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History of MIN-ON.

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Vol.3 「民音音楽博物館」の歴史~「民音音楽資料館」の発足から~
スペシャルてい談

  • 創設の経緯と目的
  • 創設の準備
  • 音楽資料の収集
  • 古典ピアノの保存
  • 東京都の登録博物館へ
  • 世界からの注目
  • これまでの企画展示
  • これからの民音博物館
  • 民衆のための音楽を目指して

これからの民音音楽博物館

――― ライブラリーが中心だった、民音音楽資料館が果たしてきた役割と、更に一歩社会に開かれた民音音楽博物館として担うべき役割は、何だとお考えでしょうか?

「民音音楽博物館」ライブラリー(音楽図書館)
「民音音楽博物館」ライブラリー(音楽図書館)

海老澤:音楽に限っていえば、博物館の原語は「ミュージアム」ですよね。ミューズたちの集うところという意味です。ギリシャ語からあるんですね。「ムーセイオン」っていう言葉がありましてね。そこは、ミューズたちの集うところ、館、宮殿。音楽をやるところなんですよ。2000年、2500年経つうちに、「ミュージアム」というと、美術館、博物館になってしまいましたが、本当は、使い方としては、「ミュージアム」というと、音楽館なんですよね。

本来の「ミュージアム」とは、音楽の鳴り響くところ、鳴り響くだけでなく、音楽を追求するところ。資料もいれば、楽譜もいれば、本もいる。それに加えて、音楽が鳴り響くためには、楽器がないといけないでしょう。だから、楽器が集うところという意味ですから、そういう意味では、ここは一番、総合的な場ではないですかね。

「民音音楽博物館」古典ピアノ室 「民音音楽博物館」オルゴール室
「民音音楽博物館」古典ピアノ室 「民音音楽博物館」オルゴール室

武蔵野は図書館と博物館があり、分けていますが、ここは、それが一体となっている。大学では、ちょっとないような形かもしれませんね。それから、楽器が集まっているところは、他にもありますよね。浜松もそうですよね。大学でいえば武蔵野、国立もありますし。大阪音大もそうですしね。

音楽関係の博物館といいますか、楽器資料館、博物館というところは、他にもありますけど、浜松は文献類はあまりないわけですよ。むしろ、両方が一体となっているというのが、本来的ではないでしょうか。

――― ライブラリーと博物館が一体となった音楽博物館として、今後、民音音楽博物館に期待されることがございましたら、ぜひお聞かせ下さい。

海老澤:いままで、伺ってきたことからすれば、音楽の資料、楽譜を使って、楽器を使って、音楽が鳴り響く。音楽とは何か、音楽の構造とか、もっと具体的にいえば、作曲、理論・・そういうものは理論書、音楽の文献、本がないと成り立ちません。そういうものを全部そなえているというのが理想的なかたちです。そういう意味で、民音は、一般に開かれていますし、さきほどの話のように、子供たちが、実際にいろんな形で利用、活用できるところになっていますし。大学は、まだまだ閉鎖性がありますから。公開性  誰でも利用ができる、若い人達が容易に利用することができる、という方向性は先程、伺ったので、それは本当に素晴らしいことじゃないですか。

大学はもっと偏っています。大学の音楽図書館は、付属としてある以上は、音楽専門教育だけなく、一般教養に関するサービスにも応えていかなくてならない。ですから、音楽中心ではあるけれど、音楽専門図書館ではないわけですからね。大学も外国語の本を集めたり、難しいことばかりやっている。私については、こちらが開館する、ちょっと前に、音楽図書館協議会の最初の代表、責任者になったり、また、国立の館長も務めましたが、それ以後、図書館は急速に変わったと思います。コンピュータが導入され、インターネットが整備されて、その他でも完全に変わって、私は、もう浦島太郎になってしまっているんですよ(笑)。

私は、収集家でないですけど、モーツァルトに関しては、外国でもないようなコレクションをしていると思います。小さいですけど。でも、そういうのを、自分として、どう活用するかという、図書館的には、一使用者的な、研究者の視点でおります。私のモーツァルトに関するコレクションもそういう風に、徹底したいと思っていますので、図書館の世界からは、ずいぶん離れてしまっていたなぁと感じます。しかし、お金があれば、一般公開が可能なモーツァルト図書館が作れればとの夢を持っています。

――― 今後、民音音楽博物館の進むべき方向性は?

