●中国京劇院●
 
 中国京劇院は、1955年1月に創立された中国文化部直属の芸術団体である。初代院長は京劇芸術の巨匠である梅蘭芳氏で、現在の院長は劇作家呉江氏。劇院には、京劇一団、二団、三団のほか張火丁戯劇工作室が所属する。創立以来、京劇各流派の俳優や社会的に著名な劇作家、演出家、作曲家、舞台美術家などを絶えず糾合し、優秀な人材を集め、実力のある京劇芸術団体に発展した。著名な巨匠級俳優の李少春、袁世海、葉盛蘭、杜近芳、演出家に阿甲、劇作家には翁偶虹、範鈞宏など、国内外で名声を博している。
 
 50年来、劇院は伝統演目または創作演目を含め、500作以上の異なる題材、スタイルの作品を上演してきた。その結果、伝統の継承を得意とし、革新にも果敢に挑戦し、精緻な役作りに長けた芸術的特徴を、また深い思想性、謹厳な芸術性、清新な舞台、多様な流派、整然とした陣容の芸術的風格を形成した。代表作に、「野猪林」、「三打祝家荘」、「三岔口」、「白蛇伝」、「九江口」、「将相和」、「孫安動本」、「謝瑤環」、「穆桂英掛帥」、「大鬧天宮」、「満江紅」、「楊門女将」、「紅灯記」、「春草闖堂」、「蝶恋花」、「漢宮驚魂」、「痩馬禦」など、広く国内外に好評を博し、多くの観客に好まれている。
   
 長年にわたる創作および国内外での公演を通して、劇院は40以上の演目、のべ100人以上の個人が各種の賞を受けている。ここ近年では、「文化賞」、「五つの一工程賞」、「梅蘭芳金賞」、「梅花賞」、「中国京劇節金賞」など、中国内の重要な賞において、中国京劇院はすべて授賞されている。
 
 中国京劇院は国際文化交流の役目も担っており、新中国成立以降、絶えず世界各地に芸術団を派遣してきた。これまでに、50カ国以上の国と地域を訪問し、その足跡は五大陸に及び、国際的な名声を博している。中国と海外との文化交流を促進し、中国人民と世界各国人民の友誼を深めるため、積極的に貢献している。

 
 
●呉江 中国京劇院院長●
 
 国家一級編劇(脚本家)、北京戯劇専科学校京劇演技専攻、北京大学中国文学部文学専攻、中国芸術研究院戯曲理論研究課程を卒業。北京戯曲学校副校長、北京市文化局副局長等を歴任。
 
 創作、上演演目には、『管仲拝相』、『八珍湯』、『尉遅恭』、『瀘水彝山』、『図蘭朶公主』、『文成公主』などがある。また、『博観之文、出圓照之象』、『京劇発展之我見』など、文芸評論、散文、論文を多く発表している。
 
 現在、中国京劇院院長、全国政治協商会議常務委員、北京市政治協商会議教育・文化・衛生・体育委員会副主任等に在職。

 

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