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2021/11/25 ミュージックジャーニー

MIN-ONミュージック・ジャーニー~ブルガリア編~

世界遺産・ピリン国立公園の山脈

 

皆さん、民音ミュージック・ジャーニーへようこそ。
今回は、ヨーロッパ南東部のバルカン半島に位置するブルガリア共和国に駐日ブルガリア共和国大使館の皆様とともにご案内いたします。

目次

 

1. 温泉と遺跡の都・首都ソフィア

2. バラの谷・カザンラクと世界最古の街プロブディフ

3. ブルガリアのシンボルの一つリラ修道院

4. ブルガリアの夏の首都・ヴァルナ

5. ブルガリアは、ヨーグルトの故郷

6. ブルガリアの音楽文化

ブルガリアは、東はアジアと接し、北から南西部にかけてはヨーロッパの国々とつながる歴史的にもアジアとヨーロッパの交流の舞台で「文明の十字路の国」として発展を遂げてきました。

一方、文化の要衝として文明を築くなかで、周辺の帝国や遊牧民からの侵略に絶えず脅かされてきました。独自の文化を守り続けてきた気高き獅子のような心をもつ国民性は、外部勢力からの圧力に負けない力強さのシンボルとして、国章に「獅子」が取り入れられています。

バルカン諸島のなかでも、自然に恵まれており、首都ソフィアは東欧の首都の中で一番、春の訪れが早いといわれています。
今回は、首都ソフィアから皆さんと各地域の特色のある文化を巡っていきましょう。

国章「黄金の獅子」

温泉と遺跡の都・首都ソフィア

人口130万人を擁する首都ソフィアは、ヨーロッパでも最も古い街の一つで、7000年以上前から人が住んでいたとされています。温泉地として始まった街には、現在でもいたる所で、公衆浴場を目にすることができます。また、中央公共温泉では、誰でも温泉を汲みことができ、飲泉として利用する人も多いです。

アレクサンドル・ネフスキー大聖堂




ソフィアは、古来、西ヨーロッパや中東、バルト海そしてエーゲ海へ通じる主要な道路の交差する場所でした。そのため、ここには、セルディカ遺跡をはじめ貴重な遺跡が今でも数多く残っています。

現在、近代都市として発展したソフィアは、ブルガリアの政治、行政、経済、文化そして教育の中心となっています。

ここで、2005年に開催したブルガリア国立民族合唱舞踊団「フィリップ・クテフ」民音公演より、ソフィア地方の祭りの歌と踊り「ショプスコの舞踊組曲」をお聴きください。

1.「ショプスコの舞踊組曲」

 

バラの谷・カザンラクと世界最古の街プロブディフ

ソフィアから東へ進むと、「バラの谷」と呼ばれるカザンラクがあります。
ここでは、毎年バラ摘みの季節にローズフェスティバルが開かれ世界中から多くの観光客が訪れます。



フェスティバルでは、伝統的衣装を纏った女性たちの歌や踊りが、花を添えます。この衣装は、「リザ」と呼ばれるシャツに「スクマン」というジャンパースカートを履いて、彩豊かな刺繍が施されたエプロンをかけます。

バラ摘みも体験でき、ブルガリア音楽に合わせて一緒に踊ることも

ここで、同公演より「デュマイ ズラト」をお聴きください。

2.「デュマイ ズラト



カザンラクから南下すると第二の都市プロブディフがあります。ここは世界最古の街の一つとされ、新旧の建造物が融合する独特な風景が見られる街です。

町中に張り巡らされたフラッグが目を引く

 

町の中心にあるカパナ地区は、職人の町として発展しましたが、現在は若者の町として、多くのアーティストが店を構え、新たな文化発信の拠点となっています。
また、旧市街の断崖上には古代ローマ時代に建設された円形劇場跡があります。3,000人を収容できる大きさで、観客席の一段ごとの高さは人の腰ほどもあり、どこからも舞台がよく見える工夫がなされていることが伺えます。



