラ・グループ「INSPi」と、インドネシアに多くのファンを持つ「Jamaica Cafe」によるジョイント・コンサートとして開催されました。この2つのグループの間には、2004年に起こったスマトラ沖地震によって結ばれた特別な絆があります。

震災から間もない2005年、INSPiは初の海外ツアーの地としてインドネシアを選びました。さまざまな困難が想定されるなか、「多くの方に少しでも元気になってほしい」と立ち上がる彼らの思いに応えたのが、現地で活躍していたJamaica Cafeのメンバーだったのです。「ココロをつなぐハーモニー」は、そんな2つのグループの友情と絆を感じられる特別な公演となりました。


「ゲム・ファ・ミ・レ」

 


最先端の文化と古の歴史が混在する島 ジャワ島

ジャワ島には近代的な首都ジャカルタと、王宮文化が色濃く残る古都ジョグジャカルタの2つの代表的な都市があり、それぞれ異なる顔を持っています。

政治・経済の中心地 首都ジャカルタ

首都ジャカルタは最先端の高層ビルが立ち並ぶ大都会であり、世界に開かれたインドネシアの玄関口です。ビジネスで訪れる人も多い経済の中心地ですが、文化遺産が詰まった国立博物館やテーマパーク「タマン・ミニインドネシア」など、見どころも豊富です。



ジャカルタの音楽といえば、毎年3月の第1週に開催される東南アジア最大級の音楽イベント「ジャワ・ジャズ・フェスティバル」が有名です。各国から集結した一流のミュージシャンにより公演が行われる3日間は、ジャカルタの熱気を存分に味わえる特別なひとときとなります。



王宮文化の情緒漂うエリア 古都ジョグジャカルタ

ジャワ島は古くから仏教文化やヒンドゥー教が栄えた島であり、その歴史は紀元前にまで遡ります。特にジョグジャカルタは「ジャワ文明揺籃の地」とも呼ばれ、世界遺産に登録されている遺跡が多く残っています。



たとえば、8世紀頃に建造された「ボロブドゥール」は、仏教美術の最高傑作とされる壁画や仏像を多数有した世界最大級の仏教寺院です。火山の噴火により、「1000年もの長きにわたって土の中で眠り続けていた」というエピソードも含めて、インドネシア随一の観光スポットとなっています。



ジョグジャカルタのレストランでは、王宮の伝統を継承した独創的な料理が味わえます。ジョグジャカルタ王の兄弟が設立したレストラン「ガドリ・レスト」では、王室のレシピが継承され続け、最古の伝統料理を食べることができます。

また、甘いジャックフルーツの果肉と鶏肉、卵、タケノコなどを甘辛く似た「グドゥッ」は、幅広い世代に人気のいわゆる「ご飯のお供」です。




2018年には、MIN-ONグローバル・ミュージック・ネットワークにおいて、日本の伝統楽器奏者をインドネシアに派遣し、ジャカルタとジョグジャカルタのそれぞれで公演を行いました。その公演から、尺八奏者・藤原道山が作曲した「東風」を、インドネシアの伝統楽器と和楽器のコラボレーションでお楽しみください。

「東風」

 

「神々の島」と称される島 バリ島

言わずと知れた人気のリゾート地であるバリ島には、グルメにショッピング、レジャー、スパなど魅力の観光スポットが数多く点在します。一方でバリ・ヒンドゥー教に基づいた伝統文化が広がる地域でもあるため、本当のバリを楽しむには歴史や文化に触れるのも王道です。




インドネシアの代表的な伝統音楽に「ガムラン」と呼ばれる打楽器アンサンブルがあります。ここバリ島には大小さまざまなガムランがあり、冠婚葬祭や寺院祭礼において盛んに演奏されています。

クンダンと呼ばれる太鼓をメインにシロフォンやトロンボーン、笛といったさまざまな楽器が独特の音階・音程で共鳴する調べは、まるで「川のせせらぎ」のような安らぎをもたらす癒しの力を持っています。



音楽とともに、舞踊もバリの重要な文化の1つです。優雅な身体表現と激しい動作がドラマチックに交わる「レゴン」や、大勢の男性が円陣を組んで合唱しながら踊る「ケチャ」などは、いずれももとは悪霊退散や疫病平癒などを祈願する儀式として発生し、現在では芸術としての価値も持つようになっています。




雄大な自然にあふれたスマトラ島

地球上の熱帯雨林のうち約10%はインドネシアに残っているとされており、そのなかでもスマトラ島は広大な熱帯雨林群を擁する自然の宝庫です。雄大なジャングルをトレッキングできる「グヌン・レウセル国立公園」をはじめ、島内3つの国立公園が世界自然遺産に登録されています。



また、東南アジア最大の湖「トバ湖」周辺や、豊かな自然が広がる高原の街「ブキティンギ」周辺は人気の避暑地となっており、人混みを離れてゆっくりと過ごしたいときに最適なエリアです。



旅のおみやげ バティック(ろうけつ染め)

首都ジャカルタには、多数の有名ブランドやブティックが出店する大型ショッピングモールがあり、流行のものはなんでもそろえることができます。しかし、よりインドネシアらしいおみやげを求めるのであれば、ジョグジャカルタのメインストリートで「バティック」の衣装や小物を選んでみてはいかがでしょうか。

バティックとは「ろう」を使って一枚一枚手染めをした布であり、膨大な種類の柄と独特の色合いから選べるバリエーションの豊かさが魅力です。もともとは結婚式などのフォーマルな場で使用されていましたが、次第にカジュアルなスタイルのデザインも増えており、学校や公務員の制服としても愛用されています。



インドネシア大使館推薦の音楽家

最後に、駐日インドネシア共和国大使館が推薦するインドネシアの音楽家から、続けて3組の演奏をお楽しみください。

  1. PENCALANG EXPLORING SPAIN 2019-Riau Rhythm

 

  1. TARI BATIK INDONESIA-Ega Robot Ethnic Percussion and Dancer

 

  1. Moonding- Sambasunda Tatabeuhan di Rangkay

 


皆さん、インドネシアへの音楽の旅はいかがでしたでしょうか。
音楽の旅はまだまだ続きます。次回もどうぞお楽しみに。

協力、写真提供:駐日インドネシア共和国大使館

Min-On Concert Association
-Music Binds Our Hearts-

 

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