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2021/12/16 ミュージックジャーニー

MIN-ONミュージック・ジャーニー~ヨルダン編~

映画『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』のロケ地となった

世界遺産「エル・ハズネ」

 

皆さん、民音ミュージック・ジャーニーへようこそ。
今回は、中東の中心に位置するヨルダン・ハシェミット王国へ、駐日ヨルダン大使館の皆様と共にご案内いたします。

目次

1.近代的な首都アンマン

2.広大で神秘的な砂漠地帯

3.世界的に有名なリゾート地 死海とアカバ

4.隣国への経由地 アズラック

5.ヨルダン大使ご推薦の音楽家

 

ヨルダン・ハシェミット王国は、中東にある小さな内陸国で、悠久の歴史と神秘的で美しい文化の宝庫です。
世界的に有名なナバテア人の都市“ペトラ遺跡”には、はるか2千年以上前に交易の中心地として栄えた面影が残っています。

かつて、フセイン国王(1935-1999)は、「ヨルダンには時代を超越した不思議な美しさがあります。大帝国の廃墟が点在し、今後の世界における最後の砦となっています。私はその全てを愛しています。」と述べられました。
東西問わず多様な文明・文化のゆりかごとして繁栄したヨルダンの歴史を振り返ると、時代を超えて人々が共存し、互いを認め尊敬し合っていた様子が伺えます。

現在、同国は、争いによって居場所を追われた多くの難民を受け入れて教育や医療などの支援を行い、中東地域の平和と安定において重要な役割を担っています。

 

近代的な首都アンマン

砂漠と肥沃なヨルダン渓谷に挟まれた丘陵地帯に位置する首都アンマンは、古代遺跡と近代的な建築物が融合した魅力的な景観を持つ都市です。




商業の中心地は多様性に富んでいて、伝統的なコーヒーショップや職人が営む小さな工房とともに、超高層ビルやホテル、おしゃれなレストラン、ジャバル・ルワイブデのアートギャラリー、モダンなショッピング街などが立ち並び、活気に溢れています。




広大で神秘的な砂漠地帯

ヨルダンの国土は約8.9万平方キロメートルで、北海道とほぼ同じ大きさです。そのうちの約75%を砂漠が占め、乾いた褐色の大地がどこまでも続いています。砂漠地域で暮らす遊牧民のベドウィンは、真夏には50度を超す厳しい気候を生き抜く方法を学びながら、水や食料を求めてラクダや羊とともに集団で砂漠を移住する生活を送っていました。




ここで、2008年に、民音創立45周年記念で開催された「ヨルダン国立芸術団」公演より、ベドウィンがペトラの入り口にある絶壁“シーク”から、“エル・ハズネ”(宝物殿)へと旅する様子をご覧ください。

 

1.創作舞踊「花嫁」より
第1景「砂漠をさまよい、ペトラを発見」



また、壮大な景色が辺り一面に広がるユネスコの世界複合遺産“ワディ・ラム保護地域”は、ヨルダンの砂漠地帯で最も有名な観光地です。
息を呑むような美しさと静かな自然が魅力で、色とりどりの砂岩からできたメサや山々は、まるで別世界にいるかのような幻想的な風景を作り出しています。ワディ・ラムは珍しい生態系をもっていて、希少な植物や固有の動物も生息しています。




ここで、同公演より、アラブの民族楽器“ナイ”による楽曲をお楽しみください。

 

2.「ナイの即興演奏」



世界的に有名なリゾート地 死海とアカバ

死海は、地球上で最も低いとされる海面下420mに位置しています。通常の海水の約10倍もの塩分を含み心地よい温かさの死海は、リラックスするのに最適な保養地で、ヘロデ大王やエジプトの女王クレオパトラなどの時代から現代に至るまで多くの人々を魅了してきました。
周辺には高級リゾートホテルが点在し、ミネラル豊富な塩や泥を用いたマッサージなどは、国内外で人気があります。

死海の塩や泥を使ったフェイス・ボディ マッサージ

 

ヨルダン南部・紅海のほとりに位置するアカバは、美しいサンゴ礁の鑑賞をはじめ、多様なマリンアクティビティを楽しむことができるビーチタウンです。アカバには、かつての都市アイラの遺跡も残っており、ワディ・ラムやペトラ遺跡とともにヨルダンの豊かな歴史を感じられる有名な観光スポットとなっています。



隣国への経由地 アズラック

ヨルダン東部のアズラックは、隣国サウジアラビアやイラクへの交通の要衝となっています。
周辺には、絶滅の危機に瀕した動物を保護し、繁殖するために作られたアズラック湿原保護区やショウマリ自然保護区があり、オリックスやダチョウをはじめ希少な野生動物が生息しています。


希少な野生動物オリックス

 

また、アズラックには、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によって2017年に世界で初めて太陽光発電の再生可能エネルギーが導入された難民キャンプがあり、人々は今までよりも安全な環境で生活ができるようになりました。


ここで、「ヨルダン芸術団」民音公演(2008年)より、いくつかの曲が組み合わさり、美しく音楽が変化する楽曲をお楽しみください。

 

3.「ラフエル ハマム~鳩の群れ~」



ヨルダン大使ご推薦の音楽家

最後に、駐日ヨルダン大使館リーナ・アンナーブ特命全権大使が推薦する4組の音楽家の演奏をご紹介いたします。

はじめに、ヨルダンの作曲家、ウード・ソロ奏者タレク・ジュンディらで構成されたカルテットの曲をお聴きいただきましょう。アラビア音楽を基として、クラシックや現代音楽などが見事に溶け合った音楽で聴衆を惹きつけています。また、世界各国のフェスティバルに出演するなど、現在のヨルダンの音楽シーンの象徴となっています。


1.Sama'i Arab

 

2.Down Town

 

3.Pictures


4.Morning Dance


次に、現代アラビア音楽やテレビドラマ音楽において新たなムーブメントを生み出した先駆者タレク・アル・ナセルをご紹介します。彼は、1998年に、アラビア文化と自身の世界各国での演奏経験を融合した新たな音楽ビジョン、タレク・アル・ナセル ラムミュージカルグループを設立し、レバノンやイタリア、ブラジルをはじめ、多くの国で演奏を行っています。



5. Al Jwareh 



6.Hida & Twareg

7.Urdon

 

つづいて、哀愁と歓び漂う楽器“ナイ”の演奏者レイス・スレイマンをご紹介します。彼の音楽は、聴く人の心に語りかけ、何千年も前の文明を彷彿とさせるような歌声とメロディーが特徴です。



8.Maanieh/ Tayyara

 

9.Nai improvisation

 

10.Nai Concerto


最後に、ヨルダンで最も著名な作曲家の一人、タラル・アブ・アル・ラゲブをご紹介します。彼は25年以上にわたり、国内外の様々なテレビ番組などで音楽作品を制作し、その才能と音楽への愛と情熱が認められ、多くの賞を受賞しています。

 

11.Euphoria

 

12.Farasa

 

13.Bedaya



皆さん、ヨルダンへの音楽の旅はいかがでしたでしょうか。
音楽の旅はまだまだ続きます。次回もどうぞお楽しみに。

協力、写真提供:駐日ヨルダン大使館

Min-On Concert Association
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