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2023/12/07 ミュージックジャーニー

MIN-ONミュージック・ジャーニー~エリトリア編~

皆さん、民音ミュージック・ジャーニーへようこそ。

今回は、アフリカ大陸北東部に位置するエリトリア国へ、駐日エリトリア国大使館の皆様とともにご案内いたします。

 

エリトリアは、「アフリカの角」と呼ばれるアフリカ大陸北東部に位置します。ヨーロッパや中東、アジアを結ぶ紅海に面していることから、古来より船舶交通の拠点として重要な役割を果たしてきました。

 

 エリトリアの旅のしおり 

・歴史情緒あふれる首都アスマラの街並みを散歩しよう

・港町マッサワの美しいビーチでのんびり過ごそう

・祭礼「ティムカット」の美しい行進を見に行こう

 

 

“文明の交差点”エリトリアの魅力

文明の交差点とも呼ばれるエリトリアは、「地球上すべての人々が集まったような多様性」が魅力です。約12.4万平方kmの国土に、さまざまな見どころや歴史が凝縮されています。

 

“アフリカ1つ分”の魅力が詰まった国土

アフリカ大陸1つ分とされる多様な地形と気候を持つエリトリアでは、「2時間で3つの季節を体験できる」とも言われています。首都のある高地エリアや半乾燥地帯、砂漠地帯、緑豊かな森林地帯、手付かずの生態系が残る海洋エリアなど、1つの国に多彩な地形・気候が存在しているのが特徴です。

 

エリトリアの地形エリトリアの生態系
ウミガメエリトリア

大らかで献身的な国民性

イギリスの東洋学者・言語学者であるエドワード・デニソン(1871-1940)は、次のような言葉を遺しています。

 

「エリトリアのような国にはガイドブックは要らない。人々の驚くほどのホスピタリティが、そんな堅苦しい書物の必要性など打ち消してくれるからだ。」

 

古くからさまざまな文化圏の人々が交流を結んでいたエリトリアでは、異文化に対する柔軟性が高く、それぞれの長所を取り入れながら発展してきた歴史があります。大らかで気取らない現地の人々と触れ合うのも、エリトリアを旅する楽しみの1つといえるでしょう。

エリトリアの子どもエリトリア人
エリトリアのマーケット

多文化共生の地 首都アスマラ

標高2,300mに位置するアスマラは、“雲の上の島”とも呼ばれる美しい首都です。19世紀後半にイタリアがアフリカ大陸に進出した際、「第二のローマ」として開発されたことから、現在でも1920〜1930年代のイタリア・アール・デコ様式の建造物が多く残っています。


アスラマ

アスマラはコーヒー愛好家が多く、気軽に散歩をしながらカフェに立ち寄る「アスマリーノ」という習慣を大切にしています。イタリアと同じように、アスマラでコーヒーといえばエスプレッソを意味します。

 

また、カトリック大聖堂をはじめ、モスクやシナゴーグといった宗教施設が共存しているのも大きな特徴です。イタリアとアフリカの風土が融合した街並み、多様な宗教が共存する様子は、「近代主義的アフリカ都市」として世界遺産に登録されています。

大聖堂シネマ・インペロ

海の玄関口 港町マッサワ

紅海沿岸に位置するマッサワは、エリトリアでもっとも古い歴史のある街の1つです。軍事上の拠点として争いの歴史を持つ一方で、近年では美しいビーチや生態系をとり戻し、各国からの海水浴客で賑わいを見せています。

 

特にマッサワ北部や近郊のダハラック諸島は、屈指のダイビングスポットとして知られており、眩しいほどの白い砂浜と透き通った海が世界中のダイバーを惹きつけます。マッサワ近郊のビーチでは、のんびりと闊歩するラクダに出会えます。

マッサワマッサワ


エリトリアの人々にとって、ラクダは国章になるほど重要な存在であり、荷物を運んだりタクシー代わりに人を運んだりする生活に欠かせないパートナーです。

エリトリアのラクダ

エリトリアの文化

エリトリアには、独自のバランスで育まれた文化が息づいています。今回はそのなかでもエリトリアの祭礼と音楽の文化をご紹介します。

 

テワヘドの祭礼「ティムカット」

テワヘドとはエリトリア地域におけるキリスト教のことであり、ティムカットはテワヘドにおいてキリストが洗礼を受けたことを記念して行われるお祭りです。各教会には「タボット」と呼ばれる聖櫃が代々伝えられており、ティムカットの日のみ教会の外に持ち出され、聖職者や信徒とともに街を練り歩きます。

 

荘厳な衣装に身を包む信徒が、鼓笛の音とともに行進する様子は圧巻であり、毎年多数の報道陣や観光客が海外から訪れます。

祭礼ティムカット
テワヘド

エリトリアの音楽文化

エリトリアでは伝統音楽から現代音楽まで幅広く聴かれているのが特徴です。エリトリアで暮らす代表的な9つの民族には、それぞれ伝統的な音楽やダンスがあり、フェスティバルではそれらが一堂に披露されます。

 

伝統楽器については、周辺のアフリカ諸国との共通点も多く、竪琴のような「クラール」や大きな太鼓「ケベロ」、バンジョーに似た「アバンガラ」、バイオリンのような「ワタ」など多様な種類が存在します。


エリトリアの音楽


編集部の“イチ押し”アーティスト:ヘレン・メレス

今回の旅では、エリトリアの歌姫「ヘレン・メレス」の楽曲『Meaza』をご紹介します。8歳でキャリアをスタートした彼女は、シンガーとしての活動と並行して、女優としても多くのエリトリア映画に出演しています。

張りのある伸びやかな歌声と、エリトリア音楽の独特な旋律をお聴きください。

 

 

最後に、駐日エリトリア国大使館が推薦する音楽家の演奏をお楽しみください。

 

  1. I don’t want to die because of your love-TEKLE TESFAZGHI


 

  1. Vibrations of Asmara -YEMANE BARYA


 

  1. Advice in life -TSEHAYTU BERAKIA


 

  1. Ebay Nay Asmara-VITTORIO BOSSI




エリトリアの子ども


皆さん、エリトリアへの音楽の旅はいかがでしたでしょうか。

音楽の旅はまだまだ続きます。次回もどうぞお楽しみに。

 

協力、写真提供:駐日エリトリア国大使館

 

Min-On Concert Association

-Music Binds Our Hearts-

 

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