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2023/06/29 ミュージックジャーニー

MIN-ONミュージック・ジャーニー~クウェート編~

皆さん、民音ミュージック・ジャーニーへようこそ。

今回は、ペルシャ湾北西に位置するクウェート国へ、駐日クウェート国大使館の皆様とともにご案内いたします。

 

 クウェートの旅のしおり 

・美しい島々のビーチを歩いてみよう

・「クウェートタワー」からの絶景を堪能しよう

・社交の場「ディワニヤ」について調べてみよう

・湾岸地域の真珠ダイバーに歌い継がれてきた「フィジリー」について知ろう

 

クウェートはアラビア語で「小さなお城」を意味しています。面積は約1.8万平方kmであり、日本の四国とほぼ同じ大きさでありながら、原油の埋蔵量は世界第7位を誇ります。

 

国土のほとんどは平坦な砂漠地帯ですが、美しいオーシャンビューが楽しめる「ブビヤン島」などの9つの諸島も含まれており、海との繋がりが密接な国でもあります。

 

ブビヤン島

ブビヤン島

 

編集部の“イチ押し”アーティスト:ファティマ・アル・カディリ


旅のはじまりは、ミュージック・ジャーニー編集部がおすすめするクウェート育ちのアーティスト「ファティマ・アル・カディリ」の楽曲をご紹介します。
彼女は高い芸術性と独創性によって、2019年カンヌ国際映画祭のグランプリ受賞映画『アトランティックス』のサウンドトラックを担当するなど、世界で幅広い活躍を果たしています。

ここでは、そんな彼女の楽曲『Souleiman's Theme』をご紹介します。美しく幻想的な音の世界をお楽しみください。

 

 

洗練された建物が並ぶ近代都市 首都クウェート市

ペルシャ湾岸に位置する首都のクウェート市は、都会的な高層ビル群と伝統的な建造物が混在する経済・政治の中心地です。また、国立博物館や美術館、劇場などが集まる文化の中心地でもあります。

クウェート

そのなかでも、特に重要な役目を果たしている施設が「シェイク・ジャベール・アル・アフマド文化センター」です。広大な公共公園内には、シアターや劇場、カンファレンスセンター、図書館の4つの建物があり、クウェートの教育・文化交流のプラットフォームとして大きな存在感を放っています。

シェイク・ジャベール・アル・アフマド文化センター

また、国内最大の大きさを誇る「グランドモスク」でのガイドツアー、「クウェートタワー」から望むペルシャ湾のパノラマビューも観光客に人気です。


グランドモスククウェートタワー

クウェートのライフスタイル

クウェートにはいくつかの特徴的なライフスタイルが存在します。ここでは、3つのトピックを通して、クウェートの人々の暮らしに触れてみましょう。

 

社交場「ディワニヤ」

クウェートでは、「ディワニヤ」と呼ばれる集まりがとても大切にされています。ディワニヤは古くから、社会や政治・経済をテーマに語らうサロンのような役割を果たしており、人々にとって重要な意思決定の場となってきました。

 

とはいえ、決して堅苦しい集まりというわけではありません。友人や近隣の人、ゲストを迎えて、アラブ菓子やコーヒー・紅茶を片手に時事問題について話し合ったり、自由に意見交換したりするお茶会のような意味合いを持っているのが特徴です。

ディワニヤ

 

裕福な家庭では、住宅の一角に「アル・ディワニヤ」と呼ばれる専用スペースが設けられたり、宿泊用のゲストルームがつくられたりすることもあります。ディワニヤは主に男性を中心としたものでしたが、近年では女性のコミュニティも増えてきています。

ディワニヤ

伝統衣装

男性用伝統衣装「ディスタージャ」は、フォーマル・カジュアルどちらでも着用される汎用性の高い衣装です。湾岸諸国のなかでも、クウェートのものはボタンがウエストあたりまであるのが特徴であり、両脇には携帯や財布、お祈り用の数珠などを入れられる大きなポケットがついています。また、儀礼や式典の際には、白いディスタージャの上に「ビシュト」と呼ばれる黒いコート風の衣装を着用します。

クウェートの伝統衣装クウェートの伝統衣装

女性の伝統衣装「アバヤ」は、頭から床までの黒いロングドレスであり、刺繍や縁取りにはさまざまなバリエーションがあります。頭に被る「ヒジャブ」は、服装に合わせてカラフルにコーディネートされます。

クウェートの伝統衣装クウェートの伝統衣装

伝統的な家庭料理「マチュブース」

クウェートの家庭料理マチュブースは、国内のレストランではどこでも提供されているクウェート風炊き込みご飯です。油で炒めた玉ねぎとニンニクに香辛料を加え、メインの具材(肉や魚)と米を加えて炊き上げます。

 

鶏肉をメインにした「マチュブース・デイアイ」、羊をメインにした「マチュブース・ラハム」、魚をメインにした「マチュブース・サマク」の3種類があり、家庭でもよく食べられている代表的な国民食です。

 

クウェートの音楽文化

クウェートでは、古くから民謡や音楽、踊りが重要な価値を持っていました。特に海上貿易が盛んに行われていた時代には、真珠採掘のために海で過ごす男性が多く、さまざまな文化との触れ合いによって多様な音楽ジャンルが広がったとされています。

 

たとえば、湾岸地域の真珠ダイバーによって演奏されていた「フィジリー」は、過酷な作業を鼓舞するための仕事歌で、真珠漁が消滅した現在でも大切に歌い継がれています。また、20世紀初頭に確立した音楽ジャンルで“アラビアのブルース”とも呼ばれる「ソウト」や、湾岸地域の伝統舞踊を美しく優雅に発展させたベリーダンス「ハリージ」なども、人気の芸術ジャンルの1つです。

フィジリークウェートの伝統舞踊ハリージ

 

クウェートの伝統音楽ダラブッカクウェートの伝統音楽の要素は、太鼓と手拍子にあります。伝統楽器である「ダラブッカ」は、酒杯のような形をした太鼓の一種であり、片腕で抱えながら素手で叩いて音を出します。

 

地域や国によってデザインが異なり、手軽に持ち運べることから、さまざまなジャンルで幅広く活躍する楽器です。現代ではこうした伝統音楽と最先端のエッセンスを組み合わせたアーティストも多く誕生しています。

 

大使館推薦の音楽家

最後に、駐日クウェート国大使館が推薦する音楽家の演奏をお楽しみください。

 

  1. Yalwatan yalzabrqan – Ahlam and Bashar Al-shatti


 

  1. Habeebiti Ya Kuwait – NBK


 

  1. Kulama Zadat Almahan – Shadi alkhalij and Sana Al-kharaz



クウェート

 

皆さん、クウェートへの音楽の旅はいかがでしたでしょうか。

音楽の旅はまだまだ続きます。次回もどうぞお楽しみに。

 

協力、写真提供:駐日クウェート国大使館

 

Min-On Concert Association

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