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2024/04/11 ミュージックジャーニー

MIN-ONミュージック・ジャーニー~北マケドニア編~

皆さん、民音ミュージック・ジャーニーへようこそ。

今回は、バルカン半島の中央に位置する北マケドニア共和国へ、駐日北マケドニア共和国大使館の皆様とともにご案内いたします。

 

国土の大部分を高地が占める北マケドニアは、マケドニア王国、ローマ帝国、ビザンチン帝国など多くの古代王国の一部とも重なっており、紀元前から続く長い歴史を秘めています。

 

本年は、日・北マケドニア外交関係樹立30周年です。

はじめに、臨時代理大使より寄せていただいた記念のメッセージをご覧ください。

 

駐日北マケドニア共和国大使館 アレクサンダル・ポポブスキ臨時代理大使

 

 北マケドニアの旅のしおり 

・街の広場にある国の長い歴史と文化遺産を象徴する沢山の銅像の前で写真を撮ろう

・オフリド湖の絶景を見に行こう

・北マケドニアの伝統楽器の音色を聴いてみよう

 

ここで、2018年に行われた民音レクチャーコンサート「マケドニアの調べ」より、北マケドニアを代表する音楽家たちで構成された「デュマルディア」の演奏で『ヴォ・ブラシュコト・マアロ』をお聴きいただきます。

 

軽快なメロディと伝統楽器の優しい音色をお楽しみください。

 

 

平和を愛する北マケドニアの国民性

北マケドニアは旧ユーゴスラビアで唯一ユーゴスラビア戦争に参加せず国民投票で独立を果たしたことや、対話外交で周辺国との課題を解決したことで知られ、「平和を愛する国民」として世界から称賛されています。

北マケドニアの女性北マケドニアの人々

また、首都のスコピエは、かの有名なマザー・テレサが生まれた地としても知られています。彼女は1979年にノーベル平和賞の授賞式後、インタビュアーから「世界平和のために私たちはどんなことをしたらいいですか」と尋ねられたときに、次のような言葉を返しています。

 

 

あなたの家に帰って、あなたの家族を愛してあげてください

〜マザー・テレサ〜


北マケドニア出身のマザー・テレサ

この言葉が象徴するように、北マケドニアの人々はホスピタリティにあふれ、家族で過ごす時間を何よりも大事にしています。目の前の相手を大切にすることが、世界平和の第一歩になるという考え方は、人々にしっかり根付いているといえるでしょう。

北マケドニア料理北マケドニアのワイン

オスマン帝国の歴史が残る首都スコピエ

人口の約3分の1が居住する首都のスコピエは、政治・経済・文化の中心地であるとともに、テーマパークのような美しい街並みが広がる観光スポットでもあります。

北マケドニアの首都スコピエ

新市街

新市街の中心にある「マケドニア広場」には、巨大な「馬に乗った戦士」の銅像があります。ほかにも、スコピエの街中にはさまざまな銅像が建てられており、観光客に人気の撮影スポットとなっています。

北マケドニアの新市街


マケドニア広場から数分歩けば、マザー・テレサ記念館をはじめとするさまざまな名所を訪れることが可能です。

マザー・テレサ記念館

旧市街

マケドニア広場からヴァルダル川に向かって進み、15世紀につくられた石橋を渡ると旧市街へ入ります。旧市街にはモスクやキャラバンサライ(商人宿)、ハンマーム(伝統的な浴場)などが残されており、まるでオスマン・トルコの時代にタイムスリップしたかのような街並みが広がっています。

北マケドニアの旧市街

“バルカン半島の真珠”オフリド湖

スコピエからバスで南西へ3時間ほど移動すると、北マケドニア随一の観光地「オフリド湖」に着きます。アルバニアとの国境に位置する欧州最大の古代湖であり、3世紀末にキリスト教が伝来すると、エリア一帯は文化宗教都市として発展していきました。

オフリド湖

湖岸には365もの古い教会が残っており、雄大な山々に囲まれた景色と溶け合う様子はまるで異世界のような美しさを放ちます。オフリド地域は「オフリド地域の自然遺産及び文化遺産」として、数少ないユネスコ複合遺産にも指定されています。

オフリド湖

北マケドニアの芸術文化

北マケドニアには、何世紀にもわたって紡がれてきた豊かな芸術文化が存在しています。

 

民族衣装

北マケドニアの民族衣装は、古代バルカン文化、スラブ文化、東洋文化の要素が融合して発展していきました。地域によって70もの種類がありますが、いずれも赤・黒・白の3色と幾何学的なモチーフが使われているのが特徴です。


北マケドニアの民族衣装

伝統舞踊「オロ」

「オロ」は北マケドニアに残る伝統的な舞踊であり、集団で円を作って手を握り、伝統的な歌に合わせて踊ります。オロにはいくつものバリエーションが存在していますが、北マケドニアではすべての人が少なくとも基本的なパターンは知っているとされており、結婚式などでも踊られる国民的な舞踊です。

北マケドニアの伝統舞踊北マケドニアの伝統舞踊

ここで、北マケドニア西部の民族舞踊「テシュコト」をご覧ください。

この地方で暮らす人々の厳しい生活を象徴した舞踊で、その起源は、人々がより良い生活を求めて祖国を離れていった時代に遡ります。長い年月を経て、過去にこの地域で引き起こされたあらゆる苦痛を表現する象徴としても発展し、現代に受け継がれています。

 

 

東西の交差点で育まれた音楽文化

地理的に見て東西の重要な交差点にあたる北マケドニアでは、さまざまな文明の交流を通じて独自の音楽文化が育まれてきました。多様な文化のエッセンスが融合されているためか、楽器の音色や楽曲のメロディには「初めて聴くはずなのに懐かしい感じがする」といった印象を受けるものも多いです。

 

伝統楽器には以下のようなものがあり、いずれも民音音楽博物館にも所蔵されています。

シュペルカ 彫刻が施された6孔の縦笛
グズラ 丸い胴に羊の皮が張られたフレットレスの弦楽器。東欧に残ったただ一つの弦楽器といわれる
ガイダ バルカン地域に伝わるバグパイプ。羊皮でできた空気袋を膨らませて演奏する

 

ここで再び、「デュマルディア」の演奏で『ヴォ・ナシェ・セロ』をお聴きいただきます。

 

最後に、駐日北マケドニア共和国大使館が推薦する音楽家の演奏をお楽しみください。

 

  1. Kilometri - Vlatko Lozanoski Lozano


 

  1. Tesko Bez Tebe - Tamara Todevska


 

  1. Raspukala Sar Planina - Leb I Sol



北マケドニアの絶景

皆さん、北マケドニアへの音楽の旅はいかがでしたでしょうか。

音楽の旅はまだまだ続きます。次回もどうぞお楽しみに。

 

協力、写真提供:駐日北マケドニア共和国大使館

 

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