ブルガリアのシンボルの一つリラ修道院

ブルガリア南西部の都市リラには、山脈に囲まれたリラ修道院があります。修道院は、ブルガリア正教会の中心的存在の一つであり、ブルガリアにおいて最も文化的、歴史的、建築学的に重要な遺跡の一つとして世界遺産にも登録されています。

リラ修道院

標高2100m付近にあるリラの七つの氷河湖


新旧が融合した魅力的な町が多く存在するこの南西部。この地方に伝わる古典的な歌を、ブルガリア国立民族合唱舞踊団「フィリップ・クテフ」民音公演(2005年)よりお聴きください。

 

3.「ブルガリア南西部の古典的な歌」

 

ブルガリアの夏の首都・ヴァルナ

首都ソフィア、プロブディフに次いで三番目に大きな都市ヴァルナは、ブルガリア北東部の黒海に面した港町として栄えており、ビーチリゾートを楽しむために海外から多くの観光客が訪れます。

ヴァルナの青い海と緑に包まれた美しい街並み


この青々とした風景を眺めながら、ヴァルナがある北東部ドブルジャ地方に伝わる伝統的な歌をブルガリア国立民族合唱舞踊団「フィリップ・クテフ」民音公演(2005年)よりお聴きください。

 

4.「セイ・ボブ(豆を植えよう)」



ブルガリアは、ヨーグルトの故郷

ヨーグルトは、ブルガリアを代表する食べ物です。ブルガリアの食卓には、ヨーグルトを使用した様々な伝統料理が登場します。その一つが、ヨーグルトのスープタラトール。ヨーグルトをベースに、キュウリやニンニクなどを加えた現地で有名なスープです。



パニツァは、薄いパイ生地(フィロ)に白チーズ(シレネ)を挟んでオーブンで焼いたチーズパイの一種です。これを食べないと1日が始まらないとも言われるほど、愛されています。



ブルガリアの音楽文化

ブルガリアは、合唱やオーケストラ、オペラ、バレエなどの音楽文化が栄えています。ソフィア国立歌劇場は、130年以上の伝統を誇り、多彩な人材を輩出してきました。
戦後最高のバス歌手の一人とされるニコライ・ギャウロフなど、同国には著名なオペラ歌手が数多くいます。

また、民謡や民族舞踊といった伝統音楽も受け継がれ、祝祭日、結婚式、パーティーでは、ヤギの皮で作られた吹奏楽器「ガイダ」などが用いられています。

民音はこれまでブルガリア共和国から10回にわたり、合唱舞踊団や音楽家を日本へ招聘してまいりました。




今回は、駐日ブルガリア共和国大使館のマリエタ・アラバジエヴァ特命全権大使にご推薦を頂きました、現在のブルガリアを代表する音楽家をご紹介して旅の最後を飾ります。

1.4Magic - Together (Vecherai, Rado)

ブルガリアのプロヴディヴ市生まれの女性ポップグループで、ブルガリアのテレビ番組「Bulgaria X Factor」(Xファクターブルガリア)の優勝者です。

 

2.Kristian Kostov – Beautiful Mess

2000年3月15日生まれ、21歳の歌手です。2017年のユーロビジョン・ソング・コンテストにて「Beautiful mess」という歌でブルガリアの代表者として参加し2位に輝きました。

 

3.Stefka Sabotinova – Prituri se planinata

ステフカ・サボティノヴァはブルガリアの民族民謡の歌手であり、トラキアの地域の歌の歌手で、2010年にブルガリア最高の栄誉賞スタラ・プラニナ勲章第1等が授与されました。



人や文化が往来する要衝として、ブルガリアの人びとは親切をもって相手の心を開き多くの人種と交わりながら独自の発展を遂げてきたのでしょう。

親切こそブルガリアの美質であり学びたい国民性です。



皆さん、ブルガリア共和国への音楽の旅はいかがでしたでしょうか。
音楽の旅はまだまだ続きます。次回もどうぞお楽しみに。

協力、写真提供:駐日ブルガリア共和国大使館、ブルガリア観光省    

Min-On Concert Association
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