上妻:音楽博物館としての、ひとつの方向性というか、私が考えたのは、これからも総合的な、音楽の館を目指していこうと。今は、ピアノを中心に展示していたり、楽器を表に出していますけどね。やはり音楽という総合的な芸術をもっともっと、より親しんで、楽しんで頂けるような方向に持っていきたい、というのが私の思いです。そのための、文献資料の収集であったり、裏づけとなる資料の収集であり、楽器の収集であり、理論書の収集であり、また展示の一般公開でありという風にしていきたいなと考えています。

小林:さきほど、海老澤先生がヨーロッパ60ヵ所、アメリカ20ヶ所と博物館をまわられて、それぞれが全部違うという、ここに、私は大いに勇気を頂いたような気がします。肩肘はらないで、民音音楽博物館は民音音楽博物館らしく、そのかわり努力も、労も惜しまずに、さきほどのヤマハの話ではないですが、博物館に訪ねてこられる方々が、胸をときめかして、足を運んで下さるような、そういう博物館になったら良いなと考えています。

資料的には、先ほど、先生がおっしゃったように、音楽教育も含めてなんですが、それらをどうやったら、音楽教育とか音楽に触れようとしている子供たちに、手を差しのべられるか、ということをやっぱり念頭に置いて、今の楽譜で終わっているだけでなくして、こんなこともできたら、あんなこともできたらということも、博物館というと、どちらかというと“静”のイメージがあり、止まったり、気がつくと、後ろに退いてたりするんですが、そうでははく、常に前向きに研究しながら、進めていけるような博物館にしていきたい。将来を考えると果てしないので、今は、肩肘はらないで、民音音楽博物館らしくいきたいと思っています。

――― 長時間、大変ありがとうございました。

海老澤 敏 Bin Ebisawa
海老澤 敏
Bin Ebisawa
1931年東京生まれ。1955年、東京大学文学部美学美術史学科卒業、1958年、同大学院修士課程修了。1962年から2年間、フランス政府給費留学生として滞仏。東大文学部助手、国立音楽大学教授、同学長、学園長を歴任。現在、同名誉教授。
1982年、『ルソーと音楽』でサントリー学芸賞、1987年『むすんでひらいて考』で芸術選奨文部大臣賞、1989年、ザルツブルク国際モツァルテーウム財団名誉財団員、同財団モーツァルト研究所所員、1991年、NHK放送文化賞受賞、ザルツブルク州黄金勲章、1996年、紫綬褒章受章、2007年秋、文化功労者。その他、オーストリア共和国有功勲章学術・芸術第一等十字章、フランス政府学術功労勲章オフィシエおよび芸術文化勲章オフィシエ受章。
新国立劇場副理事長および新国立劇場オペラ研修所所長をへて、現在、同研修所顧問、尚美学園大学大学院特別専任教授、日本モーツァルト研究所所長、ボローニャ王立音楽アカデミー名誉会員。
音楽図書館協議会初代議長、日本音楽学会会長、日本18世紀学会代表幹事等を歴任。
主な著書に「モーツァルト研究ノート」、「モーツァルト像の軌跡」、「モーツァルトの生涯」、「ルソーと音楽」、「むすんでひらいて考」、「新モーツァルト考」、「超越の響き-モーツァルトの作品世界-」、「瀧廉太郎─夭折の響き」、「モーツァルトの回廊」、「モーツァルト書簡全集 全6巻」(共訳編著)等がある。
※2010年現在
小林 啓泰 Hiroyasu Kobayashi
小林 啓泰 Hiroyasu Kobayashi
1942年東京生まれ。日本大学経済学部卒業。1969年1月より財団法人民主音楽協会に勤務。2002年3月、代表理事。
音楽を通した文化交流と青少年のための音楽活動を推進している。民音音楽博物館の開館にあたり、2004年3月、民音音楽博物館館長を兼務。
※2010年現在
上妻 重之 Shigeyuki Kozuma
上妻 重之 Shigeyuki Kozuma
1953年熊本生まれ。創価大学法学部卒業。1975年4月より財団法人民主音楽協会に勤務。1991年に民音音楽資料館に異動。2005年11月、民音音楽博物館館長代行。民音音楽資料館の業務に長年携わり、現在は、館長代行として、音楽博物館の実務(学芸員兼務)を中心的にとりおこなう。
※2010年現在

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