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2021/02/04 ミュージックジャーニー

~MIN-ONミュージック・ジャーニー~パラグアイ編~

皆さん、民音ミュージック・ジャーニーへようこそ。
今回は、南米大陸の中央に位置するパラグアイ共和国へ、駐日パラグアイ共和国大使館の皆様とともにご案内いたします。

パラグアイは、首都アスンシオンと17の県からなり、アルゼンチン、ブラジル、ボリビアと国境を接する海をもたない内陸国です。国内には、パラグアイ川やパラナ川をはじめ多くの川が流れており、人々に豊かな自然の恵みを与えています。

国内の言語はスペイン語のほかに、何世紀にもわたって先住民のグアラニー語が使われ、音楽や文学において、感情に満ちあふれた数々の詩を生んでいます。


「母なる都市」アスンシオン

首都アスンシオンは、パラグアイ川の下流部東岸に位置する河港都市です。15世紀初頭、スペイン人がこのパラグアイ川に沿って上陸し、南米地域に入植する拠点として築いたのが始まりで、「母なる都市」と呼ばれています。

かつてパラグアイには、国内外の主要都市を結ぶ鉄道が敷かれていました。パラグアイでは燃料となる石炭が生産できず輸入も難しかったため、その時代では珍しい薪を動力とする機関車が導入されていました。自動車の普及により国内の路線は全て廃止されましたが、当時使用されていたアスンシオン中央駅の駅舎が鉄道博物館として利用され、その歴史をみることができます。

アスンシオンの中心地はセントロと呼ばれる旧市街で、なかでも白色ドームのパンテオン(英雄廟)が建つ英雄広場の周辺は、いつも市民で賑わっています。パンテオンには、三国戦争(1864-70)などで亡くなった英雄たちが祀られており、衛兵によって警備されています。日々おこなわれる衛兵の交代儀式は見応えがあり、毎回、多くの見物客が詰めかけます。

また市内から見えるパラグアイ川に沈む夕日の美しさは、訪れる人々の心を引きつけます。


パラグアイ川とアスンシオンの街並み




国内最南の街エンカルナシオン

パラグアイの最南に位置するエンカルナシオンは、近年、急速に開発が進み、ウォーターフロントの遊歩道や人工ビーチなどが整備され、国内屈指のバケーションタウンとなっています。1930年代より日本からの移民を積極的に受け入れた街でもあり、日本企業が進出し、日系人家族も多く暮らしています。

毎年夏に開催されるパラグアイ最大規模を誇るこの街のカーニバルには、国内はもとより海外からの見物客で賑わい、観客同士がスプレー缶の泡を掛け合って大騒ぎします。ステージでは、きらびやかな衣装をまとったダンサーたちが、街中に響くサウンドにあわせて躍動し、人々は日常からの解放感に浸ります。



エンカルナシオンのカーニバル


1600年代、イエズス会は、この地の先住民にキリスト教を布教するため、各地に集落(伝道所)を設けました。その中でもエンカルナシオンから30㎞離れた「トリニダー・デル・パラナ」「ヘスス・デ・タバラングエ」の遺跡には、学校やアトリエ、住居、墓地、野菜畑などが残されており、当時の面影を垣間見ることができます。1993年には、国内唯一の世界文化遺産に登録されました。

ヘスス・デ・タバラングエ遺跡



豊かな自然と多種多様な生態系

パラグアイは、国内の動植物の生態系を守るため、環境保全に力を入れており、豊かな自然に満ちあふれています。南北に貫流するパラグアイ川によって西部地域(チャコ地方)と東部地域に大別され、それぞれに自然の特色を持っています。チャコ地方の人口はわずか20万人で、国内最大の「デフェンソレス・デル・チャコ国立公園」や、2000年に世界自然遺産に登録された「パンタナル自然保護地域(パンタナル湿原)」が広がっています。パンタナル湿原は、ブラジル、ボリビアにもまたがる世界最大の熱帯低層湿原で、その広さは日本の本州に匹敵します。雨季には川の氾濫によってほぼ土地が浸水しますが、乾季を迎えると水が引き、草原へと変貌します。ここは世界でも類をみない野生動物の生息地で、ジャガーやパラグアイカイマン(ワニ)、カワウソ、カピバラ、バク、オオアリクイ、コウノトリなど、多種多様な動物たちを見ることができます。




パラグアイに生息する動物たち

 

パラグアイの瀑布として名高い「モンダウの滝」は、落差40メートルの3つの滝と、無数の小さな滝で形成され、満々とたたえた大河の水が勢いよく流れ落ちる様は圧巻です。

またイタイプダムは、国内のほぼすべての電力を補完する水力発電所で、全長8㎞、21基の発電機を有する巨大な提体は、世界第2位の発電量を誇ります。ダム内部の見学やライトアップイベントも行われており、パラグアイならではの景観を楽しむことができます。

モンダウの滝


イタイプダム

 

先住民文化とスペイン文化の融合

ニャンドゥティは、グアラニー語で“クモの巣”を意味するレース刺繡で、イタグア市の名産品です。パラグアイを代表する手工芸品ですが、起源は明らかではありません。スペインのテネリフェ島のレース編みが元になったとも言われています。

古くからのニャンドゥティは白い糸を通したもの多く、主に教会の祭壇の飾り付けや祭事などに使われていました。時代が進むにつれて、ニャンドゥティは色鮮やかな模様に移り変わり、今では、洋服やアクセサリー、テーブルクロス、カーテンなど、幅広い用途に使用されています。



