HOME > NEWS一覧 > MIN-ONミュージック・ジャーニー~バーレーン王国編~

NEWS

2021/10/28 ミュージックジャーニー

MIN-ONミュージック・ジャーニー~バーレーン王国編~

バーレーン・ワールドトレードセンターがそびえ立つ首都マナマの景観


皆さん、民音ミュージック・ジャーニーへようこそ。
今回は、アラビア半島沿い位置するバーレーン王国へ、バーレーン王国大使館の皆様とともにご案内いたします。

目次

1.開発が進む先進的なバーレーン


2.バーレーンの悠久の歴史


3.人々の生活と音楽文化

4.大使館推薦音楽家 ムバラク・ナジェム


人口約150万人のバーレーン王国は、大小40の島から構成される島しょ国で、国土の総面積は日本の奄美大島とほぼ同じです。

2002年に、国家の体制が首長国から王国となり、政治形態も現在の立憲君主制へと移行しました。先進的な王室で、サルマーン・ビン・ハマド・アール・ハリーファ皇太子のインスタグラムのフォロワーは11万人、ハマド・ビン・イーサ・アール・ハリーファ国王の息子であるナセル王子も、双子のご子息、ご息女との華やかな写真を投稿しています。

また、レース愛好者である皇太子の指揮のもと、バーレーン・インターナショナル・サーキットが建設され、2004年に中東初のF1開催国となりました。





開発が進む先進的なバーレーン

バーレーン王国には、国土の約85パーセントを占める同国最大のバーレーン島、ユネスコの創造都市ネットワークにも登録されている歴史都市ムハッラク島、工業地帯であるシトラ島の3つの主要な島があります。
かつて、アラビア半島と陸続きであったバーレーン島は、隣国サウジアラビアと全長25キロメートルに及ぶキング・ファハド・コーズウェイ(海上架橋)で繋がっています。




現在バーレーンでは、国家の重要プロジェクトとして多額の資金を投じて建設された世界屈指のバーレーン・フィナンシャル・ハーバー(総合金融センター)や6つの人工島から成るアムワージ島、世界最大の水中テーマパークとされるダイブ・バーレーン、馬蹄や魚のユニークな形をした人工島ドゥッラト・アル・バーレーンなど、大規模な開発が行われ、世界各国からビジネスパーソンや、余暇を楽しむ観光客がバーレーンを訪れています。



また、首都マナマには、中東地域最大規模を誇るバーレーン国立劇場があります。
「千夜一夜物語(アラビアン・ナイト)」をテーマに、ダウ船(木造船)の伝統的な製造技術からインスピレーションを得て造られたこの劇場は、優れた音響効果が特長で、オペラやクラシック・バレエ、ライブコンサートなど様々なジャンルのイベントが開催されています。

バーレーン国立劇場

バーレーン国立図書館とグランドモスク(マナマ)

 

バーレーンの悠久の歴史

バーレーンの歴史は、紀元前 3000 年頃、現在の中東地域にあたるメソポタミア文明とインド周辺のインダス文明間の交易拠点として繁栄した “ディルムン文明”までさかのぼります。近年の発掘調査により、ディルムン文明の豊富な真水と緑野を生かして発達した高度な生活様式やユニークな文化が存在していたことが明らかになってきています。

世界遺産「ディルムンの墳墓群」

2005年にユネスコの世界遺産に登録されたバーレーン要塞(カルアト・アル-バフレーン)

また、バーレーン南部のアラビア砂漠に一本だけ立つ巨木“生命の木”も有名な観光地の一つです。水源が不明であるにも関わらず力強く生い茂る不思議さゆえに、この地が旧約聖書に記された地上の楽園「エデンの園」であったという説もあります。


ここで、2017年に開催された、外交関係樹立45周年記念/バーレーン文化・古代遺跡庁派遣「バーレーン芸術団」民音公演より、本公演のために創作された曲をお楽しみください。

 

1.「生命の木」

演奏:モハメッド・ビン・ファリス・バンド、クァラリ・バンド


[モハメッド・ビン・ファリス・バンド]

バーレーン王国の卓越した民族音楽演奏家によって構成されたグループです。2001年5月にパリで行われた第2回アラブ・ミュージック・フェスティバルで活躍が認められ、同国文化・古代遺跡庁がサポートするグループとして認知されるようになりました。

[クァラリ・バンド]

バーレーン王国の歴史的文化遺産である“バーレーンの真珠採り”を、特徴的な伝統音楽の演奏と踊りで表現し、今日に継承しているバンドです。何千年もの間、脈々と受け継がれてきたアラブ伝統のスタイルが、国内外で高く評価されてきました。

 

人々の生活と音楽文化

バーレーンの経済は、紀元前3世紀から15世紀にかけて、良質な天然真珠の貿易拠点として栄えました。その中で、真珠採取に従事する男性たちが、長期間に及ぶ航海の過酷な作業において自らを鼓舞するために踊った芸能や、彼らを海へと送り出す家族や恋人の悲しい思いを表した歌などが、バーレーンの伝統音楽「フィジリー」として発展していきました。



フィジリーは、漁船に乗船するナハーム(歌い手)の独唱、船上作業員たちの声による通奏低音、太鼓と素焼きの壺の打奏、複雑な手拍子によって表現され、真珠漁が消滅した今日も歌い継がれています。



ここで、「バーレーン芸術団」民音公演(2017年)より、漁師を勇気づける仕事唄をもととした作品をご覧ください。

 

2.「真珠採りの歌」

演奏:モハメッド・ビン・ファリス・バンド、クァラリ・バンド

 

また、バーレーンで人気を集める音楽ジャンルの一つとして、アラブ音楽の旋法体系マカームに基づいた、定型詩の歌唱による都市歌謡「ソウト」が挙げられます。
夜の室内集会(サマル)において、アラブの弦楽器ウードの弾き語りと小型の太鼓(ミルワース)、参加者の特徴的な手拍子のリズムに合わせて男性のペアダンス(ザッファン)を楽しんだ娯楽が、20世紀初頭にバーレーンとクウェートで湾岸諸国を代表する音楽ジャンルとして確立しました。

ここで、「ソウト」の先駆者であるモハメッド・ビン・ファリス(1895-1947)の代表作の一つで、無限の可能性を秘めた青春の賛歌をお楽しみください。

3.「アグナム・ザマーナク」(あなたが輝く時)

演奏:モハメッド・ビン・ファリス・バンド、クァラリ・バンド




バーレーンの伝統衣装

 

大使館推薦音楽家 ムバラク・ナジェム

最後に、大使館推薦のバーレーン出身の音楽家で、内務省のバーレーン警察バンド司令官および少将のムバラク・ナジェムが、バーレーンで人気な曲を航空機内で流れる音楽用にオーケストラアレンジをしたCD「オーケストラのバーレーン曲」より、バーレーン国歌を作曲したアーメド・アル・ジュマイリの作品を2曲お楽しみください。

 

1.エル・ナハールヘ

 

2.ヤル・ジーナ

指揮:デヤン・パヴロフ
演奏:ブルガリア交響楽団



皆さん、バーレーン王国への音楽の旅はいかがでしたでしょうか。
音楽の旅はまだまだ続きます。次回もどうぞお楽しみに。

協力、写真提供:バーレーン王国大使館

Min-On Concert Association
-Music Binds Our Hearts-

MIN-ONミュージック・ジャーニーの一覧はこちら