HOME > NEWS一覧 > MIN-ONミュージック・ジャーニー~パナマ編~

NEWS

2021/01/21 ミュージックジャーニー

MIN-ONミュージック・ジャーニー~パナマ編~

民音ミュージック・ジャーニーへようこそ。
今回は、南北アメリカをつなぎ、中米南端に位置する国パナマへ、駐日パナマ共和国大使館の皆様とともにご案内いたします。

南北のアメリカ大陸と、太平洋・大西洋を結ぶ十字路として栄えてきたパナマは、かつての先住民のなかに、ヨーロッパやアフリカ系文化が流入し、多様性に溢れた独特な伝統文化を形成しています。
また2つの大海に挟まれた国土は、美しいビーチや島々を含み、熱帯雨林にはパナマ固有の多種多様な動植物が生息しています。

500年の歴史を誇る首都パナマシティ

首都パナマシティは、1519年、スペイン人による最初の植民都市として建設されました。旧市街には、コロニアル調の街並みとともに、世界遺産に登録された「パナマ・ビエホ(歴史的建造物群)」や「カテドラル(カトリック教会)」が建ち並び、スペイン植民地時代の面影を残しています。また新市街は、一転してニューヨークやシンガポールのような高層ビルが乱立しています。ここには海外の主要銀行や高級ホテルが名を連ね、世界中のビジネスマンの活躍の舞台となっています。


海岸通りの夜景

「カテドラル」は、パナマシティの旧市街カスコ・ビエホの中心地、独立広場に建てられており、世界遺産に登録された「パナマ・ビエホとパナマ歴史地区」の一部として、旧市街のシンボルとなっています。
また「パナマ・ビエホ」は、スペイン人によって築かれた最初の生活圏です。1671年の海賊の侵攻で廃墟となり、長らく放置されていましたが、現在は修復、整備され、遺跡公園にようになっています。パナマ・ビエホ塔からは360度の市街地の景色を見渡すことができます。


カテドラル


2つの大海をつなぐ重要ハブ「パナマ運河」

首都パナマシティにあるパナマ運河は、太平洋と大西洋(カリブ海)をつなぐ重要なハブとして、エジプトのスエズ運河、ドイツのキール運河と並び、世界三大運河の一つに数えられています。この運河は、全長約80㎞を擁し、3段階の閘門(水門)と3つの人造湖を設けたロック式(閘門式)を採用しています。水位を変えながら高低差のある水路を移動し、およそ9時間かけてパナマ地峡を越えることができます。

南アメリカの南端マゼラン海峡を周回するルートと比べ、この運河を利用することで運賃や燃料費が安価に抑えられることから、年間13,000隻を超える船が往来しています。2016年には拡張工事が完成し、これまでより3倍近い貨物量の大型船の通航が可能となりました。

また近くの展望台からは、壮大なスケールで巨大タンカーがゆっくりと移動する姿を見学することができ、人気の観光スポットにもなっています。


拡張されたパナマ運河を初めて通過する大型船(2016年6月26日)


3つの世界自然遺産をもつパナマ

「パナマ」とは、先住民の言葉に由来し、“魚・蝶々があふれる地”を意味しています。その名の通り、パナマには、コイバ国立公園、ラ・アミスター国立公園、ダリエン国立公園という3つの世界自然遺産のなかに、世界でも珍しい多種多様な動植物が生息しています。
ラ・アミスター国立公園は、パナマとコスタリカにまたがり、熱帯雨林や火山地帯、高原地帯が入り混じった広大な世界遺産です。“幸せを呼ぶ幻の鳥”と呼ばれるケツァールをはじめ、多くの絶滅危惧種や固有種が生息しています。またコイバ国立公園は、太平洋沖合の中央アメリカ最大の島コイバ島と、周辺の38の小さな島々からなる海洋特別保護地域で、海域面積は4000平方㎞にもおよびます。コイバ島は人気のダイビングスポットで、美しいサンゴ礁が果てしなく広がり、ザトウクジラやウミガメ、ジンベエザメなどに出会うことができます。ダリエン国立公園は、コロンビアとの国境に接し、総面積575,000ヘクタールという広大な敷地には、8,000人の先住民が暮らしているほか、300種の樹木、1,000種以上の鳥類が生息しています。




パナマ沖の島エスクド・デ・ベラグアス島で暮らすピグミーミユビナマケモノは、マングローブ林以外では生息できない絶滅危惧種で、狩猟やマングローブ伐採のために、今では約200匹にまで減少しています。
2014年には、パナマ運河の太平洋側の入り口に、カラフルな屋根の「生物多様性博物館」がオープンしました。ここではパナマ地峡の起源と地形の変異をはじめ、そこに生息する希少動植物の生態系や絶滅危機の現状などを、詳しく知ることができます。


カラフルな「生物多様性博物館」とパナマシティの景観


パナマの民族衣装“ポジェラ” とクナ族の民族衣装“モラ”

