日本の約5倍の広さをもつメキシコ合衆国は、周りには太平洋、メキシコ湾が、また国内には砂漠や高原もあり、変化に富んだ自然を要する国です。国民は白人、混血、50を超える少数民族からなる多種多様な国でもあります。
古くは紀元前1200年頃にオルメカ文明がおこり、1521年、スペイン人の渡来による、アステカ王国滅亡までの間に、テオティワカン文明、マヤ文明、トルテカ文明などが繁栄。それぞれの文明が繁栄した象徴でもある遺跡が数多く残されており、世界遺産として21もの遺跡が認定されている。
各地方の踊り
ゲレロ地方
キューバからはいってきたアフリカ的要素とチリ、ペルーの影響をうけた8分の6拍子のリズム、そしてスカーフを使った踊りが特徴。
オアハカ地方
サポテカ族、ミシュテカ族などに代表されるインディオ人口が多く、2千年前に栄えた文化を守り継承しており、それぞれの固有の言語、民族衣装などが特徴。
ノルテ地方
メキシコの北部。ノルテ地方は広大な砂漠にサボテンがある風景が広がる。18世紀から19世紀に、豊富な鉱物資源の発掘のためヨーロッパ各地から人々が入ってきた影響で、ポルカ、シュコティス(スコットランド民謡派生)、レドバ(ボヘミア民謡派生)のヨーロッパ由来のメロディーとリズムが定着している。
メキシコ中央部
アステカ時代の戦士を連想させる踊りが数多く見られる。衣装やステップはアステカ時代そのままで、スペインの弦楽器で奏でられ、スペインとアステカの文化が混ざり、萌芽した文化が根づいている。
ミチョアカン地方
代表的な踊りは「老人の踊り」。タラスコ族の人々が昔ながらの生活習慣を守りながら暮らしている。
ナジャリ地方
先住民的な弦楽器が使われるのが特徴。女性の衣装はハリスコの影響を強く受けているが、さらに高く掲げて、より激しく華やかに振られます。
ハリスコ地方
トランペットが高らかに鳴り響くマリアッチはハリスコ州から。ステップはスペインのファンダンゴやセギディージャの影響を受ける。男性の衣装はチャーロと呼ばれ、つばの広いソンブレロ(帽子)と金具がズボンの脇に連なったデザイン。女性の衣装は、裾まわりが17~18メートルもあるカラフルなスカート。