LOS YAQUIS DE SONORA
ヤキ族の鹿踊り
メキシコ北西部ソノラ州を流れるヤキ河流域に住む農耕・狩猟種族ヤキ族。豊猟、健康を祈り、また人間が生きるために殺す鹿にその許しを乞うために舞う、古くから伝わる神聖な舞踊で、現在も鹿狩りに先立って行われる祭りで踊られている。剥製の鹿の頭を頭上に、優雅で、力強い、しかしちょっぴり臆病な鹿を演じながら、鹿がもつ勇敢さと本能、生と死の狭間でせめぎ合う闘いを、ダンサーが全身の筋肉を駆使し表現する。団創立以来、トップ男性ダンサーによって踊りつがれ、40年以上にわたり世界中の観客を魅了し続ける、メキシコ国立民族舞踊団が最も誇りとする演目である。


JALISCO
ハリスコ
17~18世紀メキシコ第2の都市としてヨーロッパの植民地文化が花開いた街、グアダラハラを首都に持つハリスコ州。グアダハラは世界に冠たるマリアッチを生んだ街だが、ここでは、音楽マリアッチやソンを伴奏に、ハリスコの土地がもつ、活気、ユーモアがステージを飾る。つばの広い帽子ソンブレロと金具を脇にずらりと連ねたズボンを身につけた、「チャーロ」と呼ばれる粋なスタイルの男たちと色鮮やかなスカートの広い裾を振り回す、力強く、コケティッシュな女性たち。ファンダンゴやセギディージャなどのスペインの影響を色濃く残すサパテアードを多用したメキシカン・ハット・ダンス「グアダラハラのハラーべ」などの演目を陽気に繰り広げる。
LA REVOLCION
革命戦争
植民地的社会構造が色濃く残るメキシコで20世紀初頭に勃発したメキシコ革命。この革命は多民族国家の国民的統合を促進しナショナリズムを高揚させ、その後のラテンアメリカ諸国民族主義運動に大きな影響を与えた。その戦いの合間男女兵士たち、戦火の外で革命に興味のない上流階級の若者たちに踊られていたヨーロッパ由来のワルツ・ポルカや、女性兵士たちによって歌い継がれた恋の歌。これらの音楽をバックに実際にメキシコ史に残る革命と、人間の本質がもつ悪、慈善、愛がもたらす人生における不変の葛藤とをコラージュ風に描き出す。カービン銃を高く掲げその運命と勇敢に闘い続けた女性兵士を中心に展開される。
FIESTA DE TLACOTALPAN
トラコタルパンの祭り
1499年、スペイン人征服者エルナン・コルテスが最初に建設したメキシコ湾岸の港町を持つベラクルス州。メキシコの海の玄関としてヨーロッパ人が多数入植、インディオとスペイン人の混血メスティーソ、黒人との混血ムラートなどによる混合文化が栄えた地方である。同州ソタベント地方に位置するトラコタルパンの祭りでは、コンガ、太鼓によるカリブの陽気なリズムで、共に過ごす時間を喜びながら、頭の大きい大人形を身にまとい歴史上の登場人物をユーモラスに風刺する。人生を全うし、混合文化の実証を継ぐこの古くから伝わるカーニバルは、大人形の行列とともに人々の生活と夢が結晶し、祭は絶頂を迎えるのである。
LA GRAN TENOCHTITLAN
ラ・グラン・テノチティトラン
サボテンの上にそびえ立つ一羽の鷲。その鷲が蛇を食べている場所こそが未来の繁栄を約束した土地という伝説はメキシコ合衆国のシンボルとして国旗の図柄に象徴的に描かれ、今もなおメキシコ人の心に生きつづける。この伝説をもとに14世紀半ば現メキシコシティのあるテスココ湖上にアステカ族により建設され、1521年、スペイン人によって征服されるまで繁栄を続けた壮大な都市テノチティトラン。この神託の地テノチティトランを象徴する中央広場にそびえ立つ大ピラミッドで行われた儀式・祭典の模様を羽を身にまとうダンサーたちが神秘的に描く。

予定来日メンバー
メキシコ国立民族舞踊団(総勢約61名)
● 団長 ノルマ・ロペス・エルナンデス
● ダンサー (男性ダンサー17名、女性ダンサー17名)
● フロレアドール (縄芸人1名)
● 演奏家 (15名)
● スタッフ関係者 (10名)