ハービー・ハンコック & ウェイン・ショーター

toppage img

スケジュール

開催日 開演時間 都道府県 会場 お問い合わせ 電話番号
11/7(火) 18:30 東京都 両国国技館 MIN-ONインフォメーションセンター 03-3226-9999

※入場料金はS席13,000円、A席11,000円(税込み)です。

チケットのご予約







公演紹介

ハービー・ハンコックとウェイン・ショーターは、リビングレジェンド(後世に残る功績を既に成し遂げた伝説的存在)の名にふさわしい巨匠である。半世紀以上に渡って、シーンの先頭を走り続けている。ウェイン(当時27歳)は、1961年正月、アート・ブレイキーとジャズ・メッセンジャーズの一員として初来日。日本列島、一大ファンキー・ジャズ・ブームとなり、蕎麦屋の出前のお兄さんが『モーニン』を口ずさんだ。ハービー(当時24歳)は、1964年7月、人気絶頂のマイルス・デイビスのクインテットの一員として初来日し、旋風を巻き起こした。誰も聴いたことがない新しいジャズを披露した。その4カ月後、ウェインもマイルスのバンドに加入し、ハービーと共にマイルスの「黄金のクインテット」を支えジャズの頂点を極めた。マイルスは、1975年から1981年まで活動を停止した。建国200年で沸く1976年のニューヨークで、ハービーは、一夜限りの「V.S.O.P.クインテット」(ウェインが参加)のコンサートをする。大評判となり、やがて何年にも渡ってワールドツアーをする人気となった。1979年、V.S.O.P.が来日。記録的豪雨の中、田園コロシアムで行ったライブは日本ジャズ史に残る伝説となり、アルバム化された。

ベースのエスペランサ・スポルディングとドラマーのテリ・リン・キャリントンは、絶好調で快進撃を続けている。エスペランサは、2011年にはグラミー賞最優秀新人賞を受賞、ジャズ界初の快挙である。テリ・リンは、10歳でユニオン・カードを持つプロになった。まさに早熟の極みである。ふたりは、ハービーとウェインの「パスティーシュ」である。パスティーシュとは、先達と同じ価値観やスタイルを踏まえ、後継者たちが生み出した新音楽のこと。テリ・リンは、1998年にウェインのメンバーとして来日し、ド迫力の重たいビートと切れのよいリズムで聴衆の度肝を抜いた。エスペランサは、2008年にテリ・リンのメンバーとして来日して大評判となった。男性でも弾くのが難しいウッド・ベースを軽々と弾き、素敵な歌声まで披露した。

ハービー、ウェイン、エスペランサ、テリ・リンの4人は合計で、グラミー賞のノミネート62回、受賞は30回というから物凄い。この4人のバンド結成こそ、まさに“21世紀のV.S.O.P.”と呼べるのではないだろうか?4人は、全員が作曲し、演奏もピカイチである。ジャズに軸足を置きながらも、新しい音楽を聴かせてくれるだろう。舞台は、両国国技館。ジャズ録音100周年の年、東京から世界に向け発信する“歴史的コンサート”が始まるのだ。心から楽しみである。

音楽評論家 高木信哉

当日の演奏曲目

Little One
Some Place Called “Where”
Devil May Care
Memory Of Enchantment
TOYS
Encounters e Despedidas
WAR GAMES
[encore] SAMPLE TUNE

プロフィル

ハービー・ハンコック (Herbie Hancock)

1962年、代表曲「ウォーターメロン・マン」発表。1963年、マイルス・デイビス・クインテットに加入、1968年まで在籍する。『処女航海』、『ヘッド・ハンターズ』、『V.S.O.P.』、『ガーシュウィン・ワールド』、『イマジン・プロジェクト』などジャズ史に残る革新的作品を次々と発表した。今までグラミー賞には34回ノミネートされ、14回受賞した。特に『リヴァー~ジョニ・ミッチェルへのオマージュ』は、年間最優秀アルバムを受賞。ジャズメンが受賞するのは二人目の快挙だった。2011年には、「ユネスコ親善大使」に任命される。4月30日を“インターナショナル・ジャズ・デイ”と制定し、ジャズを通じて世界の平和のために心血を注いでいる。

ウェイン・ショーター(Wayne Shorter)

1959年、アート・ブレイキーとジャズ・メッセンジャーズに入団し、音楽監督を務めた。1964年11月、マイルス・デイビス・クインテットに入団した。1970年、マイルスのバンドを脱退したウェインは、ジョー・ザビヌルと共に「ウェザー・リポート」を結成して大人気となった。15年間活動し、16枚のアルバムを残し、世界中から愛された。2001年には、才能がある若手を集めて待望の新生カルテットを結成した。アコースティック・ジャズに回帰したため、ジャズ・ファンは歓喜した。作曲家としても高く評価され、「フットプリンツ」などスタンダードとなったものも多い。 グラミー賞には20回ノミネートされ、10回受賞している。

エスペランサ・スポルディング

4歳からヴァイオリンを始め、ベースは14歳から始めた。ウッド・ベース、エレクトリック・ベースの両方を弾き、歌も歌う。バークリー音楽大学を飛び級で早々と卒業したエスペランサは、当時弱冠20歳にして、同学における最年少講師として迎えられる。素晴らしいタイム感があり、非常に複雑な曲も難なくこなせる才媛だ。今までグラミー賞に5回ノミネートされ、3回受賞している。特に、2011年にグラミー賞で最優秀新人賞を受賞したことは、ジャズ界初のことだった。影響を受けたベーシストは、ロン・カーターとデイヴ・ホランド。ウェイン・ショーターについて、エスペランサは「私のヒーロー」と熱く語っている。

テリ・リン・キャリントン

7歳からドラムを始め、10歳でプロになった。10代から、音楽シーンの最前線で活動してきた名ドラマーである。ディジー・ガレスピー、オスカー・ピーターソン、パット・メセニー、スタン・ゲッツ、デビッド・サンボーン、ウェイン・ショーター、ハービー・ハンコックなど数多くの大物たちと共演した。飛び級で、バークリー音楽大学を18歳の若さで卒業した。グラミー賞に3回ノミネートされ、3回受賞した。中でも受賞作品『マネー・ジャングル2013』は、名匠デューク・エリントンへのオマージュで、高評価された。また、才能ある女性を集めた「モザイク・プロジェクト」を主宰しており、エスペランサもメンバーである。