パラグアイの郷土料理には、トウモロコシ、キャッサバ(芋の一種)、ピーナッツといった食材が多く使用されます。先住民の生活文化にヨーロッパ文化が融合した独自の食文化が生まれ、トウモロコシを練り潰して焼いたチーズパンの「チパ」は、その象徴といわれています。一般的に肉食文化の傾向があり、牛肉やソーセージを網焼きや串焼きにした「アサード」は、スペイン語で「焼いた肉」の意味を持つパラグアイの国民食といえます。またトウモロコシの粉とチーズを練った団子が入ったスープ「ボリボリ」など、独特の料理も味わえます。人々は、常に薬草茶葉を濾した冷水“テレレ”を水筒で携帯し、野菜(ビタミン)不足を補いながら食事をしています。



パラグアイの音楽には、アルパという撥弦楽器がかかせません。もともとヨーロッパのハープが17世紀頃に持ち込まれたものとされており、アルパはハープのスペイン語読みです。中南米の中で最も盛んに演奏されている国がパラグアイであり、製作技術、演奏者の数、楽曲の種類においても他国を凌駕していることから、現在では国民楽器として位置づけられています。

日本で開催されたアルパのイベントの模様(2019年5月3日)


民音では、これまで4度(1976年、1989年、2003年、2019年)にわたり、パラグアイのアーティストを招聘し、公演を開催して参りました。
はじめに、2003年に開催された「マルティン・ポルティージョ&アメリカンタ」のステージより2曲をお楽しみください。

<マルティン・ポルティージョ>
1970年、パラグアイ首都アスンシオンに生まれ、7歳から音楽学校で音楽理論とギターを学び始める。15歳で上級音楽教員として資格を取得。17歳で自身初となるツアーを経験。1999年にワールドツアーの一環として初来日公演を実現。

1.「牛乳列車」
農村地帯から都市部へ牛乳を積んで走っていく列車の風景を表現した曲です。


2.「ダンサ・デ・ラス・ボテージャス」
女性ダンサーの清楚で可隣な民族衣装と見ごたえのある踊りです。


続いて、2019年にパラグアイ共和国大使館との共催で開催しました「ベルタ・ロハス コンサート」より1曲、そして、ゴミから作ったリサイクル楽器を使用することで話題となった「ランドフィル・ハーモニック・オーケストラ」と彼女との共演をお楽しみください。


<ベルタ・ロハス>
現代のトップクラスのクラシック・ギタリストであるベルタ・ロハスはワシントンポスト紙上やクラシックギターマガジンなどで「クラシックギター大使」として称賛される。カーネギー・ホール、ワシントンD.C.のケネディーセンターなどでの演奏や、アイルランドのラジオとテレビオーケストラ、ブリュッセル・フィルハーモニー・オーケストラとの共演等、彼女のその音楽性、そして温かい人柄で、世界中の観客から賞賛を得ている。

1.「パラグアイ舞曲」
クラッシック・ギター界で世界的に有名なパラグアイの音楽家、アグスティン・バリオス=マンゴレが作曲した曲です。



2.「タンビト・ホセフィーノ」 
演奏:ベルタ・ロハス、ランドフィル・ハーモニック・オーケストラ
「ランドフィル・ハーモニック・オーケストラ」は、首都アスンシオンの郊外に位置するカテウラという町に捨てられたゴミから作ったリサイクル楽器の楽団です。
こちらからご視聴いただけます。


最後に、駐日パラグアイ共和国大使館が推薦する音楽家「ソンリーサ」、「キアラ・デオドリコ」の演奏をお楽しみください。



<ソンリーサ>
2006年にエンリケ・カレーラ、松木ありさの2人で結成されたアルパ・デュオ。2008年に首都アスンシオンで開催された「第2回世界アルパフェスティバル」にてアジア代表として招待演奏を行い、好評を得る。コンサートでの演奏だけでなく、パラグアイ大統領来日レセプションや、各国大使館主催のパーティーにて演奏をし、文化の架け橋として精力的に活動している。現在は主に日本で演奏活動を行い、2017年からは毎年10月に開催される「パラグアイ・フェスティバル」の代表に就任し、パラグアイと日本との絆をさらに強めようと尽力している。


<プレイリスト>

1.「カスカーダ」
  こちらからご視聴いただけます。

2.「かなたより君を想う」
  こちらからご視聴いただけます。

<キアラ・デオドリコ>
パラグアイのアスンシオン市出身の最も有名なパラグアイ人ピアニストの一人。彼女はソロやオーケストラと共に様々な国で定期的な演奏をしており、アクティブな音楽活動を行っている。これまで「パラグアイ名誉観光親善大使」、「Artificers of Change Award, Women who Innovate and Create」、「パラグアイの優れた若者」、大統領により与えられた「国民青年賞」、「現代パラグアイ人女性への敬意賞」などを受賞している。

<プレイリスト>
「ピアノのための3曲」

 「孤独の悲しみ」「回想」「アルバムページ」 



皆さん、パラグアイへの音楽の旅はいかがでしたでしょうか。
音楽の旅はまだまだ続きます。次回もどうぞお楽しみに。

協力、写真提供:駐日パラグアイ共和国大使館

Min-On Concert Association
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