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もっと!京劇

どんな楽器を使っているのですか?

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京劇の楽器は、旋律楽器と打楽器に分けられます。
旋律楽器はさらに、弦楽器系と吹奏楽器系に分かれます。
京劇の最も主要な楽器は「京胡」です。これは高音のバイオリンのような音がします。京胡は、京劇の魂、と言ってもよいほど重要な楽器です。昔の京劇の名優は、自分専属の京胡の奏者をかかえていたほどです。
「京胡」より一オクターブ低音の、バイオリンのような音色は「京二胡」。
ポロロロロン……、とマンドリンのような音色は「月琴」。
日本の三味線そっくりの音色は「三弦」。
弦楽器系は、この四種類が基本です。楽隊の人数に余裕があれば、低音のギターのような音色の「中阮」「大阮」を加えます。芝居の中で「琵琶」弾きが登場する場面などでは、楽隊が本物の「琵琶」を演奏することもあります。
吹奏楽器系では、ピリリリ……という笛膜のふるえが特徴的な音色である「曲笛」とか、戦闘場面の伴奏でよく使われるチャルメラ、ハーモニカのような音色の「笙」などが、よく使われます。
打楽器系の楽器は、木質の音色と、金属の音色の二種類に分かれます。カタカタカタ……というカスタネットの連打のような音色の「単皮鼓」、カチッという音の「檀板」は、木質の音色です。金属系の打楽器は、コーンという音色の「大鑼」、チーンという「小鑼」、チャッという「にょうばち」の三種類です。このほか、芝居によっては、太鼓などさまざまな打楽器を臨機応変に使用することがあります。
京劇の伴奏楽器は多種多様ですが、メインは「京胡」と「単皮鼓」の二種類です。
「京胡」も「単皮鼓」も、まともな音を出せるようになるまで、たいへんな修練を必要とします。楽隊のなかでも、「京胡」を演奏する「琴師」と、「単皮鼓」(および「檀板」)を演奏する「司鼓」の二人は、別格のリーダー的存在です。西洋のオーケストラにたとえると、「司鼓」は指揮棒をもった指揮者、「京胡」は第一バイオリンに当たります。
京劇の楽隊は、客席から見て舞台右側の袖幕の中に隠れています。舞台上の役者も、楽隊の全員も、「司鼓」が打ち鳴らす「単皮鼓」と「檀板」のリズムに合わせます。

京胡。京劇の主要な伴奏楽器で、京胡の奏者は単皮鼓の鼓師とともにリーダー格。琴筒は竹で作られている。琴弓は馬の尾の毛。音は京二胡より高い。 京胡。京劇の主要な伴奏楽器で、京胡の奏者は単皮鼓の鼓師とともにリーダー格。琴筒は竹で作られている。琴弓は馬の尾の毛。音は京二胡より高い。 京二胡。胡琴の一種で京胡よりやや大きい。琴筒は木製。2本の弦の5度の差で、レベルを決める。京胡よりやや音が低い中音域。京胡に従って伴奏する。 京二胡。胡琴の一種で京胡よりやや大きい。琴筒は木製。2本の弦の5度の差で、レベルを決める。京胡よりやや音が低い中音域。京胡に従って伴奏する。
大阮。擦弦楽器で、京劇の伴奏の主要な補助楽器として使われる。胴は円形で、2つの共鳴孔が開けられている。 大阮。擦弦楽器で、京劇の伴奏の主要な補助楽器として使われる。胴は円形で、2つの共鳴孔が開けられている。 月琴。京劇の伴奏の主要な補助楽器。大阮より棹が短い。共鳴胴が満月の形。 月琴。京劇の伴奏の主要な補助楽器。大阮より棹が短い。共鳴胴が満月の形。
三弦。京劇界では南弦子と呼ばれる。主要な補助楽器。胴に大蛇の皮を貼る。手の爪または撥で弾く。 三弦。京劇界では南弦子と呼ばれる。主要な補助楽器。胴に大蛇の皮を貼る。手の爪または撥で弾く。 単皮鼓。楽隊の指揮の作用をする。この楽器を担当する鼓師になるためには、役者と同じ年数の教育を必要とする。 単皮鼓。楽隊の指揮の作用をする。この楽器を担当する鼓師になるためには、役者と同じ年数の教育を必要とする。
大鑼。銅製で小さいほどレベルが高くなる。通常直径30センチほどのものを使う。 大鑼。銅製で小さいほどレベルが高くなる。通常直径30センチほどのものを使う。 小鑼。銅製。左手で小鑼を持ち、右手に持った鑼板(役20センチの木片)で小鑼の真ん中を打って鳴らす。 小鑼。銅製。左手で小鑼を持ち、右手に持った鑼板(役20センチの木片)で小鑼の真ん中を打って鳴らす。
笛(笛子)。管楽器で、曲牌の伴奏の主要楽器。竹製 笛(笛子)。管楽器で、曲牌の伴奏の主要楽器。竹製 笙。管楽器で、伴奏の補助楽器。息を吸うときも吐くときも音が出る。 笙。管楽器で、伴奏の補助楽器。息を吸うときも吐くときも音が出る。

