Discover Cabo Verde's New Voice

音楽の楽園カーボベルデの歌姫、来日！

　16世紀以降、大西洋の貿易の要所として栄え、ポルトガル、アフリカ、中南米の様々な文化が交ざり合い発展した島国、カーボベルデ。 エリーダ・アルメイダは、首都プライアのあるサンティアゴ島東部の人里離れた山岳地帯の小さな村で生まれた。 道路も電気も、基本的な生活必需品も揃わない場所で、外界との唯一の接点である電池式のラジオから流れるフナナーやバトゥーケ、 モルナといった伝統歌や、海の向こうのアフリカやヨーロッパの歌たちを聴きながら、彼女は少女時代を過ごした。 幼くして父を亡くし、16歳でシングルマザーとなったエリーダは、子育てと学業、そして母親の行商を手伝いながら、 教会で歌い続けることで音楽への憧れを抱き続けた。そんな彼女の才能を見出したのは、カーボベルデ音楽を世界に知らしめた “裸足のディーヴァ”セザリア・エヴォラのプロデューサー、ジョゼ・ダ・シルヴァ。2014年にデビューしたエリーダは、 波乱に満ちた半生を凝縮した歌声で瞬く間に世界を魅了した。 彼女の音楽は、カーボベルデの人々にとって心の支えである伝統的なスタイルをルーツとしつつも、 若さあふれる感性でポップスやジャズといった現代的な要素を大胆に取り入れた独創性が魅力だ。 激動の半生、豊かな海と自然に囲まれ、信頼で結ばれたカーボベルデの国民性など故郷への想いを、穏やかで美しいメロディーに乗せて歌う新世代の歌姫、エリーダ・アルメイダ。 彼女の希望の歌声は、日本の聴衆の心にも深く響くだろう。

音楽ライター 田方春樹 (Música Terra)

エリーダ・アルメイダ│Elida Almeida

　アフリカ・西沖合に位置する島国、カーボベルデ出身のシンガー・ソングライター。 1993年、同国・サンティアゴ島生まれ。教会で歌声を磨き、ラジオ局での活動を通して音楽に親しむ。 2015年のデビューアルバム『Ora Doci Ora Margos(歌わずにはいられない)』が話題を呼び、 新進音楽家を発掘する音楽賞・Prix Découvertes RFI(フランス)を受賞。 ヨーロッパ・北米・アフリカ各地のワールドミュージック系フェスに出演し、 温かく力強い歌声と「モルナ」など母国の伝統音楽にモダンな感性を融合した新世代アフリカン・ポップスをリードする歌姫として 注目を集める存在である。