第一部
扈家荘(こかそう〜水滸伝より)「扈一族の村」

○物語
  中国に古くから伝わる長編小説「水滸伝」の一場面。
宋江を頭目とする梁山泊軍は、村々を宋から解放してゆきますが、祝家荘という村を攻めたとき、祝家荘と同盟関係にある扈家荘の武術に秀でた美女・さんじょう)が、槍を握って祝家荘の救援に駆け付けます。扈三娘の武威はすさまじく、梁山泊の豪傑 王英はついに生け捕られてしまいます。豪快な立ち回りをふんだんに盛り込んだ一大武劇です。

○みどころ
  扈三娘と王英の手に汗握る攻防戦が、この劇の最大の見せ場です。
歌いながら矛を振るい、躍りながら立ち回る、美しさが冴え渡る戦闘シーンは強さと美しさを兼ね備えた「刀馬旦」の真骨頂といえるでしょう。



盗仙草(とうせんそう〜白蛇伝より)
「仙山に生えている薬草を盗む」

○物語
  神話劇として長い間中国の民間に支持されてきた白蛇伝より。
白素貞(はくそてい)は白蛇の化身。彼女は人間に姿を変え、許仙(きょせん)という青年と恋に落ちてしまいます。しかし白が蛇の化身であることを見破った金山寺の長老法海は、白に雄黄酒を飲ませ白蛇に戻してしまいます。それを見た許仙はショックのあまり瀕死の状態に。彼女は愛する許仙を救うため、霊芝仙草を採りに仙山に向かいますが、山の守護神である鶴童(かくどう)と鹿童(ろくどう)に行く手を阻まれ、激しい戦いを繰り広げた末・・・。

○みどころ
  激しくダイナミックな大立ち回りが見せ場です。
特に、鶴童と鹿童が四方八方から繰り出す攻撃を、白素貞が手足や刀を使ってかわしていく様はまさに圧巻です。激しく美しい格闘シーンは見るものを魅了してやみません。
秋江(しゅうこう)「秋の川」
○物語
  古くから伝わる京劇の人気演目の一つです。
宋時代、陳妙常(ちんみょうじょう)は、想いをよせる潘必正(はんひっせい)が都へ旅立ったことを知り、尼寺を捨て船着場へ駆け付けますが、すでに船は都へ向けて発った後。川辺に老船頭を見つけると、恋人の乗る船を急いで追いかけるように頼みます。ところがこの老船頭、彼女の慌てふためく様子を見るとわざと出発をじらしたり、やっと船を出したかとおもえば、船中では陳妙常をさんざんからかったりします。彼女は更に慌てふためいてゆく。さんざん意地悪を言ってはみたものの、心根のやさしい老船頭、最後には鮮やかなかい櫂さばきを披露し、見事恋人の乗る船に追い着くのでした。

○みどころ
  道具を使わずに舟や波を表現する丑(老船頭)の演技力は見事です。
美しい花旦役(ヒロイン)の歌唱力と丑役のユーモラスな演技が海外公演でも大絶賛されています。
トップへ戻る            第二部へ