※出典:魯大鳴『京劇への招待』小学館

楽譜はあるのですか?

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比較的新しく作られた脚本。楽譜も載って便利だが、五線譜ではなく伝統的な表記法。京劇界ではこれを使うことがほとんどだ。<br />
※出典:魯大鳴『京劇への招待』小学館
比較的新しく作られた脚本。楽譜も載って便利だが、五線譜ではなく伝統的な表記法。京劇界ではこれを使うことがほとんどだ。
※出典:魯大鳴『京劇への招待』小学館

京劇にも楽譜はあります。昔の中国の楽譜は、「工尺譜」という漢字による楽譜が一般的でした。20世紀の初めに西洋式の数字譜が中国でも普及しました。現在の中国では五線譜も普及していますが、京劇では、移調にも便利な数字譜のほうが依然として主流です。
ただし、京劇の歌は、日本の演歌と同じく楽譜では書き表せない微妙な「こぶし」が聴かせどころになっていたりします。そのため、京劇では楽譜はあくまでも「目安」にすぎません。

どうしてあんな高い声で演じるのですか?

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一言でいえば「テンション」すなわち緊張感を高めるためです。
声だけでなく、京劇の美学は「テンション」にあります。俳優は、まなじりをキリリとつりあげるように化粧をします。舞台上に立つ姿勢も、声も、キリリと身を引きしめる感じです。
中国には、さまざまな地方劇があります。京劇は緊張感の美学を心情としますが、東南の昆劇はとろけるような上品な歌声を好み、西北の陝西省の地方劇はキイキイと枯れた烈しい歌声を好み、中国最南端の広東の地方劇は落ち着いた低音を好む、など、実は地方によって歌声はさまざまです。
これは、前述のとおり、中華料理の地方差に似ています。北京の料理はピリリと塩気がきいてる。東南の上海料理の味は上品。四川料理は激辛だが、広東料理は甘口。……等々。地方ごとの芝居の風格の違いは、料理の味の違いと、ある意味でかなり連動しています。

歌のところとセリフのところの違いは何ですか?(唱・念・做・打)

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(唱・念・做・打)

京劇は音楽劇なので、クライマックスのシーンは、歌になります。シェイクスピアの芝居とか、歌舞伎などは、役者はクライマックスで「名セリフ」を言います。京劇のクライマックスでは、歌になるわけです。
京劇俳優は「唱(うた)・念(せりふ)・做(しぐさ)・打(たちまわり)」の四技能をマスターしていることが要求されます。もちろん、俳優によって、歌より立ち回りのほうがうまい、とか、あるいはその逆など、個性の差はあります。しかし京劇は音楽劇なので、歌がうまくないと、主役を演ずることはできません。

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