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ムトゥMuthuは、親友に誘われて見に行ったダンスショーの花形ダンサー・ミーナMeenaの華麗なダンスとその美しさに夢中になり、瞬く間に恋に落ちる。ミーナは、祖母が選んでくれた許婚者カリヤンKalyanのことを好きではない。彼はいいダンサーだけれど、高慢で品のない態度が嫌いなのだ。カリヤンはミーナを無理やりデートに誘うが、ミーナはあなたには全く興味がない、とはっきり告げる。カリヤンのもとから自分を救い出してくれたムトゥにミーナは尊敬の念を抱く。別れ際、見つめ合った二人は互いに心を奪われてしまったことを知る。翌日、ムトゥは花束を持ってミーナのもとを訪れ、愛を打ち明ける。ミーナは、もうカリヤンと婚約していると答える。ショックを受けるムトゥ。カリヤンは素晴らしいダンサーだから、祖母が気に入ってしまったのだ、とミーナは言う。あなたが、祖母も認めるくらい素晴らしいダンサーだったらよかったのに、でも、今となっては遅すぎるわ。だが、ムトゥはこの障害を乗り越えられると信じて、すぐに祖母に会ってダンスを習おうと言い出す。そんなことをしても無駄よ、祖母が許すわけないわ、祖母は女性しか教えない、とミーナ。ムトゥは、自分に任せてくれ、と彼女に告げる…。翌朝、バヌーBanuという若い女がやってきてダンスを習いたいので教えてほしいと頼む。ミーナの素晴らしいダンスを見て、この人かその一族から習うしかないと思ったのだ、と。バヌーはミーナのもとでダンスを習い始め、上達していく。祖母はバヌーを家族の一員とみなすようになる。カリヤンがやって来て、ミーナの祖母に、遅れている結婚式の日取りを決めるようにと言う。ミーナの冷たいあしらいに腹を立てたカリヤンは、祖母に向って、お孫さんが私を嫌いなら、バヌーさえよければ彼女と結婚してもいいと言い出す。その夜、カリヤンがミーナの家に忍び込み、バヌーを起こして自分と結婚してくれるように頼む。バヌーの美しさに一目ぼれしてしまったのだ。バヌーも愛を打ち明け、二人は結婚の約束をする。ムトゥとミーナ、カリヤンとバヌーの結婚式の日が決まる。結婚式当日、万事がうまく運び、ムトゥとミーナは結婚する。もう一人の花嫁、バヌーの登場をみんなが待ち続けるが、いつまで待っても現れない。やがて、バヌーは追い払われたと思ってカリヤンが激怒する。バヌーは何故、現れないのか???バヌーがこれから日本に行くって…何故?
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世界中でインド映画を観る人の数は年間延べ約60億人(因みに日本の映画観客数は約1億3千万人)。年間約800本の新作が製作される世界屈指の映画大国です。また、「インド映画で世界が踊る」(ニューズ・ウィーク誌)と言われるほど、インド映画のミュージカル音楽やポピュラー音楽は世界市場で人気を博し、CD・テープ類の売上点数では、インドのポピュラー音楽産業の規模は現在アメリカに次いで第2位を占めています。マサラ・ミュージカルを作り上げるのは、インドのポピュラー音楽+インド古典舞踊+無類のエンタテインメント精神。これでマサラ・ミュージカルがおもしろくならないはずはありません。

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インド独特の極彩色の舞台に展開するダイナミックな歌と踊り、美貌のヒロインと茶目っ気たっぷりで胸のすく大活躍を見せるヒーローによって描かれる恋と冒険の大活劇。全編が歌と踊りで満たされた、血沸き肉踊るエンタテインメントが展開します。

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よく知られているように、インドは古典芸能の宝庫であり、スター俳優たちは例外なく古典舞踊の名手です。マサラ・ミュージカルでは、恋と冒険のおなじみの物語が展開し、感情が極点まで高ぶると、すかさずそこに圧倒的なダンスシーンが次々に繰り広げられます。衣裳もアクセサリーも豪華絢爛のダンサーたちが、インド古典芸能様式に基づく、優美で力強いダンスを披露します。この何とも大胆で意表をつく展開に目と耳を奪われているうちに、日頃わたしたちが思い煩っているさまざまな悩みや迷いから精神がのびのびと解き放たれ、何ものにも代えがたい高揚感を味わうことができます。ヒーローとヒロインにいかにもそれらしい敵役(かたきやく)がからんで展開する、とことん娯楽に徹した歌と踊りの冒険活劇、これぞインド・ミュージカルの王道です。

マサラ・ミュージカルの世界は、「極楽桃源郷御伽草子」(きらびやかで、この世のものとも思われない、夢のようなお伽話)。この陶酔の舞台が、きっとあなたの心を鷲掴みにすることでしょう。

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ムトゥMuthuとは、インド映画にしばしば登場するよく知られたヒーローの名前で、ムトゥを主人公とするいろいろな物語が次々と生み出されています。日本映画のヒーローで言えば「寅さん」のような、ちょっと世の中の枠をはみ出したところのある愛すべきヒーローです。たとえば、「寅さん」だけでなく、歌舞伎のヒーローや、阪東妻三郎や市川雷蔵など往年の無声映画のスターたちが現代に生まれ変わったと想像して見てください。たとえ見かけは現代人でも、彼らの生き方は、スタイルもスケールも現代人とはケタ違いな人物に違いありません。それと同じように、現実にはありえないけれど、現実にあったらいいなあと誰もが思うような小気味よい生き方を目の前に見せてくれるのが庶民のスーパースター、ムトゥなのです。

image 〔主演男優プロフィール〕
ラムジー Ramjhi(ヒーロー:ムトゥ)
チェンナイ(旧名マドラス)生まれ。子供の頃からダンスを学び、インド古典舞踊のバラタナティヤムやバレエを修得。その後、映画の世界に入り、20本以上の映画に出演。、超ヒット作となった数多くの映画のダンス・シーンに登場している。また、日本の缶チューハイ「Hi-Boy」(合同酒精)のCM(2000年)に出演している。 image
image 〔主演女優プロフィール〕
サンギータSangeetha(ヒロイン:ミーナ)
チェンナイ生まれ。弱冠6歳にしてダンスのトレーニングを始め、12歳の時に初舞台。学生レベルで最高のダンス賞を受賞したのち、1996年に映画の世界に入り、5年という短期間のうちに25以上の映画にヒロインとして出演している。 image
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image 〔演出・振付家プロフィール〕
カリヤン Kalyan(ビレイン(敵役):ガネーシュ)
1969年チェンナイ生まれ。数多くの映画で様々なソロ・ダンスを披露、「ミス・ワールド・ビューティー・ページェント」でもソロ・ダンサーとして成功を収めているほか、ロンドンのチェルシー・スタジアムやニュージャージーのジャイアント・スタジアムなど、世界中の有名な場所でのショーに多数出演。日本でも公開された映画「ムトゥMuthu」「アルナーチャラムArunachalam」にもスタッフとして参加。 image
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カリヤンは、シンガポールとマレーシアでラジニカーントRajnikanth(「ムトゥ 踊るマハラジャ」でムトゥを演じ一躍日本でも有名になったインドのスーパースター)のショーの振付を担当、大ヒットに導いた。また、ラジニカーント映画界25周年を記念するインド初のスペシャル・ショーの振付けも担当。10万人以上の大観客を集めたこのショーは、インドでかつて演じられたことのないユニークなイベントとなった。