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2020/11/19 ミュージックジャーニー

MIN-ONミュージック・ジャーニー~ホンジュラス編~

首都テグシガルパの景観

 
民音ミュージック・ジャーニーへようこそ。
今回は、中央アメリカのホンジュラスに、駐日ホンジュラス共和国大使館の皆様とともにご案内いたします。
ここは、北はカリブ海に面し、南はわずかに太平洋を望むことができ、美しく豊かな自然にも恵まれています。

首都テグシガルパは、先住民の言葉で「銀の丘」という意味を持ち、16世紀の後半、金や銀の鉱山として栄えました。現在、人口は113万人を超え、政治・経済の中心地となっています。



マヤ芸術と学問の都コパン

マヤ文明は、紀元前1800年頃から、現在のメキシコ、グアテマラ、ベリーズ、ホンジュラス、エルサルバドルにまたがる中央アメリカ一帯で発達した古代文明です。その中でコパンは、西のグアテマラとの国境近くを流れるモタグア川のほとりで栄えた芸術と学問の都と呼ばれ、数多くの遺跡が残されています。石碑に施された美しい高浮き彫りの彫刻や、階段の垂直面のすべてに細かなマヤ文字が刻まれた「神聖文字の階段」からは、3000年の歴史をもつマヤ文明の深い知識と芸術性の高さが伺えます。


レンカ族の伝統的な工芸品


ホンジュラス西部の高地に住む先住民「レンカ族」の人々が織る生地は「レンカ布」と呼ばれ、ホンジュラスの伝統工芸品となっています。ピンクやグリーンなどカラフルな色合いが美しく、レンカ族の女性たちは、ファッションとして頭に巻いたり、ワンピースにして身につけたりしています。

雄大で美しい自然の宝庫ホンジュラス北部

北部のカリブ海には、リゾート地として名高いバイア諸島があり、沿岸の港町ラ・セイバには、毎年、世界中から多くの観光客が訪れます。
この海域には、サンゴ礁としてはオーストラリアのグレート・バリア・リーフに継ぐ、世界で2番目の大きさを誇るメソアメリカ・バリア・リーフが広がり、美しい自然の姿が保たれています。ダイビングスポットとして人気のロアタン島の海岸は“世界で最も美しいビーチの一つ”と呼ばれ、手前に浮かぶカヨス・コチーノスは、ホンジュラス政府より海洋保護区に指定されています。



また、ラ・セイバから東へ進むと、国内最大規模の熱帯雨林「リオ・プラタノ生物圏保護区」があります。ここは全長約100kmにも及ぶプラタノ川流域に広がる自然保護区で、面積3,500平方キロメートルの区域には、多種多様な動植物が生息しています。1982年には、ユネスコ世界自然遺産に登録されました。


リオ・プラタノ生物圏に住む動物たち


トウモロコシが主食の伝統料理

ホンジュラスではトウモロコシを主食とし、コーンの粉を練って薄くのばして焼いたトルティージャは、古代マヤ文明時代から伝わる郷土料理となっています。
また中米最大のコーヒー豆の生産国として知られ、国土の約80%で栽培されています。フルーティーでわずかな酸味に、香ばしく優しい風味を合わせ持つ豆の数々は、国の重要特産物として輸出され、世界中で嗜好されています。
他にも、バナナやパイナップルなどフルーツの栽培が盛んで、さまざまな料理や飲み物にも使用されています。




ホンジュラスに息づくガリフナ音楽

カリブ海沿岸には、アフリカ系民族とカリブの先住民の混血を祖先とする人々が数多く住んでいます。彼らは「ガリフナ」と呼ばれ、カリブ族とアフリカ民族の要素が融合し、さらにヨーロッパの影響を受けた独自の音楽文化を形成し、今に引き継がれています。彼らにとって音楽と踊りは人生そのものであり、日々の暮らしや仕事のなかで、喜びや悲しみを歌や踊りへと昇華させ、労働歌や子守歌を生みました。また、さまざまな行事や冠婚葬祭、先祖への祈りなども、この独特な音楽と踊りとともにおこなわれます。
このガリフナ音楽は、アボガドやマホガニーの丸太にシカやアライグマの革を張った太鼓ガラオンの響きにあわせ、マラカスやホラ貝などアフリカを起源とされる伝統楽器や、ヨーロッパから持ち込まれたサックスやギターが演奏されることもあり、果てしなく続く複雑なリズムと美しい単純な旋律が特徴です。
1976年には「国立ガリフナ舞踏団」が設立されるなど、現在では、ホンジュラスにおける文化の象徴となっています。





当協会では、2008年、2009年に、「ギジェルモ・アンダーソンとセイバーナ」を日本に招聘しました。爽快で明るく楽しいカリビアンスタイルの音楽が全国で好評を博しました。



今回は、その公演の中から、様々な自然現象を愛に例えて歌う「そんな君が好き」と、国内では第2の国歌と称されるほど大ヒットした「私の国では」をお聴きください。

< プレイリスト >

1.「そんな君が好き」
    こちらからご視聴いただけます。

  2.「私の国では」
    こちらからご視聴いただけます。
 
 〈ギジェルモ・アンダーソンとセイバーナ 〉
古来からその土地に伝わる独特のリズムを取り入れ、民族音楽を現代風にアレンジし、ホンジュラスの音楽を今に蘇らせている音楽家たち。
彼らのパフォーマンスは、レゲエやサルサ、そしてその他の多くのカリビアン音楽に、一層深い味わいを与えていることから、子どもから大人まで、幅広い年代層で人気を呼んでいる。特にギジェルモの歌声は、繊細さの中にも艶やかな力強さを秘め、風のように心地よいサウンドが人々の心を癒している。



ホンジュラス大使推薦のバンド「ハイブリダズ・ジャズ」

最後に、駐日ホンジュラス共和国エクトル・アレハンドロ・パルマ・セルナ特命全権大使が推薦する音楽家をご紹介いたします。

<ハイブリダズ・ジャズ>

テグシガルパ出身の2004年に結成されたジャズバンドで、国内をはじめアメリカ、日本など海外でもコンサートを開催。ホンジュラスの豊かな文化に様々な要素を取り入れながら、新しいオリジナリティに富んだパフォーマンスで多くの人の心を魅了している。



1.「カメの尻尾」
  大変にリズミカルで陽気な伝統的なガリフナ音楽をお楽しみください。
  こちらからご視聴いただけます。

2.「アンドレのための歌」
  こちらからご視聴いただけます。

3.「エル・ビエホ」(老人)
  こちらからご視聴いただけます。

4.「ホンジュラス国歌」
  テグシガルパの街並み、人々の様子がご覧いただけるミュージック・ビデオです。
  こちらからご視聴いただけます。

ホンジュラスの伝統的なドレス

 

皆さん、ホンジュラスへの音楽の旅はいかがでしたでしょうか。
音楽の旅はまだまだ続きます。次回もどうぞお楽しみに。

協力、写真提供:駐日ホンジュラス共和国大使館、ホンジュラス共和国観光局

Min-On Concert Association
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