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［ NEWS ］

2021/07/08 ミュージックジャーニー

MIN-ONミュージック・ジャーニー～ジャマイカ編～

英国劇作家、俳優のノエル・カワード卿の別荘「ファイヤー・フライ」からの眺め
(オラカベッサ、セントメアリー教区）

皆さん、民音ミュージック・ジャーニーへようこそ。
今回は、カリブ海に浮かぶ島国ジャマイカへ、駐日ジャマイカ大使館の皆様とともにご案内いたします。

国名のジャマイカは、「森と泉の島」を意味する先住民の言葉が由来となっていて、その名の通り、豊かな自然と美しく輝くビーチに恵まれた楽園です。

ジャマイカでは、“Out of Many, One People” （さまざまな民族からなるひとつの国民）という国のモットーが何世代にもわたって受け継がれ、発展してきました。レゲエの王と称されるボブ・マーリーによって広がった“One love”の精神を持ち、愛と思いやりに溢れた陽気なジャマイカの人々は、世界中から訪れる観光客を温かく迎えいれてくれます。

はじめに、世界で注目されているジャマイカの歌姫コフィーが、ジャーニーの読者の皆様のためにと収録してくれた演奏をお楽しみください。

「Toast（トースト）」

＜コフィー＞　※大使館推薦音楽家
2018年メジャー1stシングル曲「Toast」が、元アメリカ大統領のバラク・オバマ氏に「2019年のお気に入りの曲」としてTwitterで紹介され注目を集めると、翌19年には、デビューEP「PAPTURE」をリリースし、翌年にグラミー賞ベスト・レゲエ・アルバム部門を史上最年少、そして、女性アーティストとして初めての受賞となりました。「感謝や希望、前向きさ、不公平について書くという彼女の献身は、彼女のスター性と同様に本物であり、否定できないものです。」(W Magazine, 2020年)
また、彼女は若い人たちに影響を与えている「ボディ・ポジティブ」等をテーマに講演するなど献身的に活動しています。

レゲエの聖地首都「キングストン」

ジャマイカ南東部に位置する首都キングストンは、音楽の創造性に溢れる場所で、昼夜をわかたず陽気なレゲエの鼓動が脈打ち、活気に溢れています。2015年に音楽の分野におけるユネスコ創造都市に指定された街は、史跡やレストラン、娯楽スポットなど様々な見どころがあります。

キングストンの街には、レゲエ音楽の発祥地であるトレンチタウンがあります。ここは、レゲエのパイオニアであるボブ・マーリーが青年時代を過ごした場所です。彼が晩年を過ごした家 “ボブ・マーリー博物館”や愛用していたグランドピアノが置かれている“タフ・ゴング・スタジオ”などのレゲエの聖地には、多くの観光客が足を運んでいます。

キングストンの街並み

ボブ・マーリー像とボブ・マーリー博物館の壁画

首都近郊にて毎年開催される野外フェス「レベル・サルート」

ここで、ビルボード・チャートで1位に輝き、数々のメディアで紹介され国内外で活躍するレゲエ・ミュージシャンのカバカ・ピラミッドの曲をお楽しみください。

「Nice Up The Dance」

＜カバカ・ピラミッド＞　※大使館推薦音楽家
2013年にジャマイカ・レゲエ産業協会から画期的なアーティスト・オブ・ザ・イヤーを受賞したほか、同年2013年から3年連続でソング・オブ・ザ・イヤーにもノミネートされています。

自然の宝庫ジャマイカと多様な動植物

ジャマイカの地形は東西へと広がる山脈が特徴的で、自然あふれる山々では、3000種類以上の植物やジャマイカでのみ生息しているフキナガシハチドリ(ドクター・バード)などの野鳥が見られます。キングストンの背後にそびえ立つブルー・マウンテンと北東に連なるジョン・クロウ・マウンテンは、植物多様性地域の一つとして、2015年に、ジャマイカ初となるユネスコの複合遺産に登録されました。ジャマイカの重要な水源であるとともに、“コーヒーの王様”と称される良質なジャマイカブルーマウンテンコーヒーの産地としても知られています。

世界屈指のリゾート地モンテゴ・ベイとオーチョ・リオス

15世紀の探検家クリストファー・コロンブスが、「今まで見た中で最も美しい島」と評したジャマイカの豊かな自然は、今もなお、訪れる人々を魅了し続けています。

島の北海岸に位置する第2の都市モンテゴ・ベイは、国際空港があり、世界中から観光客が集まるジャマイカンリゾートの玄関口です。
エメラルドブルーの海、白く輝くビーチ沿いには、多くの高級リゾートホテルが立ち並び、結婚式や新婚旅行の地としても人気のスポットとなっています。

