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中国国家京劇院

プロフィル

 中国国家京劇院は中華人民共和国文化部直属の国家芸術団体であり、1955年1月に創立。初代院長は京劇芸術の巨匠である梅蘭芳先生。劇院は、一団、二団、三団、舞台美術センターおよび梅蘭芳大劇院、人民劇場(戯曲映像撮影演芸センター)で構成されている。

 劇院は、創立以来、傑出した俳優、劇作家、演出家、作曲家、舞台美術家等が多く集まり、実力ある京劇芸術団体として発展。代表的な俳優には李少春、袁世海、葉盛蘭、杜近芳、李和曾、張雲渓、張春華、李世済、演出家には阿甲、劇作家には翁偶虹、范鈞宏などがおり、世界的に名声を博している。

 50数年にわたり、劇院は500作以上の様々な題材、スタイルの伝統、新作歴史劇や現代京劇演目を継承、創作、上演してきた。代表演目には、『野猪林』、『三打祝家荘』、『三岔口』、『白蛇伝』、『九江口』、『孫安動本』、『謝瑤環』、『穆桂英掛帥』、『大閙天宮』、『満江紅』、『楊門女将』、『紅灯記』、『平原作戦』、『紅色娘子軍』、『春草闖堂』、『蝶恋花』、『漢宮驚魂』、『痩馬御史』、『江姐』、『図蘭朶公主』、『瀘水彝山』、『文成公主』、『柳蔭記』などがある。

 長年にわたり創作と国内外のコンテスト等に参加し、劇院は40数作の演目、のべ100人以上が各種の賞を受賞。近年では、『文華賞』、『五個一工程賞』、『中国京劇祭金賞』、『国家舞台芸術精品工程』、『梅蘭芳金賞』、『梅花賞』などの国内主要コンテストで常に入選している。

 中国国家京劇院は国際文化交流の重要な役割を担っており、多くの芸術団を世界各地に派遣し公演を行ってきた。これまで50数ヶ国・地域に訪問し、その足跡は五大陸におよび、国際的名声を博している。中国と世界各国との文化交流と友好の促進に大きく貢献している。

中国国家京劇院について

 中国国家京劇院は、かつて周恩来が創設に心血を注ぎ、梅蘭芳が初代院長をつとめた中国最高の京劇団である。今回の出演者は、京劇界のスターである李勝素、江其虎、于魁智、王芳、劉魁魁など、通常の海外公演では考えられぬ豪華メンバーが結集している。中国側が、いかに今回の来日公演を重視し、総力をあげて臨んでいるかがわかる。ぜひ、多くの観客に見ていただきたいと思う。

(明治大学教授 加藤徹)