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2025/06/27 民音音楽博物館

【民音音楽博物館】「松葉曄子の被爆ピアノ」を延長展示

「松葉曄子の被爆ピアノ」を延長展示

 

この度、 「平和構築の音楽」 展Ⅱに併せて展示をしておりました「松葉曄子の被爆ピアノ」を故・松葉曄子様のご長女・髙橋由美子様のご厚意により、期間を延長して展示する運びとなりました。

2025年は 「戦後80年」 「被爆80年」 を迎えます。

この節目に 「松葉曄子の被爆ピアノ」 をとおして、 「平和構築の音楽」 のメッセージを発信したいと思います。

原爆投下の日を乗り越えて、 大切に保持し再生してこられた 「松葉曄子の被爆ピアノ」 は、「文化対野蛮」 の葛藤とも言うべき人類の歴史を物語る、 大変重要な音楽遺産であると考えます。

この展示が、 核兵器の先制不使用と廃絶を強く訴えるものとして、 悲惨な戦争が引き起こした残酷な被爆の実相の理解を促す一助となることを願ってやみません。

民音音楽博物館

 

名 称:「松葉曄子の被爆ピアノ」を展示

会 期:2025年9月28日(日)まで ※展示替えのため一時休館 (6/30~7/10)

会 場:民音音楽博物館(信濃町) ※入場無料

是非、当館に足をお運びいただき、ご覧下さい。

「松葉曄子の被爆ピアノ」について

このピアノは1945年8月6日、広島原爆投下の日、爆心地より3km離れた場所で被爆しました。

国際拠点ひろしまのホームページには、建物の被害について、「原爆が市内中心部の上空で爆発したことと,爆心地から3㎞の範囲内に市内の全建物の約85%があったことから,被害は市内の全域におよび建物の90%以上が破壊、または消失」とあります。

ピアノは爆風でなぎ倒され、背面に無数のガラスの破片が突き刺さり、たくさんの傷や亀裂等が生じました。

壊滅的な状況となった広島の街で、奇跡的に原形を留めたピアノを、持ち主の松葉曄子様が、大切に保持し修復再生してきました。

今も背面には、ガラス片の刺さった痕跡が数多く残り、微細なガラス片の付着も見られ、支柱には鋭く食い込んだガラス片と、側面の角に残る焦げ跡が、被爆の脅威を伝えています。

現存する被爆ピアノは11台とされ、「松葉曄子の被爆ピアノ」は、そのうちの一台に数えられています。