ジャマイカは、旅行代金に食事やアクティビティの利用料金等がすべて含まれる“オールインクルーシブ”というシステムの発祥地でもあり、心ゆくまでカリブ海の海を満喫できます。アキ・アンド・ソルトフィッシュやジャークチキンなど、香辛料をふんだんに使ったジャマイカ伝統料理も魅力の一つです。

モンテゴ・ベイをさらに北に進むと、スペイン語で「8つの川」との意味を持つ町オーチョ・リオスがあります。ここは、緑豊かな山や透き通った水が流れる川が特徴的な落ち着いた雰囲気のリゾートエリアです。全長180mもあるダンズリバーフォールでの滝登りやミスティック・マウンテンでのアトラクションなど様々なアクティビティを楽しむことができます。

ここで、ジャマイカの歌姫シュガの歌声を、美しいビーチの風景とともにお楽しみください。

「One People」

＜シュガ＞　※大使館推薦音楽家
2019年にライジングスターコンペティションで優勝し、ヨーロッパ、ドイツ、スペインなどでもツアーを開催している。また自身の経験から、若い女性が自分自身や他人を尊重し、暴力、不正、虐待に対して声をあげられるようにと「フェム・フェメ・フェメナルメ財団」を立ち上げました。

ジャマイカの豊かな音楽文化

歴史的に音楽と歌が中心的な役割を果たしてきたジャマイカでは、メント、スカ、ロックステディ、そしてレゲエなどの音楽ジャンルが確立されています。

メントは、アフリカやラテンの伝統音楽にルーツを持ち20世紀初頭に流行した音楽で、ポピュラー音楽の先駆けとなりました。メントをルーツとして、1960年代前半には“スカ”、60年代後半には“ロックステディ”のスタイルを経て、ボブ・マーリーやジミー・クリフをはじめとするアーティストによって世界的なブームを巻き起こした“レゲエ”の誕生へとつながっていきました。レゲエは、何ものをも克服していこうとするジャマイカの不屈の精神を力強く表現していて、2018年にユネスコの無形文化遺産に登録されました。

ここでジャマイカを代表するサックス奏者ディーン・フレイザーの演奏をお楽しみください。

「DEAN FRASER ON SKATELAND RIDDIM BY SOUL STEREO DUBPLATE O1」

＜ディーン・フレイザー＞　※大使館推薦音楽家
1970年代半ばから活躍するサックス奏者で、数百にも及ぶレゲエのレコーディングにも貢献してきました。現在までに、20枚のアルバムをリリースし、ローリン・ヒルやジョン・レジェンドなどの世界的なアーティストとのレコーディングを行っています。 1994年にマスグレイブ・メダルを受賞し、2010年にはジャマイカ政府からジャマイカ名誉勲章が贈られています。

民音では、2011年に、ジャマイカ独立50周年開幕記念として、歌姫テッサン・チンや平和大使アビジャー、アイらを招聘し、カリブ海ミュージック・クルーズ「ジャマイカ情熱音楽」公演を開催いたしました。彼らのエネルギッシュなステージから3曲お楽しみください。

１．「レゲエ・ナイト」

刺激的なエネルギーを、平和と愛と喜びのレゲエに乗せた一曲。

２．「ジャマイカ・スカ」

アメリカのジャズとブルースのリズムを大きなバンドで演奏するというジャマイカで生まれたユニークなスタイルの音楽。

３.「ノー・ウーマン、ノー・クライ」

ボブ・マーリーのクラシック。テッサン、アビジャー、アイとダンサーたちのエネルギー溢れる一曲。

最後に、大使館推薦音楽家、ギタリストのニコラス・グロスコフから、読者の皆様へのメッセージと今回のために収録した演奏をいただきましたので、ご覧ください。

「皆様こんにちは！ジャマイカのキングストン出身で、ギタリスト・プロデューサーのニコラス・グロスコフです。私はブルースやロック、ポップミュージックに影響を受け、現在は主にレゲエを演奏しています。私は、お客様から直接フィードバックやエネルギーをもらえるライブのステージに立つことに情熱を注いでいます。

また、私の出身であるキングストンはとてもユニークな場所で、コフィーやオミー、テッサン・チン、ジェシー・ロイヤルなどジャマイカの有名なアーティストとステージを共にしながら、独自の音楽を作っています。レイジング・ファイアとして、アルバムの“Everlasting”がグラミー賞にノミネートされたことを誇りに思っています。ぜひ、私のライブのステージやスタジオ、ソロプロジェクト、コラボレーション活動を通して、音楽の旅をお楽しみください。ありがとうございます。」

「Breathe Easy」

キングストンの国立競技場には、人類史上最速のスプリンターと称され、オリンピックでいくつもの金メダルを獲得したウサイン・ボルトらの銅像が設置されています。

最後に、これまで紹介してきた都市をはじめ、ジャマイカの様々な魅力あふれる映像をお楽しみください。　
©Jamaica Tourist Board