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今回、来日するTonさんは、タイの音楽大学で伝統音楽を学び、ステージでも「ピン」と「ケーン」という タイの伝統楽器を演奏します。この「ピン」と「ケーン」は、日本にも、とても似た楽器があります。 ここでは、タイと日本の楽器をそれぞれ紹介します。
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1、ピンと三味線
タイの北東部イサーン地方が発祥と言われている撥弦楽器。3本ある弦を木でできたピックで弾いて音を出します。
また、このピンは、胴には蛇の皮が貼られています。最近では、エレキギターのように、スピーカーに繋ぐことができる
「エレキピン」も人気があります。フューチャー・オブ・アジアのTonも、自分でカスタムしたピンを使っています。
一方、日本の三味線は、琉球(沖縄)の三線が、16世紀ごろに大阪の堺市に伝来し発展したと言われています。
※ピン同様に3本の弦を撥で弾いて音を出します。ちなみに、沖縄の三線はニシキヘビの皮が貼られていますが、三味線は犬や猫の皮が貼られていました。

次は、ケーンです。こちらの楽器は、葦の管が2列にまっすぐ並んでいます。どこから吹くと思いますか?
実は、管を束ねている黒っぽい胴(紫檀や紅木と呼ばれる木をくり抜いて作られている)に吹き口があり、
そこから息を吹き込みます。持ち方も独特で、両手で胴を包み込むようにして、指穴をふさぐと、
管の内側にあるリードが共振して音が出るという仕組みです。
タイのお祭りなどで必ず演奏されます。
一方、日本の雅楽で使われる笙は17本の葦の管をぐるりと円形に並べて、
下部の胴に差し込んで固定しています。この胴にある吹き口から息を吹き込み、
管の指穴を押さえて、中にあるリードを共鳴させる仕組みはケーンと同じです。