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2020/12/03 ミュージックジャーニー

MIN-ONミュージック・ジャーニー~ウクライナ編~

一面に咲き誇るウクライナのひまわり畑


皆さん、民音ミュージック・ジャーニーへようこそ。
本日は、“ひまわり”の花が美しく咲き誇るウクライナへ、駐日ウクライナ大使館の皆様とともにご案内いたします。
ウクライナは、かつて地下に核ミサイルが格納されていた広大な跡地に“ひまわり”を植え、2013年には世界一「ひまわりの種」を生産する国となりました。

芸術・音楽の都 首都キーウ

首都キーウは、1,500年余りの歴史を持つ東ヨーロッパ随一の古都で、「緑の都」とも呼ばれ、四季折々の美しい自然の街並みを堪能することができます。
1990年に世界遺産に登録されたソフィア大聖堂には、かつて大学や図書館が設けられ、首都キーウを治める君主の戴冠式や葬儀など、国の重要な政治や文化の役割を担ってきました。現在も11世紀当時の姿がそのまま残されており、フレスコ画やモザイク画を楽しむことができます。
また市内には、ウクライナ国立歌劇場をはじめ、著名なオーケストラや音楽・芸術クラブなどが数多くあり、市民の文化・芸術への関心の高さが伺えます。


ウクライナで最も古い修道院「・ぺチェールシク大修道院」


ユニークな街オデーサ

ウクライナの南、黒海の近くに位置する港町オデーサは、その美しい景観から「黒海の真珠」と謳われています。街の象徴ともなっているポチョムキン階段は、ソ連映画の大作「戦艦ポチョムキン」の有名なシーンの舞台となった場所で、世界でも有名な巨大階段の一つといわれています。
この階段は、上からみると踊り場だけ、下からみると階段しか見えず、視覚にユニークな工夫が施されています。全部で192段ある階段は、高台にある市街地と南の湾を直結するために造られたもので、頂上からは黒海を間近に望むことができます。

下から見たポチョムキン階段


ウクライナ西部の自然豊かな観光スポット

ウクライナ西部カルパティア地方の“木造教会群”は、ウクライナに隣接する国々の文化が融合した木造建築として高く評価され、2013年にはユネスコの世界文化遺産に登録されました。
またリヴネ州の都市型集落クレーヴェンには「愛のトンネル」と呼ばれる貨物線路があります。鮮やかな緑に囲まれ、“木もれび”が織りなす幻想的な風景は、映画や小説の舞台にもなった人気のスポットです。
かつてのオスマン帝国との国境に建てられ、難攻不落の要塞として讃えられた古城“カーミャネツ・ポディリスキー”も観光の名所です。




恋の願いが叶う場所として人気の「愛のトンネル」


ウクライナの美しい民族衣装と食文化

ウクライナには、ソロチカまたはヴィシヴァンカと呼ばれる伝統的な刺繍を施した民族衣装があります。刺繍は「魔除け」を意味し、特に袖や襟元は細部にわたって施され、病気や悪霊から身を護るとされています。結婚式でも着用され、女性は嫁入り道具として刺繍生地を織ります。「刺繍の日」となっている5月の第3木曜日には、各地で美しい衣装をまとった人々によるパレードがおこなわれます。


伝統衣装を身にまとった結婚式の様子


ウクライナの食卓には、肥沃な黒土で収穫された野菜を用いた伝統料理ボルシチ(煮込みスープ)のほか、ヴァレニキ(ウクライナ風餃子)、サーロ(豚の脂身の塩漬け)、野菜(トマト、キュウリ、キャベツ、ニンニク)の酢漬けなどが並びます。




ウクライナの豊かな音楽文化

ウクライナには、ホパークと呼ばれるコサックダンスに由来する民族舞踊があります。ウクライナの精神を表す軽快なテンポとダイナミックな踊りは、街や村のいたるところで踊られています。
民音では、2000年、2003年にウクライナ国立民族舞踊団「パブロ・ヴィルスキー」を招聘し、全国で公演を開催しました。今回は2000年の公演より、虹色に輝く美しい衣装と、迫力の跳躍、ダンステクニックが魅力のホパークをおとどけします。

1.「ホパーク」


<ウクライナ国立民族舞踊団
パブロ・ヴィルスキー>
ウクライナ民族の伝統と文化を保存し収集することを基盤としながら、新しい民族舞踊や振付作品を創造している舞踊団。オランダやベルギー、フランスをはじめ世界60ヶ国以上で公演を行っている。

次に、2018年におこなわれたソプラノ歌手オクサーナ・ステパニュック氏の公演より、ウクライナの民族楽器バンドゥーラの演奏をお聴きください。

2.「もしも私が刺繍が出来たなら」

<オクサーナ・ステパニュック>

コロラトゥーラと呼ばれる軽快で華やかな技巧的旋律を得意とするソプラノ歌手。1992年、「ウクライナのキーウ若い才能コンクール」優勝を皮切りに、98年、「ウクライナ民族音楽国際コンクール」で優勝するなど、数多くのコンクールで功績を残している。

最後に、駐日ウクライナ大使館が推薦する5組の音楽家を紹介いたします。

1.「春」
演奏:ダッカブラッカ
2004年に結成されたキーウのワールドミュージックカルテットで、新しい音楽の世界を創出している。
ダッカブラッカという名前は、古代ウクライナ語で「与える」又は「取る」の意味。

こちらからご視聴ください。


2.「1944」
出演:ジャマラ
ジャマラ(本名:スサーナ・アリーミウナ・ジャマラディーノヴァ)はウクライナの歌手、ソングライター、俳優。2016年にはユーロビジョン・ソング・コンテストにウクライナ代表として出場し「1944」を歌い優勝を果たしている。

こちらからご視聴ください。



3.「天頂」
演奏:オヌーカ(孫娘)
2013年に結成されたのエレクトロ·フォーク·バンドで、その編成は、電子ドラム、トロンボーン、フレンチホルンに加え、ウクライナの民族楽器バンドゥラとソピルカで構成されている。

こちらからご視聴ください。



4.ミコラ・リセンコによるオペラ「タラス・ブルバ」
演奏:国立オデーサ・フィルハーモニー管弦楽団
1937年に設立され、2001年より国立の楽団として、活動を行っている。また、音楽監督のホバートアールのもと、国内だけでなく、オーストリア、英国、米国を含む14か国でツアーを行っている。

こちら
からご視聴ください。



5.「シュチェドルィック (ウクライナの鐘のキャロル)」 
出演:G.ヴェリョウカ記念ウクライナ国立名誉アカデミック・フォーク合唱団
ウクライナのすべての地域の民族文化を代表するユニークなパフォーマンスアンサンブル。1965年にウクライナの作曲家Grigoriy Veryovkaによって作成され、1997年に国立合唱団になっている。

こちらからご視聴ください。


 


ウクライナ最南端のクリミア半島

 
皆さん、ウクライナへの音楽の旅はいかがでしたでしょうか。
音楽の旅はまだまだ続きます。次回もどうぞお楽しみに。

協力:駐日ウクライナ大使館
写真提供:ウクライナ国営通信社『ウクルインフォルム』、ウクライナの写真家ヴャチェスラヴ・ブリシャジュヌーク氏及びオレナ・プシカロヴァ氏

Min-On Concert Association
-Music Binds Our Hearts-

外務省発表(2022年3月31日)による、ウクライナの首都の呼称を「キーウ」と変更、他の地名についても、ウクライナ語による読み方に基づく呼称変更に準じて、2022年4月1日に本文を更新をしました。

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