HOME > おすすめコンテンツ > History of MIN-ON > Vol.03 「民音音楽博物館」の歴史 ~「民音音楽資料館」の発足から~
[ History of MIN-ON ]
VOL.03
「民音音楽博物館」の歴史
~「民音音楽資料館」の発足から~
民衆のための音楽を目指して
スペシャルてい談
民音設立10周年を機に設立された民音音楽博物館。設立の経緯から現在に至るまで、さらに未来への展望を、国立音楽大学名誉教授である海老澤敏氏をゲストに迎え、当博物館館長と館長代行と共に伺いました。
1創設の経緯と目的
――― 民音音楽資料館(現 民音音楽博物館)創設の経緯と目的は?
小林民音音楽博物館館長(以下、小林):民音音楽資料館の話をする前に、まずは、民音についてお話をさせて頂きますと、民音は今から46年前に、創立者・池田名誉会長の発案で創設をされました。その理念は、真の世界平和の基盤をつくりたい、それには、宗教、政治・経済、イデオロギー、まして国家主義などでは絶対できないと。どこまでいっても、それらを支えている人間と人間の交流による、お互いの理解でしかない。国を結んで世界を平和にしたいと言ったときに、音楽・芸術文化の交流が一番大事ではないかというように。ましてやその当時の背景からいいますと、そのためには、音楽・文化の交流が大切という、基本的にはその一点で民音を創立致しました。その2年後に財団法人に認可になりました。
この理念のもと、一昨年、創立45周年に、ヨルダンから国立芸術団を招聘して、100カ国・地域の異なる文化を日本に紹介し続けてきたという結果になりました。池田名誉会長は、「異なる文化に触れることによって、人間は豊かになる」というお考えです。現実にコンサートを行いますと、確かにそう実感します。また、昨年は、ハイチ、ラオスからアーティストを招聘しましたので、現在、102カ国・地域になりました。
上妻民音音楽博物館館長代行(以下、上妻):それと、もうひとつあったのが、「青少年の育成」という目的を手がけていこうというところから始まって、実は、10年かかった形にはなったんですけれど、ちょうど、民音創立10周年のときに民音音楽資料館の発足・開設をさせて頂きました。
小林:今でも忘れられないのは、全く先の見えない資料館の開設ですから、我々も何を揃えたらよいのか、どういう風に使ってもらったらよいのか、専門家にも入っていただいて進めてきたのです。開設の際に、創立者の「どうせ作るなら世界に通用するものを」との言葉が、いまだに耳朶に残っていて、それは、夢のまた夢みたいな、これから何もないなか作ろうとしている最中でしたので、本当にびっくりしたことを覚えています。それから、ちょうど民音音楽資料館の開設から30周年の節目に、東京都から音楽博物館の登録認定を受けた瞬間に、ある意味では、音楽博物館の将来的なひとつの目的が、確かになったと思います。