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2020/11/12 ミュージックジャーニー

MIN-ONミュージック・ジャーニー~スペイン編~

サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂


皆さん、民音ミュージック・ジャーニーへようこそ。
本日は、ヨーロッパの南部、イベリア半島の80%を占める情熱の国スペインに、駐日スペイン大使館の皆様とともにご案内いたします。

悠久の歴史のなかで多様な民族と文化が混じりあい、地方によって風土が異なるスペインは、個性と魅力に溢れ、訪れる人々の心を惹きつけます。また、国内でもっとも熱狂的なスポーツがサッカーで、ナショナルチームはもとより、国内リーグのトップを争うレアル・マドリードやFCバルセロナといった強豪クラブチームは、世界のサッカーファンのあこがれとなっています。


2001年、ユネスコ世界遺産に登録されたアランフエス王宮(マドリード南部)


中世の面影を残す首都マドリード

首都マドリードは、イベリア半島のほぼ中央に位置し、陽気で親しみ深い市民の気風が観光客の心を捉え、安心して「快適に過ごせる街」と世界でも人気が高まっています。ここでは絵画や彫刻のほか、オペラ、演劇など質の高い芸術の数々を楽しむことができます。なかでもスペイン絵画の殿堂「プラド美術館」は、王室のコレクションをはじめ、3万点以上の美術品を所蔵する世界でも指折りの国立美術館です。また1619年に完成した中世の面影を残す旧市街のマヨール広場は、かつては王家の儀式や闘牛、祭りなどが催された場所で、今では、お洒落なレストランやカフェに囲まれ、多くの市民と観光客の憩いの場となっています。



独自の歴史と文化をもつカタルーニャ地方と州都バルセロナ

カタルーニャ地方は、スペイン東部の地中海に面した地域です。ここの公用語はカタルーニャ語で、街のあちらこちらでカタルーニャ語の看板を見ることができます。
19世紀半ばから20世紀初頭、州都バルセロナを中心に、「モデルニスモ」という新たな芸術様式が開花し、アントニ・ガウディをはじめとする新進気鋭の建築家たちの作品が街に彩りを添えました。「カタルーニャ音楽堂」もその一つで、今でもコンサートホールとして使用されています。




また、ピカソ、ミロ、ダリなどの著名な近代美術家や、パブロ・ガザルスといった偉大な音楽家が世に輩出されたこの時代は、カタルーニャ・ルネサンスとも呼ばれています。この芸術の街バルセロナを語るうえで欠かせないのが、ガウディの作品「サグラダ・ファミリア聖堂」です。1882年に着工され、翌83年にガウディが設計を引き継ぎ、彼はその建設に後半生を捧げました。今もなお工事が続けられており、ガウディの没後100年である2026年の完成を目指しています。

自然に恵まれた避暑地 北スペイン

スペイン北部のカンタブリア州は、山と海に挟まれた自然豊かな地域で、夏と冬の気温差が殆どないため、一年を通して過ごしやすく、避暑地として注目されているスポットです。フランスとの国境に近いサン・セバスティアン市は「ビスケー湾の真珠」と呼ばれ、ウルグル山とイヘルド山の間には、リゾート地として有名な「ラ・コンチャ海岸」があります。この白い砂浜と透き通る海が楽しめる美しいビーチには、毎年、多くの観光客が訪れます。


コンチャ・ビーチ(サン・セバスティアン)


太陽と情熱溢れるアンダルシアとフラメンコ

地中海沿岸部に位置するアンダルシア地方は、コスタ・デル・ソル(太陽海岸)と呼ばれる地域があるように、一年中、太陽が降り注ぎ、常に温暖な気候の中で生活することができます。実は、スペインの世界遺産登録件数は、中国、イタリアに継いで世界第3位を誇っており、なかでもアンダルシア州の古都グラナダでは、「アルハンブラ宮殿」や「ヘネラリフェ」、「アルバイシン地区」など、かつてのイスラム王国の栄華を堪能できる歴史的遺産を数多く見ることができます。




