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History of MIN-ON.

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Vol.1  民音・指揮者コンクールの歴史
外山雄三審査委員長インタビュー

―――指揮者のコンクールということに、特別な意味はありますか?
世界にも音楽コンクールはたくさんあるが、まず指揮者のコンクールというものがあまりない。
楽器の演奏家なら、個人で先生について練習していくことができるが、まず指揮者というものは、一人では練習が出来ない。
また、世界でも、ブザンソンやトスカニーニといった指揮者コンクールはあるが、他のものは、例えば次回のコンクールに向けて勉強しようと学生が思っていても、残念ながらそのコンクール自体が再び開催されるかどうかもわからない、といった状況である。
そういうものが多い中で、3年に一度というスタンスで、コンクールを開催してきた民音の指揮者コンクールと言うのは、世界中の、指揮者を目指す人たちの中で、大きな目標になっている。

―――民音の指揮者コンクールが、若い指揮者や学生さんたちの目標になっているということですか?
その通りです。
私も、民音のコンクールを目標にしている、と話していた学生たちを知っている。
コンクールに出場し、世に知られていくことで、才能ある人材を音楽界に送りだすことができる。

―――なかなか指揮者のデビューは難しいですね。
コンクールというきっかけがあることで、素晴らしい指揮者が今までにも誕生してきた。
例えば、1982年に入選した広上淳一さんや、2000年のコンクールで優勝した下野竜也さん。
下野さんは大阪フィルで、朝比奈隆先生の下で指導を受けていて、オーケストラの団員からも人気があった。でも、人気があっただけでは世に出られない。
民音のコンクールに優勝し、その後ブザンソンのコンクールでも優勝したことで、世間に注目され、多くの機会を得ることが出来、今では立派な指揮者の一人となった。

ノールショピング・オーケストラを率いて凱旋公演した、広上淳一氏(1994年)   第12回指揮者コンクールで優勝した、下野竜也氏(2000年)
ノールショピング・オーケストラを率いて凱旋公演した、広上淳一氏(1994年)   第12回指揮者コンクールで優勝した、下野竜也氏(2000年)

―――1997年から審査委員長としてのお立場になられましたが?
審査委員長とは、審査委員の皆さんの意見をまとめていく調停役のようなもの。
芸術に優劣をつけることは難しいことだが、より審査委員の皆さんからの意見を引き出し、公平に判断することを心がけている。なので、審査委員長の判断で、順位がひっくり返ったりすることはない。なかなか大変な作業であることは事実である。

―――ご自身が指揮者になられた時のエピソードなどがありましたら、お聞かせ下さい。
私が若い時、NHK交響楽団にいたが(指揮研究員)、今思えば、私を今後できることなら指揮者にしていきたいと思って下さった方があって、カラヤンが来日してNHK交響楽団を振った時、指揮の講習会を開催することになり、私もその場に参加させていただいた。
帰国の際、羽田空港まで見送りに行かせていただいたのだが、カラヤンが私を隅の方に呼んで、「もしこれからも君が指揮を勉強していくのであれば、学生のオーケストラでもいい、ブラスバンドでもコーラスでも、ピアノ2台でもいいから、複数の演奏家を使って練習しなさい」と声をかけてくださった。
今思っても、なぜ私に声をかけてくれたのかわからないが、この時のことは今でも鮮明に覚えている。

外山雄三審査委員長カラヤンも、外山先生の熱意を感じ、また次代を担う若者に何か残したかったのかもしれませんね。そして指揮者の練習というのは、ピアノ2台でも出来るのですか?
もちろんたくさんの楽器があるオーケストラを振れるに超したことはないが、最低2台のピアノがあれば出来る。
2人のピアニストに、自分の指揮で同時に最初の音を出してもらう。これだけでも、実は大変なことである。その後2台が合わせて演奏を続けていくことも、簡単なことではない。指揮者の呼吸や手の振り方一つで、複数の演奏家に自分の意思を伝えられるか、そういった練習を行なうことが大切である。

―――指揮者によってそんなに演奏が変わるものですか?
まるっきり違う曲になる。コンクールの本選で、全員が同じ課題曲を指揮するが、こんなに音が変わるのかと思うほど違う。 私たちも、その演奏を聴く中で、学ぶことも多い。 是非、今年のコンクールの本選の演奏を聴いてみて欲しい。面白い経験が出来ると思う。

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