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2020/10/01 ミュージックジャーニー

MIN-ONミュージック・ジャーニー~ポーランド編~

ワルシャワ旧市街市場 人魚の噴水

 
皆さん、民音ミュージック・ジャーニーへようこそ。
本日は、ヨーロッパの中央、バルト海に面した平原地帯に位置するポーランド共和国にご案内いたします。
バルト海とヨーロッパを結ぶ主要なルート“琥珀の道”があり、様々な国と隣接するポーランドは、多民族、多文化が混じり合い融合してきた歴史を持っています。

ショパンゆかりの地 首都ワルシャワ

首都ワルシャワは、ピアノの詩人と呼ばれるフリデリック・ショパンが、幼少期から10代までを過ごした街としても知られています。楽器の音色や歌声など様々な音楽が溢れた家庭で過ごしたショパンは、幼い頃からポーランドの伝統的な踊りや歌にも親しんでいました。パリに移住し作曲活動に励みながらも愛する祖国に思いを馳せていた彼は、かつて宮廷で踊られた美しい「ポロネーズ」や、庶民に愛されたリズミカルな舞曲“マズル”をもとにした「マズルカ」など、ポーランドをテーマにした数多くの楽曲を生涯書き続けました。
ワルシャワの中心部からやや東側に位置するワジェンキ公園では、美しい自然に囲まれたショパン像があり、野生の動物も見ることができます。
 

フリデリック・ショパン博物館(ワルシャワ)

美しい街並み広がるクラクフ・グダンスクの旧市街

ポーランド南部に位置するクラクフは、11世紀半ばから16世紀末までの長きにわたりポーランドの首都として栄え、東西の物資が行き交う交易地であった当時の様子を物語る建造物が今なお残っています。
旧市街の中央広場周辺には、歴代ポーランド国王の居城だったとされるヴァヴェル城や、布地の取引が行われていた織物会館をはじめ、観光客で賑わう名所が点在しています。

織物会館(クラクフ)



クラクフには、ポーランドでしか味わえない羊の乳を原料とした伝統的な燻製チーズ「オスツィペク」や、森の豊かな恵みから作られる甘い果実酒「ナフレカ」の専門店もあり人気を集めています。



バルト海沿岸に位置するポーランド最大の港湾都市グダンスクの旧市街には、ヨーロッパとポーランドの建築様式が融合したレンガ造りの壮麗な歴史的建造物やパステルカラーの家々が立ち並んでいます。また、世界遺産にも登録されているグダンスク旧市庁舎の周辺には、海の守護神と呼ばれるネプチューンのブロンズ像があり、旧市街のシンボルとしてこの町を見守っています。



ポーランドの色彩豊かな伝統舞踊と合唱

当協会は、これまでポーランドより、1981年、1989年、1992年と3回にわたり世界三大民族舞踊の一つを称される「ポーランド国立マゾフシェ合唱舞踊団」を、そして2019年には「日本・ポーランド国交樹立100周年」を記念して、「ポーランド国立民族合唱舞踊団・シロンスク」をそれぞれ日本に招聘し公演を開催。
その色鮮やかな民族衣装とダイナミックな舞踊、大迫力の合唱を、日本の皆様にお楽しみいただきました。

〈ポーランド国立民族合唱舞踊団「マゾフシェ」〉
1948年、急速に工業化する時代の中で、国の民族芸能や舞踊などを保存しようと作曲家・民族芸能研究家のタデウシュ・シギェチンスキと元女優で衣装・舞台デザイナーの妻、ミラ・ジミンスカによって設立された。
1951年には、初の海外公演をパリで開催して以降、世界各国で公演を行い、世界三大民族舞踊団の一つと称されている。