海抜739ⅿという岩の台地に佇む街ロンダは、周囲を断崖絶壁で護られた自然の要塞のようになっています。また東西に走る深さ150mのロンダ渓谷によって南北に分断され、南側の旧市街と北側の新市街をつなぐ「ヌエボ橋」は、街のシンボルとして人々に親しまれています。
スペインの国技である闘牛の近代様式を確立したフランシスコ・ロメロ氏が生誕した街でもあり、市街地には、闘牛を楽しめる国内最古のロンダ闘牛場があります。



フラメンコは、遠くアジアからアンダルシア地方に移住して暮らしたロマ民族が、この地にあった伝統的な歌や踊りをもとにアレンジして発祥したといわれています。19世紀中頃には、現地の人々や観光客もフラメンコを楽しめる酒場として「カフェ・カンタンテ」が生まれ、その後、国内のあらゆるところで、食事をしながらフラメンコを鑑賞できるタブラオ(フラメンコ黄金時代の古い歌唱カフェ)へと発展しました。人間の喜びや苦しみ、苦悩、魂の叫びといった感情を表現し、生きる素晴らしさを謳うフラメンコは、スペインの人たちの情熱を体感できる貴重な芸術文化です。  


民音では、マリア・ロサ・スペイン舞踊団(1977年)やサルスエラ歌劇場(1985年)をはじめ、数多くの舞踊家や演奏家をスペインより招聘し、公演を開催してまいりました。




今回は、フラメンコ界のカリスマであるアントニオ・カナーレス、アントニオ・マルケス、ホアキン・グリロが出演した「ビバ!フラメンコ2005」公演より、ダンサー3名がこの公演のために振付を担当し、フラメンコ独特の雰囲気を個性豊かに表現をした「タンゴス」をお楽しみください。

「タンゴス」
こちらからご視聴いただけます。


つづいて、「情熱フラメンコ!!2019」公演より、アンダルシアのカディスで発祥した粋と情熱溢れる「アレグリアス」(スペイン語で「喜び」という意味)をお楽しみください。

「アレグリアス」
こちらからご視聴いただけます。


情熱フラメンコ!!2019


スペイン大使館おすすめの音楽家

駐日スペイン大使館文化部よりご紹介いただいた音楽家の演奏等を、ぜひお楽しみください。
                           
1.「コロ・アミチ・ムジカエ」
  演奏:サルスエラ歌劇場とホタ
  こちらからご視聴いただけます。
  スペインの伝統、サルスエラ歌劇場のオペラと北スペインのアラゴン地方の伝統舞踊音楽ホタのコラボレーションをお楽しみください。

2.「スペインのケルト音楽」 
  演奏:カルロス・ヌニェス
  こちらからご視聴いただけます。 
  スペインのケルト文化圏、ガリシアが生んだ天才バグパイプ奏者、カルロス・ヌニェスの演奏をお楽しみください。


3.「衝動(インパルス)」 
  出演:ロシオ・モリーナ 
  こちらからご視聴いただけます。
  伝統的なフラメンコを踏襲しつつ、常に新しい表現を続けるロシオ・モリーナの舞踏をお楽しみください。
  

4.「新しいアテネ」
  演奏:アルド・マタ 
  こちらからご視聴いただけます。
  マドリード出身のチェロ奏者、これまでサラマンカ高等音楽院での指導、スペイン国営放送響首席チェロ奏者、カタリーナ・ガースカ高等音楽院教授などを歴任。コンクールで受賞歴多数。
 

2000年の歴史をもつローマ劇場(メリダ)


皆さん、スペインへの音楽の旅はいかがでしたでしょうか。
音楽の旅はまだまだ続きます。次回もどうぞお楽しみに。

協力:駐日スペイン大使館
写真提供:スペイン政府観光局

Min-On Concert Association
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