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とことん!京劇

「生 (ション)」はいわゆるイケメンですか?

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燕青(生)
燕青(生)(2009年中国国家京劇院 新作『水滸伝』より)

まあ、そう言えるかもしれません(苦笑)。 「生」にも、中高年を演ずる「老生」、青少年を演ずる「小生」、立ち回りを演ずる「武生」など、さまざまな役がありますが、基本的にはどれも「俊扮」すなわち二枚目のメイクをします。
逆に、いわゆるイケメンではない人物は、顔にけばけばしい隈取りを描く「浄」や、道化役である「丑」の役者が演じます。

俳優はどんな稽古をしているのですか?

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大きく分けると、二つです。
一つは、体力と技を維持するための基礎的なトレーニング。
二つは、自分が演ずる芝居の歌やセリフ、演技などの稽古。
俳優は、トレーニングや稽古のときは、体操服やジャージを着たり、あるいは練習用のボロい衣装を着ます。
本番と同じような化粧と衣装で稽古するのは、全体リハーサルとかゲネプロなど、特殊な場合だけです。本番で使う大切な衣装を傷めないために、また、化粧の手間や費用を節約するために、ふだんは、体育館のような場所で、ラフな服装で稽古をすることが多いです。

一日どのくらい練習するのですか?

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一日、朝に晩に練習するのが理想です。
京劇の名優・蓋叫天は「一日練習をおこたれば、(芸の退歩が)自分でわかる。二日練習をおこたれば、同業者にわかる。三日練習をおこたれば、観客にわかる」という名言を残しています。
とはいえ、こういう教えが名言として残っている、ということは、普通の俳優は必ずしも毎日みっちり練習しているわけではない、という事実の裏返しかもしれません。
1970年代まで、京劇の全盛時代は、京劇の劇団はどこも毎日のように舞台上演がありました。実演にまさる稽古はありません。京劇俳優も、毎日が本番であり、稽古でした。
しかし80年代に入ると、映画やテレビなど他の娯楽が急速に勃興し、京劇の人気は下火になってしまいました。舞台公演は数週間か数ヶ月に一度、という京劇団も珍しくなくなりました。京劇俳優は、日々の生活のためにアルバイトや他の仕事をするようになり、ふだんは練習もあまりできない、という状況も出てきました。
現在は、京劇をとりまく状況は、一時期よりはずいぶん良くなりました。それでも、梅蘭芳とか蓋叫天など伝説の名優の全盛期にくらべれば、京劇の舞台公演の回数はずいぶん減ってしまったままです。

京劇俳優の一日を教えてください。

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これも、人によりけりです。
他の芸能の興行と同じく、京劇の舞台公演も夜の時間帯が多い。そのため、京劇のプロ俳優には夜型の人が多くなる傾向があります。
生活のリズムは人によりけりですが──例えば、朝、早く起きて新鮮な空気を吸いながら声と体の鍛練をする。午前は芝居の稽古。午後は昼寝。夕方から劇場に行き、芝居の準備。夜、本番。帰宅し、食事、入浴、睡眠。──といった感じでしょうか。
京劇俳優は職業がら、忙しいときと、ひまなときの落差が大きいです。忙しいときは、夜の公演を終えたあとにテレビ局にかけつけ、夜中の二時、三時までスタジオで京劇の収録──などということもあります。
また、来日公演に参加して日本全国各地を回ると、ほとんど毎日のように舞台に立つ機会にめぐまれる俳優もいます。しかし、劇団の舞台の仕事がなく、毎週、劇団に行くよりも自宅待機のほうが長い俳優もいます。

舞台に立てるようになるまで、どのくらいかかるのですか?

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京劇俳優の卵

約七年です。
昔の京劇では、俗に「七年の大獄」と言って、京劇俳優の卵である少年たちは、七年のあいだ師匠のもとで厳しい寄宿舎生活と修行の日々を送らねばなりませんでした。ただ昔でも、練習発表会のような形で、京劇俳優の卵である子供に初舞台を踏ませることはありました。
現代でも、プロの京劇俳優になるためには、小学生・中学生くらいの年齢から京劇専門の学校に通わねばなりません。京劇俳優養成の専門学校は、大学、大学院まであります。プロの俳優になるまで、十年以上も在学するケースもあります。
ただ、京劇の専門学校では、授業の一環として、内部上演や一般公演もよく行います。そのため、数ヶ月で初舞台を踏む生徒もいます。初舞台は、舞台の端で旗をもって立っている兵隊の役など、セリフのない端役であることが多いです。
ちなみに、大人の京劇愛好者がプロ俳優に転向する例も、昔はありました。ただし、大人で京劇を習い始める場合、体はすでに固まってしまっているので、立ち回りやしぐさの習得は困難で、かろうじて歌とセリフだけはマスターする、というのがほとんどでした。

拍手をするがよくわからないので、教えてください。

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2009年中国国家京劇院 新作『水滸伝』より
2009年中国国家京劇院 新作『水滸伝』より

いちばん確実なのは、京劇俳優が「みえ」を切ってピタリと動きを止め、楽隊の伴奏もやむ瞬間に拍手をすることです。楽隊がガンガン打楽器を打ち鳴らしているあいだは、俳優の耳には楽隊の演奏しか聞こえません。客席から拍手しても、残念ながら、俳優の耳には伴奏が邪魔で届かないのです。しかし「みえ」の場面では、拍手は確実に俳優の耳にも届きます。俳優が「みえ」を切り、伴奏の音がやむタイミングは、京劇を初めて見るしろうとでも簡単にわかります。初心者は、そこを狙いましょう。
もちろん、俳優が「みえ」を切る場面以外でも、自分が「いいな」と思った箇所で拍手すれば、いいです。観客の拍手を受けて気を悪くする俳優はいません。ただ、周囲の観客が静かに観劇したい場面で、パチパチ大きな音を立てるのは、マナー違反になります。その意味では、観客席の「空気」を読む必要があります。

「好(ハオ)!」と叫ぶタイミングを教えてください。

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「2009年中国国家京劇院 新作『水滸伝』より」
2009年中国国家京劇院 新作『水滸伝』より

これも、いちばん確実なのは京劇俳優が「みえ」を切って、ピタリと止まる場面です。
拍手しながら「ハオ」と言えばOKです。
なお、舞台上の役者には、観客席からの「ハオ」も「アウッ」も、同じに聞こえます。そこで中国の観客の「通」は、大声で「アウッ!」と叫びます。「ハオ」と言うよりも、「アウッ!」のほうが大声で出しやすいからです。それで、舞台上の役者の耳には、ちゃんと「ハオ」の意味であると聞こえます。

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