ボローニャ歌劇場室内管弦楽団 川畠成道/ヴィヴァルディ「四季」 民音トップページへ
公演解説 プロフィール スケジュール トップページへ

世界遺産の宝庫、そしてオペラが最も盛んなボローニャから久々の来日公演!
 イタリアは世界中の文化財の40%があるといわれるほど世界遺産の宝庫であり、その中でもボローニャは中世、ゴシック期、ルネサンス期の柱廊(ポルティコ)が数多く残る歴史的中心地です。また、スパゲッティ・アラ・ボロネーゼ、すなわちスパゲティ・ミートソースの本場として有名です。

ボローニャ歌劇場室内管弦楽団は1970年に正式に結成され、イタリアのみならずウィーンやドイツでも大変評価が高く、また日本にも1986年と2000年に来日し、大変好評を博しました。指揮者は世界的なヴァイオリン奏者としても活躍するロドルフォ・ボヌッチ。
そしてソリストは現在最も期待される、ヴァイオリニストの川畠成道です。彼はNHKのドキュメンタリー等TV、ラジオ、で数多く取り上げられておりますが、2004年1月にNHK総合「わたしはあきらめらい」(出演:長嶋一茂、他)に出演し、大きな反響がありました。
出 演 者
ロドルフォ・ボヌッチ(指揮)
川畠成道(ヴァイオリン)
ボローニャ歌劇場室内管弦楽団(管弦楽)

予 定 曲 目
A.ヴィヴァルディ:協奏曲集「四季」※
A.サリエリ:シンフォニア ニ長調「ヴェネツィアの人」
G.ドニゼッティ:弦楽序曲 ニ短調
L.ボッケリーニ:交響曲 二短調 作品12-4 G.506「悪魔の家」

※大阪公演のみ、W.A.モーツァルト:ディヴェルティメント K.138、ヴァイオリン協奏曲 第5番 K.219となります。


優れた音楽性と高い演奏技術を誇るボローニャ歌劇場室内管弦楽団  音楽評論家 諸石幸生
ボローニャは今、サッカーで話題もしきりだが、音楽ファンにとっても欠かすことのできない歌劇場があるし、レスピーギが生まれ、トスカニーニが活躍した音楽の都としても忘れることはできない。もちろんこの歌劇場はシャイーが音楽監督を務めていた時代に我が国を訪れて歴史的公演を聴かせてくれたし、CDも名手、フランコ・グッリをソリストに迎えたヴィヴァルディの「四季」をはじめ、ロッシーニの「弦楽のためのソナタ集」などをリリース、その高い音楽性と歌心あふれる演奏でイタリアの心意気を満喫させてくれている。
 この歌劇場の管弦楽団をベースに生まれたのがボローニャ歌劇場室内管弦楽団で、1970年に創設されているから既に30年以上のキャリアを誇っている。創設したのはヴィヴァルディ研究家として国際的にその名を知られたアンジェロ・エフリキアンであった。このエフリキアンの指導のもと、アンサンブルはたちまち演奏水準を上げ、演奏旅行、録音活動を通じて世界的に著名な弦楽アンサンブルとなっている。エフリキアンは惜しくも1982年に他界したが、その後も、歌劇場の音楽監督として就任した名指揮者シャイーの薫陶を受けながら、ボローニャ歌劇場室内管弦楽団は一貫して優れた音楽性と高い演奏技術を継続、発展させ続けてきた。
 そして1995年、長らくこのアンサンブルのソリストを務め、また指揮者としてもキャリアを重ねてきたロドルフォ・ボヌッチがこのアンサンブル指揮者に就任、定期的なコンサート・シリーズも活動も行うようになって、さらに評価と話題性を集めるようになっている。世界的に現代の音楽界は、室内管弦楽団の時代といえるほど中規模編成のアンサンブル活動が盛んだが、ボローニャ歌劇場室内管弦楽団もそんなトレンドの中、波に乗った音楽活動を推進しているのである。
 今回の来日公演は2000年春の公演以来、4年ぶりとなるものだが、イタリアは弦の国、いやカンタービレの国、いや何よりも音楽の国であることを実感させるに違いない「喜びに満ちたコンサート」になるものと期待されてならない。艶やかで明るい音色、演奏の楽しさをみなぎらせたアンサンブル、そしてヴィヴァルディやボッケリーニなど祖国の偉大なる先達たちに寄せる愛情と感謝に満ちた調べは、必ずや聴き手に豊かな心をプレゼントしてくれることであろう。
 ソリストには、緻密で、深い音楽性にあふれた川畠成道が登場、「四季」を弾いてくれるというのも素晴らしい。表情豊かなヴィヴァルディの世界が今から彷彿される。