1989年の来日公演の模様


1992年の来日公演模様

今回は、「ポーランド国立民族合唱舞踊団・シロンスク」公演から、いくつかの地域の民族衣装の紹介とともに、4曲をお楽しみいただきたいと思います。




2019年の来日公演模様



〈ポーランド国立民族合唱舞踊団「シロンスク」〉

1953年、作曲家、教育者、さらには作家でもあった、スタニスワフ・ハディナ氏によって設立された。これまでに世界五大陸44カ国以上で7000回を超える海外公演を行い、その高い芸術性に対して、「ポーランド国家賞」「シロンスク音楽賞」「アメリカ大統領名誉賞」「ロシア文化省名誉賞」など数多くの賞を受賞している。

〈ポーランド国立民族合唱舞踊団「シロンスク」プレイリスト〉
1.「ポトハレ地方の踊り」
こちら
からご視聴いただけます。 
ポトハレ地方の女性服は鮮やかな花柄をモチーフとし胴衣は赤い紐で絞め結び、男性服には白いズボンのループ刺繍や革ベルトの凹凸模様、ビスなどがあります。男女とも力強さを感じる装飾美で、キェルプツェという手製の革靴も特徴です。この地域の踊りでは、激しい気性、たくましさ、ポーランド山岳民族の敏捷さが披露されます。



2.「クヤヴィアクとオベレク」
こちら
からご視聴いただけます。
マゾフシェ地方の衣装は、緑を基調としたスカートやズボンにあるカラフルな縦縞が特徴です。時代とともに配色を変えながら今日に至っています。女性のブラウスの見事なバラ模様や花柄のスカーフも注目です。
この曲は、“愛のダンス”とも呼ばれる落ち着いた雰囲気のクヤヴィアクと、ポーランドの民族舞踊で最も速く踊られるオベレクが披露されています。



3.「爺と婆」 
こちら
からご視聴いただけます。
イースターの祝日に因んだ仮想ダンスです。 



4.「クラコヴィアク」 
こちら
からご視聴いただけます。
クラクフ地方は、鮮やかな赤を生かした衣装が特徴で祖国への熱い思いが連想されます。男性の角帽や上衣の緑飾り、タッセルもすべて赤で、ズボンも赤と白の縦縞です。女性も赤いビーズ刺繍の上衣や首飾り、バラの花模様のスカートを身にまといます。
クラコヴィアクは、古都クラクフ周辺発祥の活気ある民族舞踊で、振り付けの構成には、13世紀にラッパ兵が塔の上でタタール人の来襲を告げる警笛を鳴らしている最中に射られた伝説が織り込まれており、メロディーが途中でプツッと中断されるのが特徴です。今回は、その場面を含むクラコヴィアクの後半部分より、お楽しみください。



ポーランドの音楽家紹介

最後に、駐日ポーランド共和国パヴェウ・ミレフスキ特命全権大使が推薦する民族舞踊団「イステブナ」、ポーランド広報文化センターマリア・ジュラフスカ所長が推薦する音楽家「クローケ」の曲をご紹介いたします。


<民族舞踊団「イステブナ」>
1901年創立。ポーランドの山岳地帯に伝わる歌や踊りを芸術的に表現。
これまで国内外で多数公演、国外での公演は25カ国にのぼり、各国で好評を得ている。

1. “Przez Istebnym cesta cymbrowano”
こちらからご視聴いただけます。

2.“Barka”
こちら
からご視聴いただけます。
 

クローケ>
元はクレズマー音楽を演奏する3人組であったが、活動の中で様々な民族音楽に影響を受け、現在では彼らのオリジナルのスタイルを確立している。


3. “Piosenka”
こちらからご視聴いただけます。
クラクフの旧ユダヤ人居住区にあるクラブで行ったコンサート映像。

4.“River of Shadows”
こちら
からご視聴いただけます。
数々の賞も受賞しているポーランドの歌姫アンナ・マリア・ヨペックと共演した1曲。



皆さん、ポーランド共和国への音楽の旅はいかがでしたでしょうか。
音楽の旅はまだまだ続きます。次回もどうぞお楽しみに。

協力:ポーランド共和国大使館、ポーランド広報文化センター

Min-On Concert Association
-Music Binds Our Hearts-

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