主な演目

『大唐礼賓(だいとうれいひん)』

金色に輝く、唐の宮殿・大明宮では、皇帝が自ら日本からの遣唐使や諸国の使節を歓迎する盛大な式典が行われています。優雅で華やかな舞いが、大唐帝国の繁栄の姿を描き出し、インド、高麗、ペルシャ、ローマ、日本の友好の舞踊も彩りを添えます。




『白紵舞(はくちょぶ)』

『白紵舞』は唐代の宮廷のみならず民間にも広まった舞踊で、日本、韓国、東南アジア一帯にも伝えられました。白紵とは、麻の一種で織られた薄手の白い織物のことです。白紵で仕立てられた長い袖を翻す舞い姿は、優美にして変化に富み、その美しさは古来、波を揺らすそよ風や舞い降りる雪などにたとえられています。



『金剛力士(こんごうりきし)』

唐代に流行した仮面舞踊で、年越しや節句のたびに邪気をはらう祭祀儀礼として踊られました。日々の平穏無事を願う唐代の人々のこころを映し出しています。中国のほかに日本、韓国、タイ、東南アジア一帯にも広まりました。




『踏歌(とうか)』

緑がいっせいに芽吹く陽春のなか、楽しげな歌声と軽やかな足取り。揺れる柳のような少女たちの舞い姿は、風光明媚な春の田園風景と溶け合い、彩り鮮やかに輝いています。





『霓裳羽衣舞(げいしょうういのまい)』

『霓裳羽衣舞』は唐代舞踊を代表する演目です。「霓裳」とは虹のように美しいもすそ(スカート)、「羽衣」は鳥の羽のように軽い衣のことです。唐の玄宗皇帝が夢のなかで天上の月宮に遊び、仙女が舞っていた調べをもとに作った『霓裳羽衣の曲』に、楊貴妃が振りを付けて舞い踊ったと伝えられています。玄宗皇帝と楊貴妃の悲劇的な恋物語をつづった白居易の詩『長恨歌』にも、“霓裳羽衣の曲”の名が記されています。