パナマには、スペイン統治時代より伝わる伝統的な民族衣装があります。その一つが“ポジェラ”と呼ばれる女性の民族衣装です。中米の民族衣装は、ブラウスとロングスカートが基本ですが、パナマの衣装は、カラフルな色彩と繊細な刺繍を施してあるという点で、スペイン由来でもなく、他のラテンアメリカの国々とも異なり、独自性を誇っています。生地に光輝くジュエリーが施される木目細かな図柄は、1着を縫うのに8カ月を要するといわれています。そして頭にはべっ甲、髪飾りなどを纏い、一層、きらびやかに仕立てます。この衣装はパナマの貴重な伝統文化として保護され、毎年7月22日は「ポジェラの日」として慶祝されます。女性たちは、カーニバルやフェスティバルなど、街で開催される特別なイベントに、この衣装を着て出掛けます。


女性の民族衣装ポジェラと髪飾りテンブレッケ



パナマには古くからの先住民が定住しており、現在では、7種族が今なお変わらぬ生活を送っています。サン・ブラス諸島に暮らすクナ族も、古来の土着文化や生活習慣を守り続けています。女性が身に着けているのは“モラ”と呼ばれる民族衣装です。モラとはクナ語で女性のブラウスを意味しますが、異なる色の布をいくつも重ね合わせ、ブラウスの前面と背面に切れ目を入れて模様の形にくり抜いて縫うパナマの手芸を指すこともあります。魚や鳥、植物などをモチーフにしたデザインが特徴的で、欧米にはモラを収集している博物館があり、世界でも注目されています。



民音では、1981年、「ビバ・パナマ」を開催し、歌手のルーチョ・ベハラーノとシニア・デ・ベハラーノを招聘、2008年には「中米の音楽~セントロアメリカの太陽」でラテン音楽バンド、サン・ブラスを招聘しました。
また2018年には、パナマシティ創設500周年記念事業として「パトリシア・ブリエグ」コンサートを開催しています。


ルーチョ・ベハラーノとシニア・デ・ベハラーノ(1981年「ビバ・パナマ」公演)


はじめに、2008年、「中米の音楽~セントロアメリカの太陽」公演より、ラテン音楽バンドサン・ブラスの演奏を2曲お楽しみいただきたいと思います。

<サン・ブラス>
国際的に活躍するパナマの音楽家たちが集結し、2007年に新しく結成されラテン・ミュージックバンド。リーダーで音楽ディレクターを務めるマルコ・リナレスは、パナマが生んだ偉大なサルサ・シンガー、また俳優で、ルベン・ブラデス(ブレイズ)バンドのギタリストとして、4度のグラミー賞に輝いている。パナマの特徴的なアコーディオンに民族弦楽器ティプレをまじえ、痛快で現代感覚あふれるサウンドを響かせている。

<プレイリスト>
1.「ある恋の物語」



2.「パナマの即興音楽“ムルガ” 」


つづいて、「パトリシア・ブリエグ」コンサートより、2曲お楽しみください。



<パトリシア・ブリエグ>
パナマを代表するミュージシャン、シンガーソングライター、作編曲家で、ラテンアメリカや世界の様々なリズムをジャズに取り入れるなど、幅広いジャンルの演奏を行っている。
目が見えないハンディを乗り越え、パナマの文化、独自性、芸術にインスピレーションを受けた民族音楽のアルバムなど、数多くリリース。これまでに、クインシー・ジョーンズ賞、ソロ・アンド・アンサンブル賞、プロフェッショナル・アチーブメント賞など多くの賞を受賞。現在は「Puentes y Diálogos(架け橋の対話)」として各国のアーティストとオンラインで対話を重ね、共演するプログラムを手掛けている。

<プレイリスト>

1.「パナマ・ビエホ」


2.「千の風になって」


パナマ大使館推薦のミュージシャン「Javier Medina Bernal」

最後に、駐日パナマ共和国大使館が推薦するミュージシャンのハビエル・メディーナ・ベルナルをご紹介いたします。ハビエル・メディーナ・ベルナルは、パナマ出身の作曲家、シンガーソングライターです。また、彼の詩や小説、短編小説は、パナマにおける全国文学賞を受賞しています。彼の作詞する歌詞は、あらゆる人の遠い過去の記憶を呼び覚まし、そのハーモニーは、果てしない音楽の旅に誘います。



<プレイリスト>

1.「夢見る価値」
  こちらからご視聴いただけます。 

2.「センテンシア」
  こちらからご視聴いただけます。

3.「一輪の花」
  こちらからご視聴いただけます。

4.「ザ・エンジェル Part2 ブロッド」
  こちらからご視聴いただけます。




パナマの国花エスピリトゥ・サント(学名:ペリステリア・エラタ)は、スペイン語で「精霊」を意味する中米産の白色蘭。花びらの中央にハトがたたずんでいるように見えるのが特徴で、花言葉は「百花繚乱」です。

皆さん、パナマへの音楽の旅はいかがでしたでしょうか。
音楽の旅はまだまだ続きます。次回もどうぞお楽しみに。

協力、写真提供:駐日パナマ共和国大使館

Min-On Concert Association
-Music Binds Our Hearts-

MIN-ONミュージック・ジャーニーの一覧はこちら